新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、改めて健康に対する注目が集まっています。

この記事では、新型コロナウイルスにかかると重症化しやすい人の特徴や、健康診断を活かして新型コロナウイルスを予防する方法、健康診断を自己投資としてとらえる考え方を紹介します。

新型コロナウイルスによる健康診断への影響

健康診断
(画像=PIXTA)

新型コロナウイルスの感染が広がる中、健康診断においてクラスターが発生するのを防ぐため、日本総合健診医学会や日本人間ドック学会等の8団体が方針 を発表しています。

「3密(密閉・密集・密接)」を避けた受診環境を確保することを中心に、健診施設が配慮すべきことが記載されています。主な内容は、下記の通りです。

<一般的な公共施設や飲食店でも実施されている対応>

・マスク不足が深刻なことから、受診者がマスクを用意し、マスクがない場合は検診を受診できない。
・検診受付後、速やかに体温測定を行う。
・受信者間の距離を確保する。
・1時間に2回以上換気を行う。
・ドアノブやロッカー、エレベーターボタンなど受信者が触れる箇所は、定期的にアルコール消毒する。
・職員はマスクを着用し、手洗いや消毒を徹底する。
・職員は毎朝出勤前に体温測定する。

<健診独自の対応>

・胸部エックス線検査で新型コロナウイルス肺炎を疑う所見が認められた場合、ただちに受信者に説明し、健診を中止する。
・当該受信者の移動経路や接触部位の消毒をただちに行い、関与した職員の接触状況を調査する。
・接触した可能性のある職員は一旦自宅待機措置とする。

歯・目・血にフォーカスした独自の健診を行うKRD Nihombashiでも、アルコール消毒やマスク着用、受診者の同時受け入れはMAXでも8人までなど、新型コロナウイルスの感染対策を実施しています。

そもそも新型コロナウイルスとは?

ここまで感染が広がっている新型コロナウイルスとは、そもそもどんな病気なのでしょうか?

新型コロナウイルスの特徴は、軽症と重症の差が激しいことです。検査が陽性でも症状が全く出ない「無症状」患者もいる一方で、重症化するケースだと、ほんの数週間のうちに人工呼吸が必要となり、急激に悪化して亡くなってしまうことがあります。中国の報告では、重症化する確率は2割程度といわれており、5人に1人が重症化する可能性があるということになります。

また、インフルエンザと比べて感染性が高いため、一気に世界中に感染が広がる事態(パンデミック)を引き起こしました。

新型コロナウイルスが重篤化する人の特徴

新型コロナウイルスに感染したあと、重症化しやすいのは、次のような特徴を持つ人です。

基礎疾患がある人

基礎疾患とは、さまざまな病気を引き起こすもとになる病気のことです。たとえば、糖尿病、気管支喘息、心臓弁膜症、白血病などがあります。基礎疾患があると、新型コロナウイルスに感染したあと、重症化しやすいことがわかっています。

また、新型コロナウイルスは肺炎の一種であるため、慢性呼吸器疾患がある人は、重症化しやすくなります。慢性呼吸器疾患には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などがあります。

がんや膠原病、HIVを治療中の人

がんや膠原病、HIVの治療で使われる薬の中には、免疫の働きを低下させるものがあります。そのため、新型コロナウイルスに感染した場合に重症化するリスクが高まります。しかし、医師の判断を仰がずに薬を中断するのは非常に危険なので、不安がある場合は必ず主治医に相談しましょう。

高血圧の人

高血圧と新型コロナウイルスの関連性は早い段階から指摘されてきました。

新型コロナウイルスは膜タンパクを介して感染するため、膜タンパクのある心臓・腎臓・血管などが重症化リスクが高いとわかっています。高血圧だと、臓器障害になることが多く、それが新型コロナウイルスの重症化を引き起こすのではないかと考えられています。

肥満(BMI30以上)の人

肥満と新型コロナウイルスの関連も多くの国で報告されています。イギリスでは、新型コロナウイルスの感染が原因で医療機関で亡くなった人のうち、62%が過体重・肥満だったという報告があります。肥満の場合も、免疫の働きが低下し、治療薬が効きにくくなるからです。

65歳以上の高齢者

高齢者に関して、70歳以上の感染者だと、10%近くの人が数週間以内に亡くなっています。10人に1人と考えると、恐ろしい割合だということがわかります。また、中国の報告によると、20代や30代の若者でも500人に1人程度は亡くなっています。

新型コロナウイルスの重篤化を防ぐ方法

新型コロナウイルスに万一感染することがあったとしても、重症化を防ぐためには、どのような手立てがあるのでしょうか。大切なのは、基礎疾患を防ぎ、心身を健康な状態に保つことです。続いては、新型コロナウイルスの重症化を防ぐための工夫とポイントを4つ紹介します。

バランスのとれた食生活

食生活で注意すべきポイントは、下記の通りです。

・3食きちんと食べる。特に朝食を抜かない。
・間食を減らす。どうしても食べる場合、ナッツ類など、糖質の少ないものを選ぶ。
・だしを使ったうすあじの味付けで、塩分を控えめにする。ラーメンのスープ等を飲み干さない。
・牛乳、小魚類からミネラルを摂る。
・炭水化物を多く摂り過ぎず、野菜や果物をバランスよく食べる。
・ソーセージやベーコン、コンビーフなどの加工品を食べ過ぎない。
・コーヒーや紅茶など、タンニンの含まれる嗜好品を減らす。
・肉だけでなく魚を食べる。

適度な運動

運動に関して注意すべきポイントは、下記の通りです。

・軽いジョギング、水中歩行、自転車など、有酸素運動をする。
・30分程度と短い時間でもいいので、継続する。

生活習慣の見直し

その他生活習慣に関して注意すべきポイントは、下記の通りです。

・規則正しく生活し、自律神経を整える。
・十分な睡眠をとる。
・適度に太陽の光を浴びる。
・日常生活のストレスを減らす。
・1回のお酒の量は少なく、休肝日を作る。
・喫煙をやめる。

定期的な健康診断

健康診断に関して注意すべきポイントは、下記の通りです。

・1年に1回健康診断を受ける。
・健康診断の結果は経年でみる。
・健康診断の結果を自分の生活とリンクさせて考える。
・歯の定期検査を大切にする。

健康診断を新型コロナウイルスの感染予防に生かす

健康診断を受けると「異常なし」「要経過観察」「要再検査」といった判定を受け取ります。ここで悩みがちなので、「要経過観察」でしょう。「異常なし」ならひとまず安心できるし、「要再検査」なら検査の予約が必要です。一方、「要経過観察」といわれた場合、どうすればいいのでしょうか?

「要経過観察」と判定された場合にすべきことは、生活習慣の見直しです。医師のコメントに従い、食生活や生活リズムを改善しましょう。また、気になる症状が出てきた場合、速やかに医療機関を受診して医師に相談することも大切です。

新型コロナウイルスは、基礎疾患がある人ほど重症化しやすいことがわかっています。そのため、重症化を防ぐには、基礎疾患にかからないようにすることが重要なのです。基礎疾患を防ぐには、健康増進に努めるしかありません。

また、「異常なし」であった場合も、必ずしも健康が保証されているというわけではないので、自分自身の状態にはきちんと目を向けておく必要があります。

定期的に健康診断を受け、経年比較して自分自身の生活とリンクさせながら見直せば、必ず改善案が見えてくるはずです。その通りに改善していくことで、毎年少しずつ、新型コロナウイルスに負けない身体に近づいていくでしょう。

健康診断の結果で注目すべきポイントは?

新型コロナウイルスの重症化を防ぐため、特にチェックすべき代表的な項目を2つ紹介します。

BMIと胸囲

BMIや胸囲は、肥満やメタボのリスクを知るうえで重要な指標です。BMIが27以上だと、糖尿病の発症率が2倍になることが明らかになっています。基礎疾患である糖尿病になれば、新型コロナウイルスに感染した際に、重症化するリスクが高まります。

胸囲の基準値は、男性が84.9cm、女性が89.9cmです。胸囲は内臓脂肪蓄積を測る指標です。内臓脂肪が蓄積すると、動脈硬化が進行し、命にかかわる事態になることもあります。

「要経過観察」となった場合、食生活に気をつけつつ、適度な運動を心がけましょう。

血圧

高血圧は新型コロナウイルスの重症化以外にも、さまざまな病気を引き起こします。高血圧だと、一般的に心臓血管系の病気になりやすく、死亡率も高いといわれています。

血圧に関して、収縮期血圧なら140から、拡張期血圧なら90からが高血圧になり、要経過観察となります。

血圧は測るタイミングによっても変わりやすいため、気になる場合は自宅でも測定しましょう。

LH比

LH比とは、LDL(悪玉)コレステロール値をHDL(善玉)コレステロール値で割って導き出される比率のことです。健康診断では、複数の検査項目の関連性を見ることが重要です。悪玉コレステロールが増えると、血栓ができやすくなり、心筋梗塞のリスクが高まります。

基準としては、LH比が2.0を超えていないか確認しましょう。LH比が1.5以下なら、健康な状態です。健康な状態を保つためには、腹八分目を心がけ、禁煙をし、緑黄色野菜をとりましょう。

ウィズコロナ時代に考えたい、健康資産と金融資産の運用

新型コロナウイルスの感染拡大にともない、会社での健康診断が延期されたという人も多いのではないでしょうか。一斉健診だと、パンデミックが起きた時、どうしても対応が後手に回ってしまいます。

また、一斉健診では一般的な検査しか実施されないため、「異常なし」であっても重要な疾患が見落とされてしまうリスクがあります。そのため、これからの時代は各個人が自分で健診サービスを選び、よりパーソナルな健康診断を継続的に実施していくことが大切です。

現在は新型コロナウイルスがメディアをにぎわせていますが、恐ろしい病気は、新型コロナウイルスだけではありません。今回のパンデミックをきっかけに、改めて健康の大切さを見直し、健康増進に努めましょう。

健康への投資は、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとして、今後ますます見直されていくと予測されます。どんなに資産を築いても、健康なくしては意味がありません。むしろ、健康であることそのものが、資産であるともいえます。

これからの時代は、金融資産の運用だけでなく、健康資産をどのように維持していくかが問われています。そのために、パーソナルなデータを蓄積できる健診サービスを自分の意思で選び、健康管理に役立てましょう。