2021年1月から複数の地域で緊急事態宣言が発令されました。リモートワークを奨励する企業も増え、気軽に友人や恋人と顔を合わせて食事ができない状況が続いています。

厚生労働省は「新しい生活様式」を公表し、人と人との間隔を2m以上空ける「ソーシャルディスタンス」や、会話の際に真正面を避けることなどを推奨しています。コロナ禍以前の日常生活を取り戻すには、まだまだ時間がかかりそうです。

今回は、こうしたソーシャルディスタンスがメンタルヘルスに与える影響について解説していいます。

増加する「コロナうつ」

メンタルヘルス
(画像=PIXTA)

新型コロナウイルスは、人々の精神にも悪影響を与えており、アメリカでは精神的苦痛を感じる人の割合が45%に上るとのデータがでているなど、世界的な問題になっています。日本でも2020年の4月から5月にかけて精神保健福祉センターに寄せられる新型コロナに関する心の健康相談が急増。その内容は、「眠れない」「外出自粛でストレスがたまる」などだったと報じられています。

SNSのメリット・デメリット

こうしたストレスを解消するための手段の一つとして、SNSが挙げられます。4月にSNS マーケティングの企業が実施した調査によると、外出自粛に伴いSNS利用時間が「すごく増えた」「増えた」と回答した人が34.5%となるなど、 SNSを利用してコミュニケーションを楽しんでいる様子が伺えます。

離れた場所にいる友人とコミュニケーションが取れたり、同じ興味・関心を持つ人々とつながることができる点は、SNSの大きなメリットです。アメリカの研究機関が行なった 調査によると10代の81%が、SNSが特に友人とのつながりにおいて生活にポジティブな影響をもたらしていると考えているそうです。

一方で、最近では誹謗中傷や炎上、いじめなどのネガティブな側面にも注目が集まっています。うつ病との関連性や依存症のリスクを指摘する研究結果があることにも留意が必要です。

SNSに疲れたら‥知っておきたいそのほかのストレス発散法

SNSの利用はメンタルヘルスにプラスの効果がある場合もありますが、人によってはマイナスに作用してしまう場合もあります。気軽に外出や旅行ができないなかで、メンタルヘルスを維持するためには、ストレス解消の選択肢を複数持っておくべきでしょう。

具体的な手段をいくつか紹介します。

適度な運動

運動をすることで、脳からセロトニンなどのホルモンが分泌されます。これらのホルモンによって気持ちが穏やかになったり、爽快感を得られるという効果があります。また、ヨガやストレッチで深い呼吸を行うことにも、ストレス軽減やリラックス効果があると言われています。

デジタルデトックス

デジタルデトックスとは、スマホを代表とするデジタル機器(PCやテレビなど)から、一定期間、距離をとることを言います。インターネットから入ってくる負の情報を遮断することで、ストレスを軽減する効果が見込まれます。また、ダラダラとインターネットを見ている時間を読書などにあてることで、これまでとは異なる充実感を得ることができるでしょう。

コミュニケーションをとる

SNSなどを利用せず、気心の知れた友人とコミュニケーションをとることもストレスの解消になります。2020年7月に1,000人を超える医師を対象に行われた調査でも「ストレス解消には『食欲』、『睡眠欲』、そして『コミュニケーション欲』を満たすことが大切」と指摘されています。

こうしたストレスマネージメントの重要性について、KRD日本橋の田中岳史院長は以下のように述べています。

「自粛自粛と言っても、じっと家の中に引きこもっている必要はありません。ソーシャルディスタンスが取れれば、外に出て趣味に興じるも良し、スポーツをしたり身体を動かすのも良し、周囲に配慮すればマスクをつける必要もありません。

私たちも所詮動物です。家の天井ではなく青空の下、アスファルトではなく土を踏み、壁やビルに囲まれるのではなく木々に囲まれる所、クルマの音ではなく鳥の鳴声や川のせせらぎを聞きに行きましょう。清々しい、楽しいと思えれば、セロトニンやドーパミンなどの幸せホルモンで脳が満たされ、何よりのストレスマネージメントに繋がります。」

SNSはあくまでツールであり、どのように生かすかは人次第とも言えます。メリット、デメリットを理解した上で、他の選択肢も検討しながら、上手に利用しメンタルヘルスの維持に役立てていきましょう。