時代は変わった!FP業務の古い常識、新しい常識
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相続・事業承継対策❼

時代は変わった!FP業務の古い常識、新しい常識
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遺言の話をすると、決まって出てくる言葉がある。「うちは遺言を書くほど財産はないから」。

財産がさしてないから遺言は不要といっても、死亡時点で財産をゼロにできる人はいない。多少なりとも財産があれば遺産分割の対象になる。また、現預金はなくても不動産があり、売るわけにはいかないけれど財産的価値はあるという場合もある。

財産が少額だから大きな争いになるはずがない、というのは単なる思い込みにすぎない。具体的に想像してみてもらいたい。

親に相続が発生したとき、「遺産といっても50万円しかないから、俺がいろいろ手配したし、これはもらっておく」と兄が言ったら弟はどう感じるだろう?

素直に引き下がるだろうか。態度にむかついたり、生前贈与のことを思い出したり、「金額の問題ではなく上から目線の言い方が許せない」と腹が立ったりする人もいるだろう。

たった一言、「現預金はすべて等分に相続させる」と遺言に書いてあればよかったのに、それがないために、兄の無用な一言が出てしまったわけである。

例えば、この弟が弁護士相談に来て「兄が許せないんです」と話しても、大概の弁護士は「お気持ちはわかりますが、費用倒れになるだけですよ」と説明するだろう。それでも、どうしてもと言われてしまうと、受けざるを得なくなるという場合もある。

そのほかにも、「妻と子1人だけだから」「商売はやっていないから」「家族はみんな大人しいから」等々の理由から遺言を書かない人は多い。筆者としては、書かない理由を探すよりも書いてしまえばいいのにと思うことが多々ある。

保管制度と終活浸透で遺言を書く人が増加