不動産投資における管理会社の選定については、どのような基準で行っているでしょうか?もちろん自主管理を行っている人もいるでしょうが管理業務は多岐にわたります。また迅速な対応を求められるため、できれば管理業務を専門に扱う管理会社に委託することがおすすめです。今回は、不動産投資の成功のカギを握る管理会社の選定について解説します。
管理会社には2種類ある

賃貸管理を行う管理会社には大きく2種類に分けることができます。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて確認していきましょう。
管理をメインとする専業業者
賃貸業務などは行わず物件の管理業務を専業としている業者のこと。募集情報をオープンにしてもらえることがメリットです。管理報酬については、稼働率に連動し空き室を減らすことこそが管理会社の利益となるため、オーナーと利害が一致している点が強みとなります。客付け業務については、客付け業者に依頼するため、募集情報は常にオープンにしてくれる傾向です。
逆に周辺の客付け業者との関係が良好ではない専業業者の場合、客付け会社に思ったように動いてもらえない問題が生じかねません。その結果稼働率に影響を及ぼすことがデメリットです。
客付けをメインとする兼業業者
客付けのための店舗を保有かつ管理業務も行う業者のことを指します。客付けに強い傾向があり中にはフランチャイズに加盟している店舗も多く見られるのが特徴です。客付けメインの兼業業者へ管理を依頼することで自社の管理物件に対して優先して客付けをしてもらえることは大きなメリットといえるでしょう。
ただし仲介手数料や広告料が発生することも忘れてはいけません。料金交渉によっては情報をオープンにしてもらえず客付けに時間がかかってしまうケースがあることはデメリットです。
管理会社の選定のポイント
管理会社の選定の際には「エリアの特性と実情に応じて選ぶ」ということが大切です。特に地方都市では以下のようなケースがよく見られます。
- 一部の業者が圧倒的なシェアを持っている、いわゆる独占状態の管理会社
- 独占状態とは言わないまでも2~3社でエリアを牛耳っている管理会社
そのため地方都市においては、対象地域の商慣習や業者同士の関係性を調べて実態把握を行ったうえで選定を行うことが必要です。情報収集は、現地でのヒアリングが重要なポイントを占めます。現地に出向く際には、必ず地元の不動産業者を訪問しヒアリングを行うように心がけましょう。事前にヒアリングする業者の目星をつけておくと効率よく回ることができます。
できれば1回の現地調査で3~4社程度訪問できるようにスケジュールを組むことがおすすめです。ヒアリングで欠かせないポイントは、主に以下の3つのような内容になります。
対象エリアならではの特徴や状況
対象物件のあるエリアの特徴や賃貸需要、賃借人の特徴などをヒアリングします。このような内容は、現地を実際に見たり地図上で確認したりしただけでは気づきにくい傾向です。そのため「隠れた問題がないか」「自分の思い込みが間違っていないか」を確認するうえでも忘れずにヒアリングするようにしましょう。
満室にするための条件
対象エリアの以下の相場についてしっかりと確認しておくことが必要です。
- 適正家賃(賃料および共益費)
- 敷金・礼金などの初期費用の設定
- 仲介手数料や広告料の相場
ちなみにここでいう仲介手数料とは、入居者を決めてくれた営業担当者に対して直接支払う謝礼のことです。また広告料とは入居者を決めてくれた不動産会社に対して支払う謝礼のことをいいます。あわせて競合する物件の情報も聞いておくとよいでしょう。立地や築年数、間取りが類似する競合物件の稼働率や募集条件をつかんでおけば後で客付けを考える際に役立ちます。
対象物件のネガティブ情報
対象物件のネガティブ情報については、必ず聞いておきたい情報です。例えば対象物件で「自殺や事件などがなかったか」「反社会的勢力の入居者がいないか」などは必ず確認しておきましょう。万が一反社会的勢力の入居者がいる場合は、投資を断念します。これらのヒアリングを行うことで管理業者のおおよその力量を知ることが期待できるでしょう。
そのためこの段階で管理会社の目星をつけておけば購入後の手続きの流れをスムーズに行うことにつながります。
管理会社との委託契約で気をつけること
不動産投資で大切なことは「満室経営ができるか」「いかに経費を削減できるか」の2点です。これらを達成するためには、オーナーの他社営業やリフォームの自主発注などを認めてくれる柔軟な管理業者を選ぶことが重要になります。具体的には、以下の条件で契約をしてくれる業者を選ぶようにしましょう。
オーナーの他社営業を認めてくれること
不動産業者の中には、仲介手数料や広告料を取るため物件情報をオープンにしたがらないところもあります。しかし有益な情報を得られないと賃貸需要を逃すことになってしまい満室経営という目標が遠のいてしまいかねません。そのため委託契約を結ぶ管理会社の選定をする際は「オーナーの他社営業を認めてくれる」という業者が重要な条件となります。
また物件情報をオープンにしてくれる業者でもやりとりについてはメールやFAXで行われることが多い傾向のため、自分の物件情報が他社の物件情報に埋もれてしまう可能性もあります。そのため実際に客付けを行う業者に出向きしっかりと客付け依頼を行うことでオーナーとして認知してもらうようにしましょう。
これに伴い物件情報も先方の頭に入れてもらえることができ結果的に満室経営へとつなげる最短ルートとなることが期待できます。
リフォームの自主発注を認めてくれること
管理を請け負う不動産会社の中には、「管理業務やリフォーム、客付けなど物件の維持管理に関する一切の業務は当社以外へ依頼できない」といった条件で委託契約を結ぶところも少なくありません。管理会社が行うすべての業務には、その管理会社の利益が上乗せされるため、それらの費用は自分で行うよりも当然割高になります。
なかでもリフォームにかかる費用については、自主発注した場合と比べて倍くらいの料金になるところもあります。リフォームにかかる費用は、経費の中でも一番削減したい項目です。そのためリフォームは自分が知っている良心的な料金の業者に自主発注できることなどを条件とした委託契約を結ぶことが大切となります。
管理会社の選定が不動産管理および経営を左右する
管理会社との関係性は、物件の稼働率に直結するため「管理会社といかに良好なコミュニケーションがとれるか」が不動産投資における賃貸経営を成功させるカギとなります。そのため先方の提案は、しっかりと耳を傾け真摯に対応するようにしましょう。関係が悪くなる可能性があるため「自分がオーナーだといばる」「委託料を必要以上に値切る」といったこともおすすめできません。
またビジネスのため、先方から提案や相談があった場合はすぐに対応し的確な判断や指示を行うことが大切です。不動産投資家の仕事は、取得した物件で利益を最大化する仕組みを考えることのため、他社に任せられる仕事は任せることを心がけましょう。オーナーは、経営に専念するほうが利益率の向上が期待でき規模拡大のスピードも格段に上がります。
このように安心して任せることができる管理会社を選び「いかに良い条件で契約できるか」が不動産投資におけるオーナーの課題です。より良い賃貸管理の実現を目指すようにしましょう。
(提供:THE Roots)
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