一時は下火になりかけた仮想通貨投資だが、ここにきてビットコインが過去最高値を更新するなど、改めて注目を集めている。しかし注意しないといけないのが、確定申告漏れだ。確定申告をせずに納税を怠ると、どのようなペナルティーを受けることになるのか。

目次

  1. 仮想通貨取引であっても脱税は当然許されない
  2. そもそも確定申告とは?どのような制度?
  3. なぜ確定申告していないと税務署にバレるのか?
  4. 確定申告をしないと何が起こるのか?どんなペナルティーがある?
    1. 延滞税:最大で年利14.6%で加算
    2. 無申告加算税:15〜20%が加算
    3. 重加算税:最大で50%が加算
    4. 悪質な場合は刑事告発されるケースも
  5. 確定申告の仕組みについてしっかりと理解を

仮想通貨取引であっても脱税は当然許されない

仮想通貨,確定申告
(画像=taa22/stock.adobe.com)

仮想通貨は、かつては利益に関する扱いが不透明だった時期もあったが、すでに確定申告における扱いが法制化されている。

そして、仮に仮想通貨取引に関して確定申告をしなかったとしても、税務署が仮想通貨取引所に情報提供を求めれば、誰がどのくらいの利益を得ているのか判明する。

そのため、脱税行為はそもそも許されるわけではないが、確定申告忘れには十分に注意する必要がある。

そもそも確定申告とは?どのような制度?

ここで「確定申告」について改めておさらいしておこう。

そもそも確定申告とは、1年間(1月1日〜12月31日)の所得税を納税者が計算し、翌年の2月16日〜3月15日の申告期間において確定申告書を税務署に提出し、納税する手続きのことを指す。

会社員の場合、給与所得に関しては確定申告をする必要がないが、仮想通貨で20万円以上の所得(利益)がある場合は、確定申告をしなければならない。

なぜ確定申告していないと税務署にバレるのか?

先ほども少し触れたが、仮想通貨取引で得た利益を確定申告しない場合でも、取引情報や利益の金額を税務署が把握することは可能だ。

国税庁には確定申告による納税制度を円滑に実施する目的で、税務調査を行う権限が付与されている。そのため、税務署は仮想通貨取引所に対して利用者の取引データを求めることができ、個人個人の取引情報や利益の金額を把握できるわけだ。

海外の仮想通貨取引所を使って得た利益については、現在のところ日本の税務署がどの程度情報を把握できるのか不透明な部分もある。しかし、国家間で租税条約が締結されているケースなどがあることも考えると、絶対にバレないとはいい切れない。

いずれにしても、法律で定められたルールに則って税金を納めるのは、国民の義務である。仮想通貨の利益は雑所得に分類され、最大55%という税率を高く感じる人も少なくないはずだ。しかし、脱税行為は許されるものではないということを改めて認識する必要がある。

確定申告をしないと何が起こるのか?どんなペナルティーがある?

では、仮想通貨で得た利益を確定申告しないと何が起きるだろうか。具体的には、延滞税や無申告加算税、重加算税などとして税金が上乗せされてしまうケースや、悪質な場合には脱税容疑で告発されるケースが考えられる。

延滞税:最大で年利14.6%で加算

「延滞税」は、申告期限を過ぎてしまうことにより発生する税金だ。納付期限から2ヵ月以内に納付する場合と2ヵ月を超えて納付する場合で税率は異なるが、最大で年利14.6%の延滞税を支払う必要が出てくる。

税率はその年によって異なり、2020年の延滞税は2ヵ月以内の場合は2.6%、2ヵ月以上の場合は8.9%だった。2021年は2ヵ月以内の場合、2.5%、2ヵ月以降の場合は8.8%と公表されている。

無申告加算税:15〜20%が加算

申告期限を過ぎてしまった場合、「無申告加算税」が課されるケースがある。自主的に期限後申告を行った場合など課税を免れるケースもあるが、故意に申告をしなかったと税務署に判断された場合には、基本的には追加ペナルティーとして無申告加算税を課される。

無申告加算税の税率は、納付すべき税額に対して50万円までは15%、それ以上の部分に対しては20%となっている。

重加算税:最大で50%が加算

さらに重いペナルティーが「重加算税」だ。重加算税は、意図的な隠蔽などと判断された場合に課される加算税で、納税額に対して最大で50%の金額が課税される。重加算税を課された場合は、その後しばらくは税務署から厳しく申告内容が審査されると思っておいた方がいい。

悪質な場合は刑事告発されるケースも

仮想通貨に限った話ではないが、申告・納税漏れの金額が高額であり、かつ悪質なケースについては、脱税容疑で刑事告発される可能性も出てくる。有罪となった場合は懲役や罰金刑が課される。

確定申告の仕組みについてしっかりと理解を

「人生100年時代」が到来するといわれる中、資産運用によって老後の資金を十分に確保したいという人は多い。また、仮想通貨ブームに乗っかり「億り人」を目指すのも個人の自由だ。しかし、法律で定められた確定申告・納税を怠ることは許されない。

ただし、資産運用を始めたばかりの場合、確定申告に関する知識が乏しいのが普通だ。そのため、これから仮想通貨取引を始めようという人や、すでに取引をしていて確定申告をしたことがない人は、しっかりと仕組みを理解することが求められる。