メタボリックシンドロームをはじめとした生活習慣病やがんなど、近年はさまざまな病気が社会課題として話題を集めていますが、そのうちのひとつが、精神疾患です。厚生労働省は、認知症、統合失調症、うつ病、てんかんなどを「精神疾患」として位置付けており、それらの症状が原因で医療機関にかかっている人は、平成29年時点で400万人を超えていると発表しています。

精神疾患の社会的コストは8.2兆円にものぼるという試算もあり、予防や治療法の早急の確立が求められています。

患者数が増加しつつあるうつ病

メンタル不調
(画像=PIXTA)

精神疾患の中でも、誰でも発症しうるのがうつ病です。

「この症状が出たらうつ病である」といえるはっきりとした基準はありませんが、厚労省によれば1996年に43.3万人だったうつ病の患者数は、2008年には104.1万人と12年間で2.4倍となっています。

また、2011年時点でうつ病による医療費(直接費用)と、うつ病により働けなくなったり、死亡したりする人が出ることによる経済的損失(間接費用)の合計は3.1兆円と試算されています。

これらの損失を考える上で、近年は「Presenteeism」(会社に出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題が作用して、パフォーマンスが上がらない状態)と「Absenteeism」(心身の体調不良が原因による遅刻や早退、就労が困難な欠勤や休職など、業務自体が行えない状態)というキーワードにも注目が集まっています。

例えば、花粉症などで仕事に集中できなかったり、メンタル面の不調から思うように行動できず生産性が高まらないといた状態は[Presenteeism]の一種といえます。これらのキーワードは、従業員の健康に対する投資対効果(ROI)を測るための指標として、経営者からの注目を集めています。

生活習慣の見直しで医療費の削減!生産性の向上も

うつ病は主にストレスが原因とされています。

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さらに、「セロトニン」という物質が体内に不足していることが原因であることもわかっています。セロトニンの働きとうつ病との関係について、KRD Nihombashiの田中岳史院長に聞きました。

「脳の神経細胞は千数百億個あると言われていますが、それぞれがセロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質によってスムーズに情報交換をし、脳全体として機能しています。セロトニンは幸せホルモンとも言われ、他の神経伝達物質をコントロールし、脳を安定させ、幸せを感じやすくする働きを持っています。

逆にセロトニンが減り、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れると、意欲、集中力が低下し、不安、恐怖感を感じやすくなってしまい、うつ病をはじめとした精神疾患が引き起こされることになります」

では、メンタル不調を立て直すために、セロトニンを増やすにはどうすればよいのでしょうか?

「ポイントは運動、日光、人とのふれあいです。運動はウォーキングなどの有酸素運動が効果的で、定期的、継続的に行うのがコツです。1回20分くらいでも構いません。できれば毎日、少なくとも週に3回はするとよいです。セロトニンが増え、脳機能が安定することによって自律神経も整い、心だけでなく、身体全体の体調も良くなります。

太陽の光はセロトニンを活性化し、効力がアップします。朝起きたらカーテンを開け、まず日の光を浴びましょう。爽快感とともに一日元気に過ごせます。

人との触れ合いはグルーミングと言って、この言葉はサルがお互い毛繕いをしたり、猫が舐めあう行動から由来します。人との触れ合いによりオキシトシンというホルモンが分泌され、それに呼応してセロトニンが増加します。お母さんが授乳で感じる幸福感は、授乳行動によってオキシトシンが分泌、セロトニンが増加するからです」

医療費を抑制すれば自身の体調だけでなく経済にも好影響

自分自身が健康であれば、無用な医療費を払わずにすみます。また、経営者であれば、社員のうつ病を防止することで、生産性を高め、経営効率を高めることができるでしょう。

うつ病などに代表される精神疾患について正しい知識を身につけ、生活習慣に生かしてくことは自身の健康のみならず経済にも好影響を与えることにつながっていきます。メンタルヘルスを維持するためにも、今の生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

※KRD Nihombashiは健康保険の使用ができない、自由診療の健診施設です。 健診は、スタンダード、ライト、「歯・目・血」、プレミアム、レディースの各コースをご用意しており、 料金はスタンダードAコースで13万7500円、Bコースで12万1000円、プレミアムでは男性コース22万円、 女性コースは24万8000円となっています。各コースともに、70項目以上の検査項目を実施し、 受診者さまの健康管理をサポートいたします。料金の詳しくは以下をご確認ください。
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