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(画像=PIXTA)

自社で役員の不祥事が発覚したら社内外への対応ですべきことは?

役員の中でも大きな権限を持つ取締役の不祥事が発覚した際の、対応ルールと留意点を解説する。

不正との因果関係を調べ損害補償などを協議

役員とは、一般的に取締役、監査役のことをいう。取締役は株主総会で選任される。この地位は株主との委任契約に基づくもので、取締役は会社経営を通じて利益を出し、最終的には配当として株主に還元する責任を負う。取締役はこの委任契約により「善良なる管理者の注意」をもって職務を遂行しなければならないとされており、これを「善管注意義務」という(会社法330条、民法644条)。

取締役は会社の経営方針を決定し一般的に業務執行にも関与するため、強力な権限を持っている。その権限を濫用し、例えば特定の取引先と密な関係を築き不正な利益を得る、あるいは対外的に会社の財務状況を良く見せようと粉飾決算や法令違反を隠蔽する――といった不祥事を起こしてしまうことがある。

そこで取締役の職務執行を監査し、健全かつ適正な会社経営を実現する役割を担うのが監査役となる。

取締役による不祥事が発覚した場合、まず事実確認を慎重に行う。次に関係者、利害関係人に対して必要な説明・対応を行うとともに、弁護士と協議し速やかに取締役への法的対応を準備する。

自社の取引先が損害を被ることもあるだろう。この場合、その損害が取締役の不祥事と因果関係があるのか、取引先との契約内容などを踏まえて確認する。因果関係があるなら、自社がその損害を補償しなければならない。

自社が損害保険に加入しているなら、今回の損害が補償対象になるか確認。補償対象になるなら保険会社に連絡する。補償対象にならない場合、弁護士に相談して早急に取引先と賠償額の交渉に入りたい。金融機関の担当者は取引先にこうした基本的な流れを情報提供しよう。

解任や職務執行停止など早期対応で影響を抑える