資産運用の方法を調べているとよく目にする「REIT(リート)」という言葉。しかしREITの意味をしっかりと理解している初心者は少ないのではないでしょうか。もし不動産投資に興味を持っている人であれば早いうちにREITの特徴や実物不動産投資との違いについて把握しておきましょう。そこで今回は、REITの概要や実物不動産投資との違いについて解説します。

REITは不動産の投資信託

REIT
(画像=santiago-silver/stock.adobe.com)

REITとは「Real Estate Investment Trust」の略で米国生まれの投資信託の一種です。日本のREITは、海外のものと区別するためJapanの頭文字を付けて「J-REIT」と呼ばれることもあります。REITは、本来投資信託の名前ですが投資法人のことを意味する場合も少なくありません。

REITの仕組み

REITでは、投資法人が株式と同様の意味を持つ投資証券を発行し投資家に購入してもらい資金を集めます。投資家から集めた資金を使ってマンションやアパート、テナントビル、商業施設、オフィスビルなどの賃貸運営や不動産売買などで収益を得るのが一般的です。収益から手数料を差し引いて投資家に分配する仕組みとなっています。

REITの規模

REITの投資法人は、証券市場に上場しており投資証券は証券会社を通じて売買が可能です。2001年に2つの銘柄でスタートしたJ-REITですが、2020年10月末時点で62銘柄、時価総額は約13兆1,100億円という規模になっています。

REITの種類

REITの投資対象は、さまざまな用途の不動産があります。投資の仕方によって大きく分けると以下の2種類です。

REITの種類
単一用途特化型オフィスビル特化型
住居特化型
商業施設特化型
物流施設特化型
ホテル特化型
複数用途型複合型(2つの用途)
総合型(3つの用途もしくは用途を限定しない)

・単一用途特化型
単一特化型は、特定の用途の不動産に絞って投資を行う種類のREITです。オフィスビルや商業施設、ホテル、住宅など各種ある中から一つの用途を選んで投資を行います。

・複数用途型
複数用途型は、いくつかの用途を選んで投資を行う種類のREITです。例えば「オフィスビルと商業施設」「住宅とホテル」といった組み合わせで投資を行います。さらに複数用途型の中でも2つの用途を選んで投資することを「複合型」、特定の用途に絞らず幅広く投資することを「総合型」と呼ぶこともあります。

REITにおける4つのメリット

資産運用を行う場合、REITには主に以下の4つのメリットがあります。

  • 投資先のリスク分散ができる
  • 投資の手間がかからない
  • 少額からはじめることができる
  • 現金化しやすい

1.投資先のリスク分散ができる

多数の不動産に対して分散投資を行うため、いくつかの空室が発生しても極端に収支が悪化するリスクを回避できます。複合型であれば特定用途の需要が下がったとしても他の用途へ分散投資しているため、大きな収益低下を防げます。

2.投資の手間がかからない

物件選定から管理、運営、売却まですべてREITを通じて専門家が行うため、投資家の手間や時間は不要です。また経験と専門知識を備えたプロが運営管理するため、失敗のリスクも大幅に低減できます。

3.少額からはじめることができる

実物の不動産投資と異なり銘柄によっては数万円から購入が可能です。そのため不動産投資初心者でも少ない手元資金から気軽にはじめることができます。

4.現金化しやすい

REITは、上場しているため実物不動産に比べて現金化しやすいことがメリットです。実物不動産は、売りに出してからすぐに物件が売却できるとは限りません。また買い手が付いても現金化されるまでさまざまな手続きで時間がかかることもあります。

REITにおける4つのデメリット

REITの運用は、プロに任せられるとはいってもあくまで自己責任が原則の投資です。そのため主に以下のような4つのデメリットもあります。

  • 不動産市場の影響を受ける
  • 融資を受けて購入できない
  • 上場廃止のリスクがある
  • 大きな資産形成には時間がかかる

1.不動産市場の影響を受ける

実物不動産への投資による配当のため、景気や金利変動、震災など不動産市場の影響を直接受けます。そのため専門家に任せてあるからといって、すべてのリスクを回避できるわけではありません。

2.融資を受けて購入できない

REITは、現物の不動産を所有するわけではないため、実物不動産のような担保がなく投資資金の融資を受けることはできません。あくまでも手元の資金で投資を行うことになります。

3.上場廃止のリスクがある

REITを運営するのは、投資法人です。そのため普通の企業と同様に倒産したり上場廃止になったりするリスクがあります。倒産時に所有する実物不動産の状況によっては多少の返金を受けられる可能性はありますが証券のため価値がゼロになるリスクがあることも忘れてはいけません。

4.大きな資産形成には時間がかかる

2020年10月末時点でのJ-REITの予想年間平均分配金利回りは4.37%です。現物不動産よりも利回りは低めで手数料もかかるため、多額の資金を投資したとしても大きな資産を形成するには時間がかかります。

実物不動産投資とは

実際の建物などの不動産を自らが所有し賃貸を行って家賃収入を得るのが不動産投資です。投資信託によって間接的に不動産投資の利益を得るREITと分ける意味で実物不動産投資と呼ぶことがあります。
実物不動産投資にもさまざまなメリットとデメリットがあるためREITとの違いを押さえておきましょう。

実物不動産投資における5つのメリット

実物不動産投資には、主に以下の5つのメリットがあります。

  • 他の資産運用に比べ安定している
  • 利回りが良く大きく資産を蓄えやすい
  • 価値がゼロになるリスクは少ない
  • 融資を利用して購入できる
  • 管理の手間がかからない

1.他の資産運用に比べ安定している

不動産の賃貸収入という比較的安定した資産運用のため、株式などに比べ短期間で大きく下落するリスクが少なく安定した収益が期待できます。ただし賃貸であれば都心を選ぶなど物件ごとの見極めが非常に重要です。

2.利回りが良好で大きく資産を蓄えやすい

利回りは、物件形態や地域によって大きく異なります。健美家が公表している「収益物件市場動向レポート2019年」によると2019年における区分マンションの投資利回りは全国平均で7.37%とREITに比べ高い傾向です。長期的に積み上げる計画なら大きく資産を蓄えやすい投資先といえます。

3.価値がゼロになるリスクは少ない

不動産という実物の資産を所有するため、REITを含めた投資信託や株式のように倒産などで価値がゼロになるリスクは少ないでしょう。特に都内など人口が増え続けるエリアの物件は、価値自体が下がりにくくなっています。

4.融資を利用して購入できる

資産運用の中では、高額資金が必要になる不動産投資ですが金融機関の融資を利用して物件を購入することができます。少ない手元資金で投資をはじめたい人には、他の資産運用にはあまりないメリットとなるでしょう。

5.管理の手間がかからない

不動産を所有しても入居者管理や建物の維持管理は管理会社へ委託でき管理の手間はかかりません。多少でも管理費を抑えるなら自ら管理することもできますが、手間が非常にかかるため副業で不動産投資を検討している人であれば管理委託するのが無難でしょう。

実物不動産投資における2つのデメリット

実物不動産投資には、REITと比べた場合に主に以下の2つのデメリットがあります。

  • 多くの資金が必要
  • 現金化に時間がかかる

1.多くの資金が必要

融資が受けられるとしてもかかる資金が高額なことに変わりはありません。債務も含めて投資額自体を抑えたい人には、実物不動産は適していません。

2.現金化に時間がかかる

実物不動産を現金化するには、売り出して売却が決まったあと決済まで行うことが必要です。そのため手元に現金が入るまで数ヵ月かかることも珍しくありません。REITの場合は、証券化されているため売却から3営業日で受け渡しが完了します。

REITと実物不動産投資との比較

ここまでに解説したREITと実物不動産投資のメリット・デメリットを比較しやすいよう主要なポイントに絞って以下の表にまとめました。

比較項目実物不動産REIT
投資額多額少額
融資利用できるできない(信用取引は除く)
管理の手間委託すれば少ない少ない
現金化数ヵ月かかることもある売却から3営業日
資産価値の下落リスク価値がゼロになるリスクは少ない倒産や上場廃止があればゼロに

REITは不動産投資入門に最適

REITは、幅広く分散投資をするためリスクを抑えられ投資額が少なくてもはじめられるため不動産投資の入門に最適です。投資先を選ぶ際には、不動産の用途を自然と学ぶことになります。最低限は市場の動向に気を配る必要があるため、経済などの情報にも目が向くようになるでしょう。ただし資産価値が大きく下がる可能性は他の投資信託と同様にあります。

そのため多額の資金を投資する場合は、リスクを承知したうえで行うことが必要です。一方で実物不動産はREITと比べると利回りが高く、多くの投資額が必要となります。その分リターンも多く資産形成をする点ではREITより有利です。融資を活用すれば手元資金は最小限でも投資できるため、REITで不動産投資の基礎知識を学んだあとに実物不動産投資へのレベルアップを検討してみてはいかがでしょうか。

(提供:THE Roots

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