世界中で猛威を振るい続ける新型コロナウィルス。2020年12月8日からイギリスでワクチンの接種が始まったものの、依然として先が見えない状態が続いている。そうした中、2020年12月16日にビットコインの価格がついに2万米ドルに達した。本記事では、コロナ禍でビットコインの価格が高騰している理由や今後の展望について考察する。

高騰するビットコイン

コロナ禍でビットコインの価格が高騰している理由とは?
(画像=rrice/stock.adobe.com)

2020年11月24日にビットコインの価格は、2017年以来となる1万9,000米ドルの天井を突破した。同年11月25日時点で1万9,300米ドル前後となり、ビットコインの価格は、わずか3ヵ月で66%も値上がりしたことになる。

関係者の中には、ビットコインの価格は今後も高値で推移し「いずれ2万米ドルの天井を突破する」という声もあった。実際、2020年12月16日には、ビットコイン初となる2万米ドルに到達し、「次は3万米ドル」という声も高まりつつある。

コロナ禍においてビットコインの価格は乱高下している。2020年3月には4,000米ドルまで下落し、投資家の肝を冷やした。しかし、その後価格は回復し上昇基調に転じている。1万米ドルを突破してからは順調に価格が上昇し現時点の水準に至っている状況だ。

大手投資会社によるビットコインへの投資

なぜコロナ禍でビットコインの価格が高騰しているのだろうか。多くのアナリストが指摘するのが「大手企業がビットコインへの投資を本格化させている」という事実だ。具体的には、米NASDAQ上場企業のマイクロストラテジーによるビットコインへの投資の影響が大きい。マイクロストラテジーは、2020年で以下のようにビットコインを買い増ししている。

投資年月日 購入したビットコイン数 投資金額
(日本円1米ドル105円換算)
2020年8月11日 2万1454 約2億5,000万米ドル
(約262億5,000万円)
2020年9月14日 1万6,796 約1億7,500万米ドル
(約183億7,500万円)
2020年12月5日 2,574 約5,000万米ドル
(約52億5,000万円)
2020年12月12日時点累計 4万824 約4億7,500万米ドル
(約498億7,500万円)

なお同社による投資が始まってからビットコインの価格は上昇し続け、マイクロストラテジーが投資したビットコインの時価総額は46%増加したという。いわば上場企業による史上初のビットコインへの本格的投資が行われたわけだ。

これが、世界中の投資家に与えた影響は大きい。「ビットコインは金(ゴールド)より100万倍優れている」と豪語する同社マイケル・セイラーCEOの大胆な投資が、ビットコインの価格を押し上げた面は否めないだろう。

PayPalでも購入可能に

ビットコインの価格が高騰している別の理由に、オンライン決済プラットフォーム大手のPayPalがビットコインの取り扱いを開始したことを挙げる向きもある。

PayPalの発表によると、PayPalのすべてのユーザーは2020年10月からPayPalを通じてビットコインの売買ができるようになった。PayPalの口座は、比較的簡単に開設および売買もできるため、PayPal経由でビットコインを売買する人が増えたのだ。

実際にTwitterなどのSNSには「PayPalを使ってビットコインを買った」というTweetが少なからず投稿されている。中には「すごく簡単にビットコインが買えた」「これでビットコインはもっと売買されるようになる」というコメントも見つかった。

投資マネーが株や金(ゴールド)などからビットコインへ

新型コロナウィルスのパンデミックにより世界各国の経済、とりわけ内需が低迷しマネーの流れが株や金(ゴールド)などからビットコインへシフトしている可能性も指摘されている。

世界各国の中央銀行が金利を引き下げて消費を促すものの、実態が伴っていない。そんな中、投資家の一部は、ビットコインをプレシャスメタルのような比較的安全な投資資産と判断しているようだ。

マイクロストラテジー(MSTR)のマイケル・セイラーCEOが「ビットコインは金(ゴールド)より100万倍優れている」と発言したことを上述したが、セイラー氏は「ビットコインは価値の保存手段として金(ゴールド)より100万倍優れている」といっているのだ。

ビットコインは、数年前まで一部の金融機関関係者から「詐欺のようなもの」とまで酷評されていたことは周知の事実だ。しかし資産としての価値と安全性は、相応に確立されつつある。

アメリカの金融機関監督省庁である米国財務省通貨監督庁は2020年7月、これまで預金者の現金の管理しか認めてこなかった規制を改正し、預金者が保有するビットコインを含む仮想通貨の管理を行うことを初めて認めた。つまりビットコインは晴れて「資産」としてアメリカ政府のお墨付きが得られたのだ。

価格はどこまで上がるのか?

気になるビットコインの価格は、今後どういう展開になるだろうか。米ドルや円などの通常の通貨よりもボラティリティが高いとされるビットコイン。法人投資家や大口の個人投資家による利益確定売りなどにより、今後も一定のレンジで乱高下する可能性はあるだろう。しかし、年単位の長期スパンでは価格は今後も上昇していくと予想する。

新型コロナウィルスで始まり新型コロナウィルスと闘い続けた1年が間もなく終わる。「2021年のビットコインの相場がどう動くのか」は、まさに神のみぞ知る内容だ。しかし2021年は新型コロナウィルスもビットコインも安定することが望まれる。安定した社会と経済こそ多くの「資産」運用にとって必要不可欠なのだから。

文・BUSINESS OWNER LOUNGE編集部
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