2020年は新型コロナウィルスの影響で飲食店の経営が苦境に立たされています。そのようななか、会員権を発行して固定客を増やし、経営を安定させている店があります。飲食系のクラウドファンディングも増えており、お気に入りの店を支援しながらリターンも得る、新しいグルメの楽しみ方として注目されています。会員制レストランや飲食系クラウドファンディングの仕組みと魅力を紹介します。

会員制レストランとは

レストラン会員権
(画像=motortion/stock.adobe.com)

会員制レストランとは、一定の年会費を支払った会員客のみに料理を提供する飲食店のことをいいます。紹介者を介して入会できる店や、会員権を購入して利用する店など、いろいろなタイプがあります。店名や所在地を明かさない店もあり、限られた人だけが通える隠れ家的な魅力があるのも人気の理由といわれます。

東京・西新宿の肉料理店「29ON」の例では、年会費1万4,000円を払って会員になると、一般の飲食店なら1万円の料理を、5,000~7,000円で提供を受けられるなどのメリットがあります。年に数回利用すれば会費の元を取れる場合があり、会員になって損はないように価格設定されています。

会員制レストランは、店にとっても完全予約制で営業できることから食材の廃棄ロスが少なく、効率的に運営できるメリットがあります。京都・祇園が「一見さんお断り」の会員制飲食店が多いエリアであることはよく知られていることでしょう。

会員制レストランのメリット

顧客にとって割引以外に会員制レストランを利用するメリットはどこにあるのでしょうか。
1つは、原則として予約オンリーであるため、待ち客がなく、ゆったり食事ができることです。1日の予約数も限定しているため、コロナ禍ではソーシャルディスタンスを保てることも安心感につながります。

また、紹介制の店であれば、身元のはっきりした上質な客のみとなるため、騒ぐなどのトラブルもなく、安心して食事を楽しむことができます。

もう一点、会員制の店は一般的に食材の原価が高く、良質な食材を使用することで、一般の店では味わえない料理を食することができます。先に紹介した肉料理レストランでは原価率50%とかなり良質の肉を使用しています。料理の質が高い場合、一般の店だと評判になって行列ができるなどの事態も考えられますが、会員制であれば行列はないので安心です。

レストラン会員権の購入方法

さて、レストランの会員権はどのように購入すればよいのでしょうか。クラウドファンディングのプラットフォームを運営する株式会社マクアケで購入する例をみてみましょう。

一例として、南青山にある完全会員制フレンチレストラン「ラクレ トウキョウ」に入会する場合、年会費として10万円、月会費として3万円がかかります。富裕層がメインとはいえかなり高額ですが、マクアケを通じて会員権を購入すると、年会費無料となります。月会費も1万5,000円で利用できるようになります。会員権の価格は、2名分が3万4,000円、4名分が6万6,000円です。いずれも限定数のため、販売終了になる場合があります。

この店の入場方法は、入り口の扉が静脈認証式になっており、セキュリティの高さがうかがえます。圧倒的なステータス感ですが、もっと手軽に飲食店を支援したい場合は、次に紹介するクラウドファンディングに出資する方法もあります。

広がりつつある飲食クラウドファンディング

飲食店を対象にしたクラウドファンディングが広がりつつあります。クラウドファンディングとは、群衆を意味するクラウド(crowd)と、資金調達を意味するファンディング(funding)を合わせた造語です。特定のプロジェクトのために、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を集める新しいタイプの資金調達方法を指します。

クラウドファンディングにはいくつかの種類がありますが、マクアケ、キャンプファイヤー、レディーフォーなどが募集しているのは「購入型」といわれるタイプです。購入型とは、募集しているプロジェクトに支援者がお金を出資し、その見返りに商品をもらったり、サービスを受けたりすることができる仕組みです。

飲食クラウドファンディングが広がってきたきっかけの1つが、2020年に起きた新型コロナウィルスによる飲食店需要の低迷です。苦境に立たされる店が多いなか、資金調達だけでなく出資してくれた顧客とつながり続けることができる仕組みとして、飲食クラウドファンディングに取り組む店が増えた背景があります。

飲食ポータルサイト「フーズチャネル」の調査によると、最も多くの出資金を集めたのは東京都の串揚げ店で、2,118名から約3,820万円の出資を得ています。すでに募集は締め切られていますが、この店の支援者になると、外食チェーン店「串カツ田中」で利用できる2万円分の食事券を1万円で購入できます。また、400円以下のドリンクを1年間199円で飲めるなど、同チェーン店がお気に入りの人にとってはかなり大きなリターンを得られるのが魅力です。

ほかにも魅力的な特典を得られる店があると思われますので、上記運営会社のホームページをチェックしてみるのもよいでしょう。

売買できるレストラン会員権も登場

これまでなかった投資の形として、レストラン会員権の売買を可能にする仕組みも登場しました。飲食クラウドファンディングをさらに発展させた形です。

株式会社VALUが開発した「Fundish(ファンディッシュ)」というサービスで、内容自体はクラウドファンディングに近い形のものです。飲食店が会員権を発行・販売し、その店を支援したい人が購入する仕組みになっています。クラウドファンディングと異なるのは、会員権をユーザー間で売買できることです。それによって市場が形成される期待がありました。この試みは、新型コロナウィルスの影響もあり、残念ながら2020年6月でサービスを終了しています。

市場を形成するための面白い試みでもあり、コロナが収束した際には再び同じような事業が登場することを期待したいところです。

お気に入りの店を支援する新しいグルメの世界

帝国データバンクの調べによると、2020年4~9月における飲食店の倒産件数は392件で、上半期としては過去最多となりました。なかでも深刻なのが、宴会自粛の影響が大きい「酒場・ビヤホール」で98件の倒産が発生しています。以下、「中華・東洋料理店」が55件、「西洋料理店」が54件、「日本料理店」が40件と続いています。

ソーシャルディスタンスで席数を削減していることもあり、キャパシティが減っているのも影響していると思われます。さらに、コロナ禍で企業の団体利用が大幅に減っていることが追い打ちをかけている形です。各地の老舗といわれる名店が、国や自治体からの営業自粛要請を受けたのを機に、閉店して長い歴史に幕を降ろすという残念な事例もあります。

このような事態に政府も「Go To Eatキャンペーン」を実施し、支援していますが、期間限定ということもあり、効果は限定的と思われます。

そのコロナは収束するまでにまだ時間がかかりそうです。収束するまでの間、日本の食文化を守るためにも、飲食店には多くの人の支援が求められます。レストラン会員権と飲食クラウドファンディングは形式が少し異なりますが、飲食店にとっては固定客の増加につながる有効な手段といえます。お気に入りの店に出資して、お得な食事ができる新しいグルメの世界として、これから注目が高まりそうです。

※本記事は、2020年11月5日現在の情報を基に構成していますので、掲載された内容は変更または終了になる場合があります。利用する際は、各店のホームページで最新の情報をご確認ください。

(提供:THE Roots

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