新型コロナの感染拡大による私たちの家計への影響が顕著になってきた。

2020年冬のボーナスは前年比8.55%減で、リーマン・ショック後の09年に次ぐ過去2番目の減少幅に。加えて12月に入り「Go To トラベル」の一時停止が余儀なくされ、年末年始のかき入れ時を失った事業者たちは苦境に立たされている。

「本業の収入だけだと不安だ」
「本格的に資産形成をしたい」

そうした投資を検討し始めた「普通の人」が成功するための道筋を示したのが、村野博基氏の本書「43歳で『FIRE』を実現したボクの“無敵”不動産投資法」(アーク出版)である。

43歳で「FIRE」(Financial Independence, Retire Early)を実現したボクの無敵不動産投資
43歳で「FIRE」(Financial Independence, Retire Early)を実現したボクの“無敵"不動産投資
社会人になるまで投資のイロハも知らなかったのに、いまや都内に28戸のマンションを持ち、年間の家賃収入は3000万円! といっても、けっして危ない橋を渡ってきたわけじゃない。20代からコツコツと家賃収入を得て、それを資金に次の物件を購入する。気がつけば43歳でアーリーリタイア! どうやって物件を増やしてきたのか?/物件を買う基準は?/なぜ新築物件を買ってはいけないのか?/年齢によって優良物件は変わる…? etc. 誰でも、いつでも始められる、安心・安定した暮らしを実現する不動産投資のすすめ。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます

村野氏は16年間で都内に計28戸の不動産を所有、年間3,000万円の家賃収入を得る、元「普通のサラリーマン」だ。

周囲は彼のことを「無敵」の投資家と呼ぶ。
しかし、決して危ない橋を渡ったわけではない。

村野氏曰く、「本当の投資」を理解していれば、私たちでも村野氏と同程度の資産を築くことは可能だという。

今回、出版記念として村野氏にインタビューを依頼。著書に込めた思いをたどりながら、
「無敵」になれる「本当の」投資術について聞いた。(取材日:2020年12月15日)

「本当の投資」は戦わない

村野博基氏

-書籍出版おめでとうございます。まずはこの本のコンセプトをお教えいただけますか。

自分の思う「本当の投資」をお伝えする、ということが、この本を書くにあたってのコンセプトでした。一般的に投資は「リスクがある」「怖い」といったイメージがあると思いますが、私の考える「本当の投資」は怖くもないし、リスクはむしろとってはいけないというスタンスです。

投資の世界で「割安」という言葉があると思いますが、結局のところ安く買って高く売る「キャピタルゲイン」を目指していますよね。いろいろな解釈の仕方はあると思いますが、それは「投資」だとは思っていません。どこかで勝負をしなければいけないものは投資ではないのです。

ちょっとずつ資産を積み上げて、明日はもっと資産が増える、と安心できる感覚、つまり明日が幸せになるためにやることが本当の投資で、そういうやり方を紹介しています。

-この本を世の中に出す価値はどのあたりにあると思いますか。

投資に関するいろんな本やセミナーをみていると、出口戦略はどうする、といったことがよく聞かれると思います。出口戦略を意識しているということは、売却益を意識しているということなんですね。

私はそもそも投資には出口はなく、続けていくものだと思っているのですが、そうした考えを世の中に広めているものはないことに多少の違和感は感じていました。うまくやって勝とう!みたいな考え方が多いように思えて。今回、本を出版する話をいただいて、じゃあせっかくだから本当の投資について書いてみようか、といった感じでしたね。

-なるほど。そうした「本当の投資」の考えに至ったのはいつ頃でしたか。

新卒のころから投資は行っていますが、最初のうちは自分の投資スタイルについて特に整理したり考えてはいなくて。やはり不動産投資を始めたことが大きいですね。

もともとは株式をもっと大きな金額で運用するための担保としての不動産だったのですが、10戸、15戸と所有物件が増えてきた段階で、売買で儲けるよりも、資産を積み上げていったほうが最終的には幸せなんじゃないかと思うようになりました。

FXで数百万が一瞬で消滅…。軸足を不動産投資へ

-不動産などから不動産投資へ軸足を変えたきっかけは何ですか。

株式投資をしていたころに漠然とした不安はあったのです。いつか負けるんじゃないか、いつか全部なくなってしまうんじゃないかって。それでだんだん怖くなってくると手堅い方法を取るようになるんですね。すると利回りが悪くなる。これじゃまずいと思って、レバレッジをかける、という方法に至り不動産投資を始めました。そして徐々に不動産投資の規模は拡大していったのですが、完全に軸足を変えた理由のひとつはFX(外国為替証拠金取引)で負けたことですかね。当時は不動産投資も株式もFXも並行してやっていたんですけれど、2018年のトルコリラ・ショックで新興国通貨が暴落して、一瞬にして数百万円の損失を出してしまったんです。

それまでFXで1年近くかけて勝ち取ってきた利益が本当に一瞬でなくなってしまったのはショックで、勝つのも、失うのも一瞬だと実感しましたね。
「勝ち」を狙うのであれば、最強を目指すことになると思います。「最強」って勝ち続けた結果得られる称号で、すなわちずっと戦い続けなければならない、ということなんです。普通はどこかで負けてしまいますよね。だとしたら、最強を目指す戦いって大変苦しいと思いませんか。なので私は戦わないでも済む負けない「無敵」を目指そうと考えたんです。

-戦わないというのは、投資したものを持ち続けるということですか。

それもありますが、他人と戦うのはどのタイミングかというと、取引のときだと思います。通常、取引する際は損をする人と得をする人が生まれ、双方が勝つということは基本的にないと思うんです。その取引で損をしたとしても、他の部分で得をするからと納得することでしか取引で損をしない方法はないと言えます。たとえばモノを購入するときは売り手はお金を得してて、買い手はお金を損しています。ただしお金を損しても便利になる、というところで得をするから取引をするのです。つまり、極力取引が発生しないようにすることと、取引をしたとしても他のところで回収するモデルをきちんと作っていくことができれば、損はすることがないので資産はだんだんと増えていくことになります。

-村野さんが主軸にしている不動産でも、購入時は「取引」が発生します。

不動産を買うときの「取引」の瞬間はできるだけ損はないように、とは考えていますが、基本的に取引の瞬間の損はしょうがない、と割り切っていますね。とにかく不動産を手に入れないと家賃収入を得ることは始まらないので。なので、その損失を購入後にどれだけで回収できるかに焦点を当てます。

一方で取引における損失を最小限に抑えるため、かける必要のないコストは排除しています。例えば登記など自分でやれるものはやってお金を節約したり、物件の特性ごとに、購入する会社を決めて稼働のコストを減らしたりしていますね。

「無敵」と「継続」で普通の人でもFIREは実現できる!

-村野さんのような「戦わない投資」に向いている人はどんな人だと思いますか。

普通の人、ですかね(笑)。特別に才能や能力がある人は、戦う投資もやってみればよいと思うんですけれど、絶対に1位を取れるという自信がない人は戦わない投資を選んだほうがよいのではないでしょうか。圧倒的にお金を稼ぎたいとか、有名になりたいということでなければ、戦わない投資でも十分に自分が幸せに暮らしていくだけの資産は築くことができると思います。

-本のなかで強調したいポイントはどこですか。

強調したかったポイントは「無敵」であることはどういう状態かということです。先ほどもお話した通り、無敵とは「負けていない」状態を指します。そして負けなければ、悔しい思いも、懐が痛む思いもすることはありません。

加えて無敵を維持するために最も大切なことが「継続性」だと思います。私が投資で意識しているのは、その投資先が継続するものかどうかです。売買などある地点でマイナスだったとしても、後々そのマイナス分が回復するのであればそれは負けとは言わないでしょう。そう考えると、継続性は非常に大切で、どこかで終わってしまったら無敵とは言えないのです。

-書いていておもしろかった部分はどこでしょうか。

投資の本質について理解することの難しさですね。本を一部紹介すると、私の後輩で、500万円の貯金がある人がいて、貯金のうち50万円を投資して、1年後に100万円にしたいと言うんです。50万円は失う覚悟でリスクを取るので、投資戦略を教えてほしいとのことでした。私は彼になぜ残りの450万円を投資に回さないのか問いました。投資で50万円の利益を得るために、500万円なら10%の利回りが確保できればよいところを、彼はわざわざ50万円を切り出して、200%の利益を得ようとしているのです。そんな投資は負ける可能性が極めて高いとは思いませんか。それならば、500万円を元手に、50万円の損失が出たら撤退すると決めて投資を行うほうが、リスクはどちらも同じだということを考えると、成功するような気がしませんか。

このように投資の世界では、頭では理解しているつもりでも、やっていることは非効率的であることが往々にしてあるんですよね。その根底には投資を「勝負」と捉えているからではないでしょうか。本当の投資を行うことで、普通の人が経済的自由を手に入れ、早期リタイアするFIREは十分可能だと、自信を持って言えます。

後編に続く

村野博基氏
村野博基氏
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。その投資の担保として不動産投資に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であることに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をアーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区のうち16区に計28戸の物件を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。