長寿は多くの人々に共通する願いですが、その長寿にも「質」が問われる時代になりつつあります。こうした流れの中で重要視されつつあるのが、健康寿命です。世界保健機関(WHO)は健康寿命を「平均寿命から寝たきりや認知症など介護状態の期間を差し引いた期間」と定義 しています。人生におけるQOL(生活の質)を高めてよりよく生きるためには寿命だけでなく健康寿命にもこだわるべきであると考えるのは当然のことでしょう。

健康寿命を語るうえでキーワードとなるのが、フレイルとサルコペニアです。いずれも言葉自体を初めて耳にするという人も多いかもしれません。しかし、このフレイルとサルコペニアをいかに予防するかかが、健康寿命に深くかかわっているのです。

2020年から制定された「フレイルの日」

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(画像=PIXTA)

まだあまりなじみのないフレイルのことを広く社会に啓蒙し、意識を高めることで健康寿命延長に寄与するといった目的で制定されたのが、「フレイルの日」です。これは日本老年医学会やスマートウェルネスコミュニティ協議会などが共同で提唱し、制定したものです。

2020年からは毎年2月1日が「フレイルの日」 として、さまざまな活動の契機とされています。

そもそもフレイル、サルコペニアとは何か

フレイルとは加齢によって心身が老いた状態のことです。人は必ず加齢するので、フレイルは生きていくうえで誰もが避けられない問題です。人は加齢によって運動の予備能力が低下し、それによってさまざまなストレスに対して脆弱 になってしまいます。フレイルそのもので今すぐ何か問題が起きるわけではありませんが、体重の現象や活力低下、活動度の減少などが複合的に起きるため、やがて全体としての活力が低下してしまうのです。

もう1つのサルコペニアとは、筋肉量の減少によって身体機能が低下する状態 のことです。「サルコ」というのはギリシャ語で筋肉を意味し、「ペニア」は喪失という意味なので、それを合わせた造語がサルコペニア(筋肉の喪失)です。人は筋肉があることによって体を動かし、活動することができます。これを喪失すると転倒や骨折のリスクが高まり、ひいては寝たきり状態になってしまう引き金にもなりかねません。

フレイルとサルコペニアはどちらもリンクし合っており、片方のリスクが高まるともう片方のリスクが顕在化するため、両者を同時に予防していく視点が重要です。

介護が発生することによる経済的損失は6000億円

フレイルやサルコペニアによるリスクが顕在化し、介護状態になってしまうと本人の生活が不便になるだけではなく、周囲の家族にも負担がかかります。さらに介護サービスを受ける必要が出てくるなど、さまざまな方面に影響が及びます。介護による国全体の経済損失はなんと年間6,500億円規模になることが経済産業省の試算 によって明らかになりました。

特にそのなかでも影響が大きいとされているのが、介護離職です。現役世代の人が家族の介護を理由に離職し、労働力として活躍できなくなることで発生する経済損失がとても大きく、それが年間6,500億円もの巨大な経済損失につながっているというわけです。

フレイルとサルコペニアを抑えて健康寿命を延ばすことは、こうした経済損失の縮小にも貢献するのです。

フレイル対策で経済的メリットも享受しよう

先ほどは国家レベルの経済損失について述べましたが、介護が発生することによる経済損失は家計レベルでも看過できません。公益財団法人生命保険文化センターは、75歳の親が要介護3の状態になり、福祉施設を5年間利用するとトータルで約535万円の損失になると試算 しています。要介護状態になってから、この費用を節約するには限度がありますが、予防段階であればできることはたくさんあります。

特にフレイルは介護の一歩手前であるといわれており、フレイルの状態で食い止める、もしくはそもそもフレイルにならないようにすることがきわめて有効です。サルコペニアは筋肉量が減少してしまう状態なので、サルコペニアを回避する生活習慣を心がければ、おのずとフレイルを回避することにもつながります。

この両者を予防する生活習慣の基本は、「食べること」と「動くこと」です。単純なことのようですが、フレイルとサルコペアの予防においては一層これらの心掛けが重要になります。筋肉量を維持するためには魚や卵、豆腐、肉類といった良質なたんぱく質が欠かせませんし、転倒や骨折の予防には牛乳や魚から摂れるカルシウムも積極的に摂りたいところです。

そして十分な日光浴をしながら体を動かして、心身ともに健康を維持する努力を怠らないようにしましょう。天気がよくない日や外出せずに運動したいという方には、「片足立ち」や「軽いスクワット」などを日課に採り入れるのも効果的です。

日々の生活習慣を改善することで、フレイルやサルコペニアを予防すれば、健康寿命を伸び、経済的負担を回避することができるでしょう。

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