医師やパイロット、弁護士といった職業は世間的にも高給取りであるイメージが強いが、実際のところはどうなのだろうか。厚生労働省が毎年発表している「賃金構造基本統計調査」を紐解くと、どの職業がどれくらいの年収であるのかを知ることができる。

この記事では、この調査データを用いて職業別の年収ランキングを作成し、どういった職業が高給取りである傾向が強いのかを見ていきたい。また、男女別・世代別の平均年収についても触れていく。

目次

  1. 日本人の平均年収は?年収1,000万円以上の高給取りの比率は?
  2. 賃金構造基本統計調査における職業別年収ランキングを紐解く
    1. <職業別の年収ランキングTOP20 ※企業規模10人以上>
  3. 男女別と世代別の平均年収は?
    1. <男性:月収12カ月分の合計金額>
    2. <女性:月収12カ月分の合計金額>
  4. 次回の賃金構造基本統計調査にも注目を

日本人の平均年収は?年収1,000万円以上の高給取りの比率は?

平均年収
(画像=Gabi Moisa/stock.adobe.com)

まず日本における平均年収がどのくらいなのかについて説明しておこう。国税庁が毎年公表している「民間給与実態統計調査結果」によれば、2019年の平均給与は436万円で、前年と比べると1.0%減となった。

では、日本において年収がどのくらいだと「高給取り」と言えるのだろうか。具体的な定義は決められていないが、仮に年収1,000万円以上だとすると、この調査結果によれば全体の約6.7%に絞られる。年収2,000万円だとすると、さらに全体の約1.3%までに絞られる。

では実際に職業別の年収ランキングから、どの職業の年収が高い傾向にあるのかを見ていこう。

賃金構造基本統計調査における職業別年収ランキングを紐解く

以下が厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」の2019年版を参考にして作成した、職業別の年収ランキングである。

<職業別の年収ランキングTOP20 ※企業規模10人以上>

 順位  年収  職業
 1位  1,694万6,100円  航空機操縦士
 2位  1,169万2,300円  医師
 3位  1,100万6,200円  大学教授
 4位  872万3,600円  大学准教授
 5位  792万2,200円  記者
 6位  754万5,900円  不動産鑑定士
 7位  728万5,600円  弁護士
 8位  718万9,400円  大学講師
 9位  709万3,600円  高等学校教員
 10位  702万8,800円  一級建築士
 11位  683万5,500円  公認会計士、税理士
 12位  681万2,500円  自然科学系研究者
 13位  666万9,300円  技術士
 14位  618万8,000円  電車運転士
 15位  617万円  掘削・発破工
 16位  572万800円  電車車掌
 17位  571万5,600円  獣医師
 18位  570万1,000円  歯科医師
 19位  568万9,000円  システム・エンジニア
 20位  561万6,500円  薬剤師

※出典:令和元年賃金構造基本統計調査 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
※各職業の年収は平均月収の12カ月分と年間賞与とその他特別給与額の合計額

平均年収の1位は「航空機操縦士(パイロット)」で約1,694万円となっており、2位が「医師」で約1,169万円、3位が「大学教授」で約1,100万円と続く。平均年収1,000万円以上の職業はこの3つで、3位の「大学教授」と4位の「大学准教授」では200万円以上差が開いている。

全体的には士業の平均年収が高い傾向が見て取れ、「不動産鑑定士」が6位で約754万円、「弁護士」が7位で約728万円、「一級建築士」が10位で約702万円、「公認会計士、税理士」が11位で約683万円という結果となっている。

このランキングは平均年収をもとに作成している。仮に平均年収が1,000万円に満たない職業であったとしても、TOP 20にランクインしている職業であれば、役職が高い人や勤続年数が長い人であれば年収が1,000万円を超えるケースが多く、高給取りの職業だと十分言えそうだ。

男女別と世代別の平均年収は?

では最後に、男女別と世代別の平均年収についても紹介しておこう。「賃金構造基本統計調査」によれば、月収12カ月分の合計金額(※賞与や特別給与は含まれない)は男女それぞれ世代別で以下のようになっている。

<男性:月収12カ月分の合計金額>

 年齢  合計金額(月収12カ月分)
  ~19歳  219万3,600円
 20~24歳  256万0,800円
 25~29歳  301万9,200円
 30~34歳  348万9,600円
 35~39歳  394万0,800円
 40~44歳  432万1,200円
 45~49歳  468万6,000円
 50~54歳  508万4,400円
 55~59歳  499万9,200円
 60~64歳  366万6,000円

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平均   405万6,000円

<女性:月収12カ月分の合計金額>

 年齢  合計金額(月収12カ月分)
  ~19歳  206万8,800円
 20~24歳  249万7,200円
 25~29歳  301万9,200円
 30~34歳  296万8,800円
 35~39歳  307万4,400円
 40~44歳  322万3,200円
 45~49歳  325万9,200円
 50~54歳  330万9,600円
 55~59歳  320万1,600円
 60~64歳  275万4,000円

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平均   301万2,000円 

男性が女性より平均年収で100万円以上高くなっているほか、男女ともに50~54歳が年収のピークであることが分かる。

次回の賃金構造基本統計調査にも注目を

職業別・男女別・世代別の平均年収の傾向は一気に変わるものではないが、時代とともに変化しつつある。毎年発表される「賃金構造基本統計調査」を分析すれば、その傾向が見えてくるだろう。次回の調査結果についても注目していきたいところだ。