歯のリスクというと、虫歯をイメージする人が多いのではないでしょうか。しかし、30代以降は歯周病に注意しなければなりません。歯周病は、進行すると歯が抜けてしまう恐ろしい病気です。今回は、歯周病の原因と対策について解説し、歯周病になった場合の治療費の目安も紹介します。

歯周病は歯を失う恐ろしい病気

歯周病対策
(画像=Adobe Stock)

まず、歯周病の定義や原因、対策方法を解説していきます。とくに30代から、あなたのお口を静かにむしばむ恐ろしい病気について、確認をしましょう。

●虫歯と歯周病の違い

虫歯は、細菌によって歯が溶かされ、歯に穴が空く病気です。穴が深くなると、激しい痛みを感じます。10代から20代にかけては、虫歯のリスクが高い時期です。

対して歯周病は、歯を支える骨が溶け、歯がポロッと抜け落ちてしまう怖い病気です。30代以降は、虫歯より歯周病のリスクが高まります。

▽虫歯

虫歯

▽歯周病

歯周病

●歯周病の原因と対策

歯周病は、感染症です。口腔内に細菌が繁殖して発症します。食後にブラッシングし、細菌の繁殖しやすい食べかす、汚れを除去しないと、歯周病リスクが高まります。

歯周病では、最初に歯肉(歯ぐき)と歯の間にポケットと呼ばれるすき間ができます。ここに汚れが溜まり、細菌が繁殖することで、歯の骨が少しずつ溶かされていきます。

歯周病の初期症状は、歯肉からの出血です。歯磨きをしたときに出血したことがあるなら、歯周病が進行している最中かもしれません。

歯周病を防ぐには、正しい歯磨きをして、口腔内を衛生的に保つことが効果的です。また、歯周病は早期発見・早期治療が何より大切です。定期的に健康診断を受け、歯周病菌が発生していないかチェックしましょう。

●30代以降は歯周病に注意

歯周病の初期は、歯肉からの出血以外に、ほとんど目立った症状がありません。30代のうちに、自覚症状なしで歯周病が進行しているケースが多いのです。その後、40代になると歯がグラつき始め、ほうっておくと50代・60代で歯がポロッと抜けてしまいます。

歯周病の進行を防ぐには、30代から正しい歯のケアを行い、歯の健康診断を受けることが大切です。

歯周病になるとどうなるのか

続いて、歯周病になるとどうなるのか、金銭的コストと時間的コストの2つの軸でみていきましょう。

●治療費――金銭的コスト

※治療費の目安はあくまで参考であり、実際の治療費は症状の重さや治療の範囲、歯科医院によって異なります。

歯周病の治療では、まず歯周基本治療という方法で、汚れや細菌を除去していきます。しかし、歯周基本治療で治癒するのは歯周病が軽度な場合に限られ、中度~重度の場合は、歯周基本治療では状態が改善されないことも少なくありません。

中度~重度歯周病に治しては、FMD(フルマウスディスインフェクション)という細菌を確実に取り除く治療法が存在します。治療費の目安は15万円から30万円です。

どうしても歯周病が改善しない場合、歯茎を切開して歯石をとる歯周外科治療(フラップ手術)を行います。治療費は、10万円から50万円が目安です。

また、薬剤を使って歯槽骨(あごの骨)を再生する歯周組織再生療法という治療法もあります。治療費は、10万円から15万円が目安です。

歯周病が進行している場合、抜歯せざるを得ないケースもあります。抜歯後は、入れ歯を作る、インプラントを入れるといった選択肢があります。そうなると、入れ歯を作る費用、インプラントの費用がかかります。安い入れ歯なら、数万円程度の出費ですみますが、インプラントとなると、数百万円の治療費が発生します。

歯周病の中度~重度となると、治療費も高額になりがちです。軽度のうちなら保険適用で治療できるので、早期発見できるよう、30代のうちから健康診断を活用しましょう。

●通院――時間的コスト

歯周病によって発生するのは、金銭的なコストだけではありません。通院にかかる時間的コストも、深刻な問題です。

歯周病になると、軽度~中度でも、数ヵ月にわたって治療しなければなりません。重度の歯周病なら、治療に1年かかることもあります。抜歯やインプラントとなった時は、治療期間の目安は1年~2年です。

信頼できる歯科医院で治療を受けようと思ったら、平日に予約する必要があり、仕事に影響が出てしまうことも予想されます。麻酔がきいた状態では、話しにくかったり、食事をしにくかったりすることも少なくありません。仕事でも私生活でも、さまざまな制約が生まれてしまうでしょう。

歯周病の治療が仕事のチャンスや昇進に影響を及ぼした場合、生涯資産に影響が出る可能性もあります。

健康的で美しい歯を維持するため、健康診断を

歯周病は、自覚症状なく進行する恐ろしい病気です。発見が遅れると、高額な治療費がかかったり、長期間に渡って通院の負担が発生したりします。抜歯となってしまった場合の精神的なダメージもはかり知れません。

30代は、健康について意識し始めるべき年代です。行動を先送りにせず、歯周病リスクを正しく認識し、必要に応じて健康投資を行いましょう。

30代のうちに健康診断を受け、歯周病を早期発見できれば、保険適用の治療で歯周病を治せる可能性が高まります。健康的で美しい歯を維持できれば、仕事においても私生活においても、充実した日々を送れるでしょう。