諸外国と比べて短いと言われる日本人の睡眠時間。慢性的な睡眠不足に陥っている人は少なくありません。では、睡眠不足の状態が続くと、心身はどうなっていくのでしょうか。

この記事では睡眠時間の現状と、睡眠不足が心身にもたらすリスクや対処法を紹介します。

「慢性的に睡眠不足」な日本人

睡眠不足
(画像=PIXTA)

睡眠不足が慢性化していると言われる現代の日本人。そのことを象徴するデータを見てみましょう。

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(2018年)では、日本人の睡眠時間の少なさが浮き彫りになっています。この調査によると、1日の平均睡眠時間は「6時間以上7時間未満」と答えた人の割合が最も高く、男性34.5%、女性34.7%、になっています。

さらに「6時間未満」と答えた人の割合は、全体では男性36.1%、女性42.1%と女性の割合が多くなっています。

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(画像=厚生労働省の「国民健康・栄養調査」より編集部作成)

特に30代女性が大きな不安を抱えている

また、2018年に実施された「『企業の睡眠負債』実態調査」によると、会社員の7割以上が睡眠に不満を持っていることが明らかになっています。自身が考える理想の睡眠時間平均7.37時間に対し、実際の睡眠時間は6.18時間とマイナス1.2時間の差が出ています。

また、すべての年代で睡眠に対する不満は女性の方が高く、30代女性では9割が睡眠に不満を持っていることが明らかになっており、同調査では、働く女性の家庭での役割分担が原因の一つではないかと指摘しています。

実際、仕事と家庭の両立に悩まされた結果、ストレスが高まり、不眠に陥ってしまうという30代女性も多いと考えられます。

うつ病や認知症‥慢性的な睡眠不足による健康リスク

睡眠不足は、仕事のパフォーマンスの低下や頭痛やめまい、ストレスを感じやすくなるといった心身の不調につながります。さらに睡眠不足の状態が続けば、生活習慣病や精神疾患などに大きく影響するリスクもあることもわかってきています。

・生活習慣病 (糖尿病、肥満、高血圧)

糖尿病や高血圧といった生活習慣病の発症要因の一つとして、長期間にわたって睡眠不足の状態が続くことが挙げられます。

人は日中の間に、身体に活性酸素をためています。睡眠には、活性酸素を除去する働きがありますが、睡眠不足になると、その働きが低下します。活性酸素が増えすぎて、正常な細胞を酸化させることで、糖尿病などの生活習慣病につながってしまうのです。

・うつ病

睡眠不足によって生活リズムに狂いが生じると、自律神経の不調につながります。自律神経は、体内のあらゆる臓器を動かしており、不調によって様々な部位に症状が現れます。うつ病などのメンタル系の病気も発症しやすくなってしまいます。

・認知症

最も発症割合が多い認知症であるアルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβと呼ばれるタンパク質が蓄積することで起こると言われています。アミロイドβは脳が活動しているときに発生する老廃物の1種で、脳内からの排出は脳が休息しているノンレム睡眠中に行われます。睡眠不足によって、ノンレム睡眠の時間が減少すれば、アミロイドβの蓄積が進み、アルツハイマー型認知症の発症リスクが増加します。

また、最近では、65歳未満で発症する若年性認知症のリスクを指摘する声もあります。

30代女性が知っておきたい慢性的な睡眠不足への対策

上述したような健康リスクを低減し、快適な睡眠を実現するためには、どのような対策が必要なのでしょうか?具体的な不眠の原因と解決策を解説します。

・決まった時間に起床し、太陽光を浴びるなどして体内時計を整える

個人差はあるものの、睡眠時間は1日7〜9時間ほど必要だとされています。しかし、育児や仕事との兼ね合いで、こうした睡眠時間を確保することが困難な場合も多いでしょう。 そうした場合には仮眠を上手く活用することが重要です。ポイントは、長時間を避け、15~20分程度の睡眠にとどめることです。

また、生活リズムが不規則になることも不眠の原因になります。育児や仕事で難しい場合もあるかと思いますが、可能な限り、決まった時間に起床し、太陽光を浴びることで体内時計を調整するようにしましょう。

・ストレスを減らすことができるように努める

職場でのストレスなどが睡眠不足の原因となっている人もいるでしょう。ストレスが蓄積すると、寝ている間も、交感神経が優位となり夜間の覚醒につながってしまい、結果として睡眠時間が削られてしまいます。

自分なりのストレス解消法を見つけることができれば、それだけでも良質な睡眠のきっかけとなります。また、ストレス解消と睡眠導入のために、寝酒としてアルコールを摂取することはやめるべきです。眠りが浅くなる上に、利尿作用によって途中で目覚めやすくなってしまいます。

・長く眠ることができる環境を整える

日常生活の中で、細かな点を意識するだけでも睡眠の質に違いが生まれます。

例えば、眠気対策などにカフェインが有効なことをよく知られていますが、カフェインの効果は半減するまでに6時間、完全に効果がなくなるには24時間以上かるとされています。そのため、コーヒーなどのカフェインを含む飲料は、朝に飲むようにするとよいでしょう。最近は、カフェインフリーの飲み物も増えているので、そうしたもので代替するという手段もあります。

また、「寝る3時間前までに食事をとる」「寝る2時間前までにぬるめのお湯につかる」といった習慣を意識することも安眠に有効だと考えられます。さらに、「寝るときは部屋の電気を真っ暗にする】「携帯をベッドに持ち込まない」といった点にも注意して、長く眠ることができる環境を整えましょう。

30代からの対策することで将来の健康リスクを低減

「30代はまだ若いから多少無理をしても大丈夫」「歳をとってから対策をすれば十分」。

そう考えてしまう方もいるかもしれません。しかし、これまで解説してきたように、慢性的な睡眠不足は将来的に大きな健康リスクとつながっています。早いうちから正しい知識を持てば、対策を講じ、リスクを低減することができます。

様々な事情ですべての対策を実施することは困難かもしれません。まずはできるところから実践してみてはいかがでしょうか?

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