投資というと株式や不動産を思い浮かべがちですが、最も費用対効果の高い投資として、健康への投資が挙げられます。自身が健康でなければ、どんなに資産を築いても意味がありません。

今回は、健康投資の重要性を改めて解説するとともに、健康に「投資」する具体的な方法を解説します。

なぜ健康に投資すべきなのか

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(画像=PIXTA)

「人生100年時代」に突入した現代。平均寿命が延びる一方で、健康寿命とのかい離が問題視されてきました。健康寿命とは、介護をはじめとしたサポートを必要とすることなく、健康的に日常生活を送れる年齢のことをいいます。

長生きしても、健康でなければ、満足のいく生活を送ることはできません。将来になって後悔することがないよう、早いうちから健康への投資を始めることが大切です。

老後2,000万円問題と健康投資

2019年には老後2,000万円問題が話題になりました。老後に必要な金額は、健康状態や生活水準、生命保険の加入状況によっても違ってくるため、一概に2,000万円あれば安心というわけではありません。人によっては、5,000万円以上必要というケースも考えられます。

健康であることは、老後生活における金銭的な負担を軽減することにもつながります。厚生労働省の統計によると、生涯でかかる医療費は約2,600万円といわれています。そのうちの半分は、70歳以上に必要とされる医療費です。

つまり、医療費だけで1人あたり約1,300万円の貯蓄が必要ということです。しかもこれは平均した場合なので、健康状態によっては、これ以上の金額が必要となることも十分あり得ます。逆に、健康状態に気を付けて生活していれば、老後の医療費を大きく削減できる可能性が高くなります。

歯の健康で将来の医療費が変わる?

最近の研究では、歯の健康が生涯でかかる医療費を安くするということが明らかになっています。65歳においては、歯のメンテナンスを継続的に行ってきた人と行ってこなかった人の間では、年間医療費に15万円以上の差がみられました。

年間15万円の差が続くとすれば、約20年間で300万円も医療費に差が出てきます。しかも、これは15万円が続くと仮定した場合であり、実際には年齢が上がるほどに差はさらに大きくなると予想されます。数百万円単位で医療費が違ってくることを考えれば、歯のメンテナンスの重要性がわかるでしょう。

健康投資が人生にもたらす2つのメリット

ここまで、マクロな観点から健康投資の重要性をまとめました。続いては、個人の人生にフォーカスした時の健康投資のメリットを2つ紹介します。

メリット1.人生を謳歌できる

健康であることによって、人生を謳歌できることは、健康投資の最大のメリットです。健康でいることは、幸福な人生を叶えるうえで不可欠です。

健康が損なわれてしまっては、趣味を楽しむことも、おいしい食事をすることも、大切な家族や仲間との時間を楽しむこともできません。人間は不健康になると、意欲や感動する心が減退し、人生に楽しみを見出すことが困難になります。

健康投資によって長く健康でいることができれば、人生の幸福度は確実に上がるでしょう。

メリット2.資産を最大化できる

健康投資による副次的なメリットともいうべきものが、資産を最大化できることです。健康なくして、仕事にまい進することはできません。健康投資によって心身をいい状態に保っていれば、常に最高のパフォーマンスを発揮できます。そうすれば、昇進や昇給、スキルアップが叶うため、所得が増える可能性も高まります。

同時に、健康であれば医療費を削減できるため、支出を減らすことができます。この時、目先の支出にとらわれず、生涯全体で支出を減らす視点を持つことが大切です。

健診代がもったいないからと健診に行かなければ、重要な疾患を見落としてしまい、将来的に医療費が増大するかもしれません。健診をはじめとした予防に力を入れることで、生涯の医療費を少なくすることが重要です。

政府や企業も注目する健康投資

健康投資には、政府や企業も注目しています。政府が注目する理由は国民の生活の質の向上と、医療費の抑制です。企業が注目する理由は企業の社会的責任と、生産性向上による利益拡大です。

経済産業省には、「健康投資ワーキンググループ」があり、「健康経営」を行っている企業を評価する等、国民の健康増進に向けた取り組みを行っています。

現在では、新型コロナウイルス感染症が広がっていることから、感染リスクを軽減するための取り組みや、テレワーク等の新しい働き方に対応した健康管理が求められています。例として、専門家による体操動画の配信やオンラインでのカウンセラーによるメンタルヘルスケアなどがあります。

HR総研の「『健康経営』に関するアンケート調査」によると、「健康経営」について認知している企業は93%、実践している企業は50%でした。企業の認知度は高く、企業が健康経営に大きな関心を寄せていることがわかります。

また、コンサルティング会社の株式会社シード・プランニングは、健康経営関連市場の市場規模は2020年に1兆6,700億円になると予測しています。

いずれにせよ、健康経営が世の中のトレンドになっていることは間違いありません。政府や企業も健康に投資しているということは、それだけ健康投資の重要性が高いということです。

とはいえ、政府や企業の健康投資だけで、国民全員、従業員全員の健康が保証されるわけではありません。体質や生活習慣は人によって違うため、ひとりひとりが健康意識を高め、個人でできる取り組みをあわせて行っていく必要があります。

人生を幸福にする3つの健康投資

続いては、具体的な健康投資を3つ紹介します。

投資というからには、一時的には出費をともなう場合もあります。しかし、「もったいない」と考えて健康投資を惜しんだ結果、将来の医療費増大を招いてしまっては意味がありません。

健診で自分の状態を知る

健康投資をするうえで最も外せないのが、自分の健康状態を正しく知るための健診です。企業で実施される健診の他に、個人で取り組める健診もあります。また、年齢によっては人間ドックに行ったほうがいいケースもあるでしょう。歯科の定期健診も重要です。

健康増進のための取り組みを始めても、自分の健康状態とマッチしていなければ、効果は表れません。自分の身体の状態を正しく把握し、優先順位をつけたうえで、健康増進に取り組むことが大切です。そのためにも、健診は必ず定期的に受けましょう。

スポーツジムやヨガに通う

若いうちから取り組めるのが、スポーツジムやヨガに通うなどして、運動習慣を身に着けることです。学生時代に運動部に所属していたなら、社会人サークルに入るのもいいでしょう。また、市民プールも費用を安く抑えることができるためおすすめです。

大切なのは、自分に合ったものを選んで無理なく継続することです。せっかく始めても、継続できなければ大きな効果は得られません。無理なく通える場所を選ぶ、友人と一緒に通う、結果を記録するなど、モチベーションを維持して継続できる工夫をすることが大切です。

寝具や食品にこだわる

睡眠も食事も健康維持においては欠かせません。そのため、お金に余裕があるのであれば、ちょっといい寝具を購入したり、身体にいい食品を購入したりしましょう。

寝具を購入するときは、実際に使用感を確かめることが大切です。食品に関しては、無農薬、有機栽培などを選ぶと同時に、栄養バランスがかたよらないよう注意しましょう。

まず何から始める?健康投資の優先順位

健康投資は重要ですが、あれもこれも始めようとしても、結局は長続きしません。自分なりに優先順位をつけ、必要な部分に投資しましょう。

健康投資に関心を持った人が優先的に投資すべきなのは、健診です。まずは自分の身体の状態を正確に把握しないことには始まりません。

最近では、個人が継続的に自分の健康状態を知ることができる健診サービスも増えてきました。たとえば、KRD Nihombashi では、歯・目・血にフォーカスした健診を継続的に受けられます。健康診断のデータはクラウド化して管理されるため、いつでも見返すことができるのもうれしい点です。

人間ドックでは、健診よりさらに詳しい検査を受けられます。人間ドックを受ける目安は、35歳以上です。受信頻度は、1年に1回が理想的です。

健康診断で自分の状態を把握したら、食生活の見直し、十分な睡眠時間の確保、適度な運動など、身近な健康増進活動を始めましょう。必要に応じて、寝具を買い替えたり、スポーツジムに加入したりしてください。

また、金銭的に余裕があるのであれば、医療保険への加入を検討するという手段もあります。

健康投資をしたいと決意しても、健診にかかる費用を目の前にすると、ついもったいないと感じてしまうかもしれません。日本ではまだまだ予防にお金を払うという意識が定着していないからです。

それなら、ふだん何気なく使っているお金を健康投資に充てることを考えましょう。

たとえば、1杯250円コーヒーを平日毎日飲むと、年間で6万円にもなります。6万円あれば、半日もしくは1日コースの健診を受けられます。嗜好品が減ることで健康増進効果も期待でき、一石二鳥です。

このように、健康に悪い習慣を見直すと同時に、浮いたお金を健康投資に回すことで、費用対効果を最大限まで高められるでしょう。