高所得者や富裕層の腕時計といえば「ラグジュアリーブランドやスイス製の高級腕時計」というのが一般的でした。しかし最近では、高所得者や富裕層のアップルウォッチ(Apple Watch)愛用者が増えています。彼らがアップルウォッチを選択する理由、高級腕時計マーケットの近未来などについて考察します。

アップルウォッチは発売直後から高所得者と親和性が高かった

脱・高級腕時計?アップルウォッチは高所得者・富裕層のスタンダードになれるか
(画像=Koukichi Takahashi/stock.adobe.com)

高所得者や富裕層のアップルウォッチ愛用者が増えている感があります。しかしアップルウォッチは誕生した当初から「高学歴・高収入の層と相性がよい」という調査結果もありました。角川アスキー総研が2015年2月に公表した「メディア・ライフスタイル調査2015」によると、初代アップルウォッチの購入者像は典型的な高所得者でした。

初代アップルウォッチが登場したのは2015年4月24日ですが同調査は、発売直前の2015年2月に1万人以上の日本人男女(10~69歳)を対象に「アップルウォッチ購入意欲」について調べたものです。角川アスキー総研では、調査結果をもとにアップルウォッチの購入意欲が高い人の特徴を割り出しました。その内容の一部を抜粋すると以下の通りです。

項目 購入意欲が高い人の特徴
世代 20~40代の男性
最終学歴 大学院卒
世帯年収 平均806万円
小遣い 平均6万2,000円
お金の使い方 お金に余裕があるので節約する必要がない
所有している車 外国産自動車
好きな車のメーカー メルセデス・ベンツ、アウディ

上記を見て分かる通り初代アップルウォッチの購入意欲が高い人は、「高所得や富裕層のビジネスマン」といったところでしょう。こういった層とアップルウォッチの親和性が高い理由は2つあります。1つ目は、アップル自体が高所得者に支持されるブランドだからです。他のアップル製品を利用する延長でアップルウォッチにも興味を持った人も多いのではないでしょうか。

2つ目の理由として情報収集力とお金のある高所得者には、アーリーアダプター層(初期採用者)が多いことも挙げられるでしょう。これまでになかった画期的な機能とデザイン性を兼ね備えたアップルウォッチは、まさにアーリーアダプター層に支持される典型的なアイテムといえます。

富裕層が高級腕時計からアップルウォッチにシフトしている?

同調査結果を参考にするとアップルウォッチは、2015年の発売直後に高所得者を含むアーリーアダプター層に広がっている傾向です。また5年以上を経て一般層はもちろんやや保守的な高所得者や富裕層にも広がってきていると考えられます。そのため全体で見ると高所得者や富裕層がアップルウォッチをしているシーンが増えているイメージを持ちやすいのでしょう。

富裕層が高級腕時計からアップルウォッチにシフトしていることを示すデータもあります。2020年2月のフォーブス・ジャパンに掲載された「アップルに破壊されたスイスの時計業界」というタイトルの記事内で引用されたデータでは、アップルウォッチの2019年の販売個数は約3,070万個で前年比36%増だったのに対しスイス製腕時計全体の2019年販売個数は約2,110万個で前年比13%減でした(ストラテジー・アナリティクスの報告書に基づく)。

いうまでもなくこのペースが続けば富裕層や資産家の腕時計でアップルウォッチの存在感はますます強くなるでしょう。

ヘルスケア機能の本格化は富裕層取り込みにプラス

アップルウォッチが高所得者や富裕層にさらに影響を持つ可能性が高い理由としては「ヘルスケア機能の本格化」が挙げられます。もともとスマートウォッチのメリットは「健康管理がしやすいこと」でしたがこの部分が急速に進化している感があります。高所得者や富裕層は健康を重視する割合が多いため、「ヘルスケア機能の本格化」によってこの層のシェアをとりやすくなっているといえるでしょう。

例えばアップルウォッチの最新のヘルスケア機能としては、2020年9月に発売されたシリーズ6には「血中酸素ウェルネスアプリ」が搭載されています。アップルによれば血中酸素のレベルは「全身の健康状態を把握するための大切なバロメーター」とのこと。この血中酸素を新たなセンサーによって手軽に測定することが可能です。

またアップルウォッチの他のヘルスケア機能としては「心拍数」「睡眠」「フィットネス」を管理するためのものがあります。

アップルウォッチでステータスを表現することも可能

高所得者・富裕層に対するアップルウォッチの弱点は、ステータスを表現できないことです。しかし選択するモデルによってはこの部分をフォローすることもできます。その代表が「アップルウォッチ エルメス」です。アップルウォッチとエルメスは、2015年の初代~2020年のシリーズ6においてコラボを重ねています。

このような部分の認知がさらに広がれば高級腕時計からアップルウォッチにシフトする高所得者・富裕層はますます増えるかもしれません。「アップルウォッチ エルメス」シリーズ6の文字盤は、シンプルなアナログ表示のデザインの中にさりげなくエルメスロゴがあしらわれたシルバーステンレススチール製です。

高級ブランド時計の「伝統」とアップルウォッチの「革新」を融合させた世界観に仕上がっています。これまでエルメスの高級時計を愛用してきた人も自然に身につけられるアイテムといえるでしょう。 ちなみに「アップルウォッチ エルメス」のストラップ(またはバンド)は全3タイプがあります。

Type1:シンプルトゥール

クラシックなデザインのレザーストラップです。馬具工房の伝統を受け継ぐエルメスらしく、馬の鞍の留め金をイメージしたバックル。金具の部分にはエルメスのロゴ入りです。

Type2:ドゥブルトゥール

二重に巻いて優雅さを演出するレザーストラップです。こちらもシンプルトゥールと同様、金具の部分にはエルメスのロゴ入りです。

Type3:スポーツバンド

スポーティーな印象と気品を両立させたブランドを象徴するエルメスオレンジのスポーツバンドタイプもあります。

価格例としては、シンプルトゥール(44ミリメートル)のストラップ+本体(文字盤部分)で13万8,800円(税抜き)です。別売りのストラップでカラーやデザインを気軽に変更してバリエーションを楽しむこともできます。

これから先、高級腕時計は資産運用の選択にならない?

最後に高級腕時計の近未来について考えてみましょう。アップルウォッチが台頭しスイス製に代表される高級腕時計が衰退する中、従来の高級腕時計マーケットはどのように変わっていくのでしょうか。これについては、主に3つのシナリオが考えられます。

伝統的な高級腕時計は後世に受け継がれる

スマートウォッチの影響でマーケットがやや縮小しても「伝統的な高級腕時計は後世に受け継がれ続ける」というものです。デジタル機能の腕時計が登場しても高級腕時計がその価値を維持したことを考えると十分にありえることでしょう。

一部の超富裕層で流通する

高級腕時計が希少価値の高い美術品や宝飾品のような存在となり「一部の超富裕層の間でだけで流通する」というものです。これは世界でも生産数がわずかしかないような最高峰の高級腕時計にあてはまりそうなシナリオです。

マーケットが崩れる

最後は「高級腕時計のマーケットが完全に崩れる」というものです。完全になくなるわけではないでしょうがクラッシックカーのように一部の愛好家に支えられるニッチなマーケットになっていくような流れが考えられます。その場合、現在よりも流動性が低くなることもあるでしょう。

いずれにしてもかなりのハイペースでアップルウォッチの増加、高級腕時計マーケットの縮小が進んでいます。そのため結果が出るのはそう遠くない未来でしょう。あなたはどの立場をとるでしょうか。それによって高級腕時計を資産運用に組み込む可能性も変わってきそうです。

(提供:THE Roots

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