2020年の4月から5月半ばまで発令された緊急事態宣言により、在宅での業務を推奨する企業が増加しました。また、2021年1月から、複数の地域に再度緊急事態宣言が発令されています。

このように気軽に外出できない状況の中で、増加したのがZOOMなどのテレビ電話アプリを利用した「リモート飲み会」です。今回は「リモート飲み会」のリスクと、その対策について解説します。

ZOOMなどを利用した「リモート飲み会」が増加

ZOOM,依存症
(画像=PIXTA)

リモート飲み会は、飲食店に行くよりも安価であることに加えて、「対面ではないため目上の人のグラスやお皿に気を使わなくてよい」「終電を気にしなくてよい」など、通常の飲み会よりも気楽に行える要素が多いため、自粛期間中に流行しました。

しかし、一方で気をつけたいのが、気軽にお酒を飲めるからこその危険です。終電などの時間制限があるから注意していたお酒の量が、自宅で飲むことで増えてしまう可能性があるからです。実際に飲酒量の増加や依存症を懸念する報道も複数見られるようになっています。

少し古いデータですが、2013年に厚生労働省が行った調査によると、「アルコール依存症者の疑い」とみなされた人は、男女合わせて約292万人います。依存症とはならずとも、「問題飲酒者」、「リスクの高い飲酒者」、「多量飲酒者」を合わせると、なんと3,500万人越えています。

そもそも、アルコール依存症とは、どのようなものなのでしょうか。そのメカニズムについて、KRD Nihombashiの田中岳史院長を下記のように説明しています。

「飲酒習慣は、耐性をもたらします。脳がアルコールに慣れてしまうのです。お酒は、人を幸福な気分にしてくれます。飲酒を始めたころには少量のお酒で気分よく酔えていたのが、耐性が生じることにより、同じ幸福感を味わうにはもっと多くの酒量が必要になってきます。

それがどんどんと増えていき、いつしか後戻りができない状態、逆にお酒を飲まないと身体の調子が悪いと感じる状態にさえなってしまうのです。さらに、リモート飲み会は周囲に止めてくれる人がいない、場所、時間を気にしなくてもよい環境ですので、アルコール依存症によりなりやすいと言えます」

アルコール摂取による将来リスク

アルコール依存症になると、治療や回復にとても時間がかかることは、広く知られています。また、過剰な飲酒は、肝臓以外の消化器、神経、筋肉、循環器など全身のさまざまな臓器にも障害を引き起こす可能性を秘めています。

「アルコールは細胞組織、血管、神経など、健康のすべてに悪影響があると言っても過言ではありません。

アルコールが引き起こす障害は、発がん、血管障害による循環器病、神経障害による認知症をはじめとした精神疾患や末梢神経障害、また肝障害や膵障害による糖尿病など枚挙にいとまがありません。昔から酒は百薬の長などと言われますが、一定量を超えると毒になると認識して頂いたほうが良いと思います。」(田中岳史院長)

以前は「少量なら体にいい」とされていたお酒ですが、近年は例え少量でも体に有害という説が有力になりつつあります。また、平成30年の「平成 30 年 国民健康・栄養調査」によれば生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合は、男性で15%、女性で8.7%となっています。

飲みすぎないように飲酒量を自制するためには

リモート飲み会は、画面上では、他人と繋がっているようでも実態は「一人飲み」であり、「一人飲み」は、アルコール依存症になりやすい飲酒習慣のひとつとされています。自宅でリモート飲み会に参加する際には、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?

・終了時間を決める

終電を気にしなくてよいことは、リモート飲み会のメリットの一つですが、デメリットであります。帰りの時間を気にしなくてよいため、長時間になりがちなので、始まる前に終了時間を決めておくとよいでしょう。

・自宅にあるお酒の量をコントロールする

飲酒量を事前に決めておき、一定量を超えたらやめておくという方法もありますが、家にお酒があると、ついつい飲んでしまうという人もいるでしょう。そうした場合、最初から飲む量しか家に置かないという方法もあります。

お店で飲んでいれば注文するだけでお酒が出てきますが、リモート飲み会であれば、自分で買いに行く必要があります。こうしたハードルを設けることで、飲酒量の抑制につながるでしょう。

・適宜、水やお茶などを飲む

お店で飲んでいると、周囲に合わせてお酒を注文せざるをえないという場合もありますが、自宅であれば気にする必要はありません。適宜、お茶や水などノンアルコールドリンクを飲むことで飲酒量を調整しましょう。

これまで解説してきたように飲酒には様々なリスクがあります。お酒を飲める量は個人によっても違うので、自分が飲めるお酒の量と、アルコールによりどんな悪影響があるかも知った上で、適量を楽しむようにしましょう。

また、日々の飲酒が身体に与える影響について、定期的にチェックする機会を設けてみてはいかがでしょうか?