もしビジネスマンが、30~40代の働き盛りに失明してしまったら、生活はもちろん仕事の面でも多大な影響を受けることは免れません。そして、失明になるような目のトラブルは意外に多く、視覚障害の原因としてもっとも多い緑内障では、40代の5%が発症するとされ、30代の症例も増えていることが報告されています。この記事では、失明による生活、そしてビジネスへの影響と失明のリスクを回避するための方法を解説します。

失明した場合は……。生活への影響を考える

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(画像=stock.adobe.com)

もし失明してしまったら、生活や仕事には具体的にはどのような影響が出るでしょうか。まずは生活面での影響を考えてみましょう。

失明すると、視覚からの情報に頼ることができなくなります。家の中での歩行はもちろん、屋外での移動はさらに困難を伴います。日々の料理や食事、掃除や洗濯などの家事、入浴などもスムーズにこなすことが難しくなります。

つまり失明をすると、日々の生活におけるさまざまな行動において、以前よりも多くの時間を要することになります。屋外を歩く際には点字ブロックや盲導犬を利用できますが、歩行速度は以前より遅くならざるを得ませんし、一層の注意も必要になります。

順天堂大学眼科学教室の専任准教授、平塚義宗氏が発表している2015年のレポートによると、視覚障害者は死亡リスクが健常者よりも2.3倍上昇するというデータや、うつ状態になりやすいというデータもあります。失明もしくは視力に大きな障害をもつことは、生活に大きなリスクをもたらすことはもちろん、生命にも関わるリスクをもたらすことがわかります。

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引用:公益社団法人 日本眼科医会「自分も困る、家族も困る、社会も困る視覚障害」(PDF)

失明した場合の仕事への影響は?:キャリアプランの大きな変更やお金の面での苦労も

生活はもちろん、生命にもリスクをもたらす失明は、当然ながら仕事にも大きな影響を及ぼします。実際にほとんどの職種において、目からの情報を必要としています。そのため失明すると、それまで難なくこなせていた業務に取り組むことが困難になり、場合によっては会社を辞めざるを得ないケースもあるでしょう。

会社を辞めなくても、従来の業務を続けられなくなれば、思い描いていたキャリアプランが一気に崩れてしまうことは否めません。もちろん給与収入や将来のプランも失われてしまいます。失明は障害年金の対象となりますが、両目失明により視力障害1級認定であっても、障害厚生年金は年間975,100円+報酬比例の年金額×1.25です。 障害年金を受給したとしても、全体の収入が落ちてしまうケースが大半で、金銭面でも生活が苦しくなりがちです。

30代~40代、失明してしまう原因は?

では実際、人はどのような病気で視力を失ってしまうのでしょうか。厚生労働省が2019年にまとめたデータで、その割合が明らかにされていますので、紹介します。

▽視覚障害者の原因疾患
・1位:緑内障(28.6%)
・2位:網膜色素変性症(14.0%)
・2位:糖尿病網膜症(12.8%)
・4位:黄斑変性(8.0%)

失明につながるリスクが最も高いのが「緑内障」(28.6%)です。緑内障は眼圧の上昇によって視神経が障害を受けることで発症します。自覚症状が少なく、気づくと治療が難しい状態となってしまうことの多い病気とされています。従来は40歳以上を中心に、その5%が発症するとされていましたが、近年では30代での発症例が増えていると報告されています。

続いて多いのが網膜色素変性症(14.0%)、「糖尿病網膜症」(12.8%)です。とくに糖尿病網膜症は、糖尿病に患っている人が合併症として起こす病気で、目の網膜組織が障害を受けることで視力の低下が引き起こります。こちらも自覚症状が少なく、まずは視界がかすむなどの症状が起こり、さらに視力が低下していくと、最終的に失明するリスクが高まります。

失明しないため。定期的な眼科健診と、目の違和感への警戒を

それでは失明につながるような目のトラブルを避けるためには、具体的にはどのような対策が考えられるのでしょうか。とくに注意したい緑内障や糖尿病網膜症は、前述の通り自覚症状が少ないという特徴もあることから、定期的に眼科検診を受けることが重要です。

検診の頻度は一般的には年1~2回程度が推奨されていますが、コンタクトレンズを着用しているなど目への負担が大きい人は、3カ月に1回程度と頻度が高くてもよいでしょう。

ただし、かすみ目が気になったり、視野が狭くなったように感じるなど、視力に異常が感じられるときは、こうした定期検診を待たずにすぐに眼科に受診に訪れることが重要です。市販の目薬や目に良いとされるサプリに頼り過ぎず、おかしいなと思ったら躊躇せず眼科で検診を受けましょう。

日頃から目の酷使に注意し、栄耀バランスの取れた食事や運動を

目の病気をなるべく発症させないように、日頃からの目の使い方に注意をしておくことも重要です。

現在はパソコンやスマートフォン、タブレット端末を長時間にわたって使用する人も増えています。1時間に1回程度5~10分の休憩を取ることや、ときどき蒸しタオルなどで目を温めることもおすすめです。

パソコンやスマートフォン、タブレット端末などを長時間見ることによって、目の奥に痛みを感じたり、ドライアイによるかすみ目が生じたり、首や肩こりになったりします。この症状をVDT症候群と呼びますが、これが緑内障の初期症状と似ています。そのため、慣れてしまうと、ますます緑内障の発症に気づくことが遅くなる可能性があります。緑内障の早期発見のためにも、普段の仕事やオフタイムにおいて、VDT症候群とならないよう、気をつけたいところです。

また、糖尿病網膜症による失明を避けるためには、何より糖尿病にならないようにすることがポイントです。糖尿病は肥満や運動不足などの生活習慣が原因となって引き起こされることもあるため、日ごろから食事や運動に気を配ることも重要であると言えます。

最近では、歯周病が糖尿病の進行を促進してしまうことが指摘されています。目の大きなトラブルを避けるためにも、歯磨きをていねいに行うなど、口腔環境の改善、投資に日ごろから意識を高めることが求められるといえます。

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定期検診はマスト、日ごろの健康投資で、目のトラブルを予防する

失明すると、生活にも仕事にも、そして心理的にも大きなダメージを受けます。重ねての説明になりますが、失明を避けるためには定期的な検診はマストであり、異常を感じたらすぐに眼科を受診するようにしましょう。

もちろん、失明しても人生が終わりというわけではありません。失明しても元気に楽しく生きがいを持って過ごせている人もたくさんいます。しかし、キャリアを含めライフプランが大きく変わってしまうケースが多いのが現実です。目のトラブルを軽視することなく、日頃からできる健康投資として、健診や生活習慣の改善は必ず実践していくようにしましょう。

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