人は誰かと会話をする時、50%以上の情報を表情から読み取ると言われています。人は見た目がすべてではありませんが、見た目の与える印象がとても大きいのもまた事実です。

20代なのに若白髪が多い、顔のシワが深い、肌がくすんでいる……など、年齢以上に見られてしまうことが多いという人もいるのではないでしょうか。あるいは、久々に友人に会った時、「老けたな!」と言われてショックを受けたという経験がある人もいるでしょう。

そうした年齢不相応な見た目の変化は、実は体からの不調のサインかもしれず、「歳をとったな」と落ち込むだけではすまない問題かもしれません。

「顔の変化」は不調のサイン?

顔の変化
(画像=PIXTA)

人間は視覚(目)、聴覚(耳)、味覚(舌)、嗅覚(鼻)、触覚(手)の5感によって、外界の刺激を感知しています。顔には、この5感のうちの4つ(目、耳、鼻、口)が集中しています。顔に不調が現れるということは、こうした器官に異常があることを示しています。例えば、口内からの出血であれば、歯周病の疑いがあるといえます。そして、歯周病が心臓疾患や脳梗塞と関連しているように、顔に現れる異常は全身のリスクとも関係しているのです。

参考:20代をも蝕む歯周病。迎える「その先」は?

顔に現れる不調と、全身への影響についてKRD Nihombashiの田中岳史院長は、以下のように説明します。

「見た目が老けて見える、肌艶が悪いなどは、もしかしたら体にAGE(終末糖化産物)が蓄積しているのかもしれません。AGEは身体で消費されなかった余剰な糖分がたんぱく質と結びつき、細胞、組織に障害をもたらす物質です。

糖尿病、あるいは糖尿病でなくても高血糖になりやすい状態が継続すると、AGEが増えて、血管、皮膚、内臓など様々な身体の組織が障害を受けてしまいます。皮膚では皮下毛細血管が障害され、血液循環が悪くなる、また皮膚の貼りを保つコラーゲン組織が障害され、しわが増えるなど、顔はAGEの蓄積具合が最も分かりやすい部位と言えます。

しかし実は皮膚だけではなく、目に見えない身体の内部、内臓も老化が進んでいるのです。AGEが増え、蓄積することを身体が『糖化する』、あるいは『焦げる』と言われたりします。」

また、吹き出物やシミ、シワなどの肌の変化は、食事や生活習慣が大きく影響しているのです。

「こうした身体の糖化(焦げ)、老化が進んでしまう原因は糖分の過多、高血糖です。暴飲暴食などのカロリーオーバー、運動不足による消費不足、ストレスや不規則な生活からくる自律神経失調による糖代謝の乱れなどが原因です。」

「顔が朽ちる」前にしておくべきこと

「顔が朽ちる」ことを防ぐためには、これまで解説してきたような不調が、実際に顔に現れ出す前に対策をとることが重要です。

「ポイントは食事、運動、自律神経です。食事ではカロリーを意識し、野菜など食物繊維の豊富な食材を積極的に取りましょう。食事の最初に野菜を摂り、食物繊維に待ち伏せをさせると余計な糖分の吸収を避けることができます。また、調理法では揚げ物、焼き物は同じ食材でもAGEが多く発生しますので要注意です。

運動はウォーキングなどの有酸素運動を継続的に行うことが大切です。毛細血管の活動が活発になり、糖分を効率よく燃やすことができます。一日20分でもいいですから、できれば毎日、少なくとも一日おきには行いましょう。

自律神経には交感神経と副交感神経があります。交感神経はお仕事モード。自律神経のアクセルを踏み込んだ状態になります。すると血糖を下げるインスリンの分泌が抑制され、血糖が高くなります。一方、副交感神経はリラックスモード。インスリンの分泌を促し、血糖が安定します。ですから一日の中でこれら二つのモードが半々になるよう、ワークライフバランスを整えることも大切です。」

また、今の自分の身体がどのような状況にあるのか把握することも重要でしょう。顔や髪の毛だけでなく、内臓や筋肉、血液など、自分の体が年齢相応の機能を持っているかどうかを、把握することで、具体的な対策をたてることができます。

「顔が朽ちる」ことをふせぐためにも、健康診断や人間ドックを受診して、一度自分の身体の状態をよく確かめてみてはいかがでしょうか?