毎年2月頃から、人によっては5月、6月頃まで悩まされることになるのが花粉症 です。最も多いスギ花粉症の場合、スギ花粉の飛散時期が2月から4月なので、この時期を「花粉症シーズン」と認識している人も多いでしょう。

花粉症はアレルギー反応なので、毎年のように鼻水や鼻づまり、目のかゆみ、くしゃみなどに悩まされている としても「体質だから仕方ない」とあきらめてしまっている人も多いのではないでしょうか。しかし、花粉症のせいで仕事の能率が大きく落ちるようなことがあれば、「体質だから」と簡単に諦められてよい問題ではなくなってしまいます。

実はこの花粉症のせいで、日本全体で莫大な経済的損失が発生していることが明らかになっています。今回は花粉症による経済的損失と、その対策を解説します。

花粉症の経済的損失は想像以上に大きい

花粉症,経済的損失
(画像=PIXTA)

花粉症による症状がひどい日に仕事のモチベーションは高くなるでしょうか? 答えはおそらく「ノー」でしょう。

花粉症のせいでティッシュペーパーが手放せない状態になったり、不快な気分のときに活動的になれる人はほとんどいないと考えられます。鼻水や目のかゆみがひどければ、仕事の能率は低下し、好きなことをする意欲も削がれてしまいます。

実際、東京都の調査では花粉が飛散するシーズンになると「外出を控える」と回答している人が8.9% いることが明らかになっており、花粉症のせいで人の活動が減退していることは間違いないでしょう。そして、こうした活動の減退が経済的な損失にもつながっているのです。

家計消費の低下が数千億円、労働生産性の低下は兆円単位

それでは花粉症による経済的な損失がどの程度の規模になるか、データから紐解いてみましょう。まずは、家計消費です。

第一生命経済研究所が調査した結果によると、2019年の1月から3月、つまり花粉の飛散シーズンに家計消費が5,691億円も低下 したことが明らかになっています。これは、コロナ禍の影響を受けていない時期なので花粉の影響が大きいことがうかがえます。

なぜこの時期の消費低下が花粉症による影響を受けているのかは、同調査結果の支出内訳をみるとさらに深く推察することができます。この時期の支出内訳をみると、以下のように「光熱・水道」が突出し、そのほかには「家具・家事用品」や「保健医療」、そして「スーパー」がプラスになっているのが見て取れます。

花粉の大量飛散が日本経済に及ぼす影響
出典:花粉の大量飛散が日本経済に及ぼす影響(第一生命経済研究所)

多くの人が外出を控えると自宅でのエネルギー消費が増えるため、光熱費や水道料金の支出が増えます。ほかにも家具や家事用品やスーパーというのもいわゆる「巣ごもり需要」です。さらに保健医療の支出では花粉症の医薬品やマスクの購入費用、医療費などであることが推察できます。

また、花粉症による仕事のモチベーション低下を如実に物語るデータもあります。日本アレルギー学会の顧問を務める西間三馨氏の試算によると、花粉症による欠勤や労働生産性の低下によって総額では5兆円規模の経済的損失が発生 しているとされています。

1人1人の影響だけを考えれば小さなものかもしれませんが、日本全体で考えると非常に大きな経済的損失を花粉症が毎年生み出しているのです。

経済的損失を減らすためにもしっかりとした対策が必要

日本全体の経済損失はやがて、景気の冷え込みや所得の低下につながってしまうリスクもあります。家計レベルでも花粉症のために欠勤したり、能率が低下すれば、収入が減ってしまう可能性もあります。

花粉症は体質によるものですが、日々の生活習慣によって症状を軽減することは可能です。規則正しい生活や栄養価の高い食事を心がけることで体力を増強し、花粉症に強い体質づくりを意識することで、花粉症だけではなくさまざまな生活習慣病の予防にもつながります。

また、帰宅時には玄関先で衣服に付着した花粉を払い落としてから家に入り、うがいや洗顔で顔の周りについた花粉を洗い流すことも基本的な対策となります。そして、室内ではドアや窓をしっかりと閉めて外から花粉が入らないようにすることも有効です。

天気のよい日は布団を天日干ししたくなるところですが、花粉飛散シーズンは布団に花粉が付着してしまうので、この時期だけは布団乾燥機を利用するか、花粉の飛散が少ない午前中だけにするなどの工夫が必要でしょう。そのほかには外出時のマスクやゴーグル、帽子などによって物理的に花粉との接触を避ける対策も有効とされています。

日本経済はもちろん、自身のキャリアのためにも、こうした花粉症対策は必須といえるでしょう。この機会に花粉症のダメージを軽減するための生活習慣改善にも取り組んでみてはいかがでしょうか。

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