「“普通のサラリーマン”でも、私のように年間3,000万円の家賃収入を得て早期リタイアすることは十分可能です」

昨年12月に出版した書籍「43歳で『FIRE』を実現したボクの“無敵”不動産投資法」(アーク出版)の著者である村野博基氏は、インタビューの前編で、自身の経験から力強く語っていただいた。

43歳で「FIRE」(Financial Independence, Retire Early)を実現したボクの無敵不動産投資
43歳で「FIRE」(Financial Independence, Retire Early)を実現したボクの“無敵"不動産投資
社会人になるまで投資のイロハも知らなかったのに、いまや都内に28戸のマンションを持ち、年間の家賃収入は3000万円! といっても、けっして危ない橋を渡ってきたわけじゃない。20代からコツコツと家賃収入を得て、それを資金に次の物件を購入する。気がつけば43歳でアーリーリタイア! どうやって物件を増やしてきたのか?/物件を買う基準は?/なぜ新築物件を買ってはいけないのか?/年齢によって優良物件は変わる…? etc. 誰でも、いつでも始められる、安心・安定した暮らしを実現する不動産投資のすすめ。
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そのために必要なのは、「最強」ではなく「無敵」の投資家を目指すこと。「無敵」の投資法とは、その時々の利ざやで儲けを得るなど売買で「勝負」するのではなく、長期的な視点で資産を積み上げる「戦わない」戦略を指すのだと、村野氏は言う。

では、私たちのような“普通の人”が村野氏のような「無敵」の投資家になるにはどうすればよいのか。

後編となる今回は、経済的自由を手に入れるための方法論に焦点を当て、先行き不透明な時代において、私たちが取るべき「本当の投資」に迫った。(取材日:2020年12月15日)

投資で成功するための数式「Z=a(X-Y)+b」

村野博基氏

―私たちが経済的自由を実現するためにまず考えるべきは何でしょうか。

本の中でも「『お金持ち』になれる数式」として紹介した数式があります。それが下記の式です。

Z=a(X-Y)+b

 Zは財産、Xは収入、Yは支出、aは時間、bは現時点での資本を示しています。例えば、30歳の人が60歳になったときの財産を考えると、

 財産[Z]=30年間の収入[X]-30年間の支出[Y]+30歳時点での財産

となります。

一見当たり前のようにも見えますが、これを意識することができれば、私たちが経済的な自由を手に入れ、早期リタイアを実現するために何が必要かが分かるのです。

 皆さんはよく、「会社を辞めるまでにこれくらいのお金を貯める必要がある」と考えがちですが、これは全部bの視点だけなんですね。しかし本来この公式で考えた場合、bのような貯蓄額はそれほど重要ではなくて、考えるべきはXの収入やYの支出なのです。

 X-Yがプラスであれば、たとえbがなかったとしても経済的自由は実現できることになります。逆に、Yの方が大きければ、bがいくら大きかったとしても、いつか破綻してしまうでしょう。

収入と支出をコントロールすること、これがいわゆる「FIRE」に最も近いことなのだろうなと思っています。

―なるほど。ではaの時間についてはどのように考えればよいのでしょうか。

aについては、XとYへの掛け算となっていることに注目してほしいと思っています。aの時間を死ぬまでと考えると、皆さんの持っている時間はそれほど変わりません。なので、Xの収入を得る手段をX1、X2、X3…というように増やしていくべきなのです。

収入が会社からの給与のみの場合、a×Xで終わってしまいますが、仮に不動産を持っていたとすれば、物件の数だけa(X1+X2+X3)…と、同じ時間内に並行して収入を積み上げていくことができます。このように、Xを労働からの収入や金融資産からの収入などのように分けて考えてみるとよいと思います。

ただし例えばトレードがうまくいって利益が出た、と言っても次が同じように利益が出せるとは限りません。これではbは増やすことができますがXが増えているとは言えないのです。安定的に積み上げが可能なもの、これがXの収入であり、これを増やすことが本当の投資だと考えています。

収入の柱をつくり、並行して稼ぐ。現時点の最適解は「不動産」

不動産投資村野氏

―コロナにより投資環境も激変していますが、私たちがやるべきことは何でしょうか。

コロナがあろうがなかろうが、どの時代であってもやることは同じだと考えていて、資産を築くために時間を賭けるのか、お金を賭けるのかをきちんと理解することが重要なのです。

 サラリーマンであれば、昼間は労働で時間を拘束されています。なので、給与以外の収入を得るためには働いていない夜や休日に頑張って収入の柱をつくるか、昼間帯の時間に並行して収入を生む仕組みをつくるしかないですよね。個人的には、仕事でクタクタになっている上に、さらに夜にも労働を行うのは相当大変だと思いますし、収入の柱として確立するためにはかなりの勉強と才能が必要となるのではないかなと思います。

だとするならば、昼間帯の自分が働いている間に、自分じゃないものに働かせることを目指したほうが楽じゃないかと思うのです。そのためには、お金に働いてもらうのが一番なのではないでしょうか。つまり、時間を1本の線とみて24時間しかないと考えるのではなく、並行に何本もの線にして24時間を何倍にもして稼ぎましょう、ということです。

―並行して稼ぐ方法はいろいろありますが、村野さんは不動産を選ばれています。

そうですね。今のところは不動産投資が一番良いと感じています。私は不動産以外にも、株や債券なども並行して投資していますが、同時間に並行して稼ぐ手段としては、手間が掛からないことと、安定的に稼げるもののなかで、不動産が最も利回りが良いと思っていますね。

 私の感覚では、不動産は「レバレッジをかけることができる債券」なんです。国の国債であれば、毎年利息を貰いますよね。不動産も同じで、所有意識はなくて、頭金をいれて利息を毎月もらっているものだと認識しています。もちろん満期時の元本が保証されているわけでないですが永久債と考えれば満期はありませんので同じです。国債ほどではないにしろ、不動産も立地と管理さえ間違えなければ十分に手堅いですし、加えて金融機関から借り入れができるという強みがあります。

もちろん、不動産でも一棟やボロ戸建てなどはまた違って、投資ではなく事業的な取り組みが必要となるかと思います。私は完全に投資先として不動産を見ているので東京23区内の区分マンションで、きちんとした管理会社に管理を任せることが前提です。こうしたことを踏まえて、現時点では不動産に投資の軸足を置いています。

「20年で経済的自由」ならサラリーマンでも実現可能

―私たちでも村野さんのような経済的自由は再現できるのでしょうか。

 1年後に実現したい、というのは難しいと思います。しかし、20年後であれば、例えば安定した物件からの家賃収入のような、勝ち負け以外の場所で時間をかけて資産を積み上げていく「本当の投資」を理解し、行動することができれば必ず再現はできます。

私が実践している不動産投資について、「価格が昔と比較して高くなっており、今からでは厳しいのではないか」という意見もありますが、不動産の中だけで比較しても分からないと思っています。例えば金と不動産の価格を比較してどうかと考えたときに、今、金の価格は高騰していますから、以前と比べて不動産よりも金のほうが価格が上昇しているんですよね。もし金が常に価値が変わらないものだと仮定するなら、不動産は昔と比較して下がっていると言えるのではないでしょうか。つまり、今は不動産が高いですよね、と言われても、どう比較するかによって見方は変わるということで、昔と比較して高いか安いかだけを基準に考えてはいけないと思っています。

 それを踏まえて、投資をするかしないかはリターンがどうかで判断すればよいと思っています。不動産でいえば、毎年150万円入ってくるものを3000万円で買うことができます。これに勝る投資先、より満足する投資先があれば、そちらに投資すればよいだけです。

 投資は幸せになるためのものなので、納得感が一番大事だと考えていて、利回り5%で納得できるのであれば、その価格は正しいのです。例えば、ドラッグストアで商品が他と比べて半額だからって買うわけではなく、必要だから買うのではないでしょうか。必要なものがその値段で買えて納得できるから買うのであって、投資も同じで、投資したものの機能が金額と比べてよいと思えるのであれば、投資すればよいだけなんです。

「本当の投資」で明日の幸せを実現しよう!

―ありがとうございます。最後に、出版された本を通じて、どのようなメッセージを届けたいですか。 

「普通の人」こそ、投資をやってみてほしいです。本格的に投資をしない理由として、「投資は怖い」「投資は大きなリスクがある」と考える方もいると思います。投資に関する情報をみていると、私にとっては「投資と投機が混在している」と思うものが本当に多いので、そうした影響があるのでしょう。それもそのはずで、私が考える「本当の投資」を実践している投資家はわざわざ世の中に情報を出すインセンティブはないんですよね。私も担当してくれたコンサルタントTさんの勧めがなければ本を書くなんてことは絶対になかったですから。

その結果として、「勝つための投資=投機」ばかりが表に出ることになります。リスクを取らないとリターンがないという話や、実際に損をしたりするのは「投資」ではなく「投機」です。本当の投資はリスクを減らすように、損をしないように、といった負けないために行うもので、負けないために最も大切なことが継続することです。継続するためには、一喜一憂したり、苦しい経験を重ねたりのではなく、嬉しい、楽しい、幸せ、と感じられる方法であることが重要です。

 これから本格的に投資を始める方には、「負けない」ということがどういうことなのかを意識して、本当の投資をやってもらいたいと思っています。投資って今の幸せを得るためにやるものではなく、明日が幸せになるためにやるものなんです。そのあたりのところは著書に詳しく書いてありますので、お時間がありましたら是非一度読んでみていただけたらと思います。皆さんには投資ってよいものだと思ってもらい、明日という日が今日よりも幸せになるように過ごしてほしいと思います。

村野博基氏
村野博基氏
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業後、大手通信会社に勤務。社会人になると同時期に投資に目覚め、外国債・新規上場株式など金融投資を始める。その投資の担保として不動産投資に着目し、やがて不動産が投資商品として有効であることに気づき、以後、積極的に不動産投資を始める。東京23区のワンルーム中古市場で不動産投資を展開し、2019年に20年間勤めた会社をアーリーリタイア。現在、自身の所有する会社を経営しつつ、東京23区のうち16区に計28戸の物件を所有。さらにマンション管理組合事業など不動産投資に関連して多方面で活躍する。