2025年には国民の約5人に1人が認知症になるかもしれないという衝撃的なデータがあります。認知症患者の増加に伴い、認知症に対する社会的コスト負担はすでに10兆円を超えています。

しかし、認知症は予防や進行を遅らせることが可能な病気でもあります。社会にとって経済的インパクトの大きい認知症を予防するにはどのような対策があるのか、解説していきます。

2014年時点でも10兆円を超える認知症のコスト

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(画像=PIXTA)

内閣府の「平成29年版度高齢社会白書」 によると、令和2(2020)年における65歳以上の認知症患者数は推計で約602万人と高齢者の約6人に1人の割合になっています。これが令和7(2025)年には有病率が20%となり、約5人に1人は認知症になるとの推計もあります。

認知症に関連するコスト負担の増加も深刻な問題です。慶応義塾大学が発表した「わが国における認知症の経済的影響に関する研究 平成26年度総括・分担研究報告書」という資料によると、2014年における認知症の社会的コストは14兆5,140億円 と推計されています。さらに2060年には24兆2,630億円まで拡大するという予測もあり、経済的影響はさらに大きくなる見込みです。

コロナの影響による孤独が認知症を加速させる可能性も

認知症もほかの病気と同様に早期発見が重要になります。認知症ではないかと疑われる症状 としては、「もの忘れが多くなる」「理解力や判断する速度が低下する」「集中力や作業能力が低下する」「精神的な混乱や落ち込みがある」などが挙げられます。これらの症状は自分で自覚することもあれば、家族が気付く場合もあります。また、人と接するなかで他人との比較により自分の能力の低下を知ることもあるでしょう。

人と関わるという意味では、2020年に感染が拡大した新型コロナウィルスは認知症のリスクのある高齢者にも影響を与えています。新型コロナウィルスは高齢者や基礎疾患を持っている人が重症化しやすい病気です。そのため感染拡大が本格的になって以降は、高齢者は外出する機会が減る傾向にあります。このことが高齢者の認知症リスクを高めることにつながる恐れがあるのです。こ人との交流が少なくなり、孤独であることが認知症を加速させる可能性が懸念されています。

認知症の人は介護費用の負担も大きい

認知症の高齢者を家族が介護するのも限界があるでしょう。そうなると介護施設に入居させることも考えなければなりませんが、その場合は、どの程度の費用がかかるのでしょうか。公的施設と民間施設の月額費用の目安は下表 のとおりです。

 公的施設の月額費用
 特別養護老人ホーム  約6~15万円
 介護老人保健施設  約8~20万円
 軽費老人ホーム  約8~15万円
 グループホーム  約8~13万円
 民間施設の月額費用
 有料老人ホーム(介護付き)  約15~35万円
 有料老人ホーム(住宅型)  約15~35万円
 サービス付き高齢者向け住宅  約13~25万円

※出典:老人ホーム検索サイト「みんなの介護」

公的施設を利用した場合でも家賃並みの費用負担が発生することになります。料金帯が高くなる民間の施設では最大で一月分の給料に相当する費用がかかることケースも想定されます。こうした実態を考慮すると、ある程度年収が高い家庭でなければ入居させることは難しいでしょう。それくらい家族が認知症になるということは大変なことなのです。

しかし、認知症でも軽度であれば週3日程度デイサービスに通わせて、人との交流や認知症予防プログラムを受けることで進行を遅らせることはできます。デイサービスであれば費用は1回1,000~2,000円 ですので、週3日の場合月にして2~3万円の負担で済みます。

事前に対策をすることで経済的負担を回避しよう

経済的負担を回避するには認知症が進む前に対策 をすることが大事です。認知症は事前に対策することが可能な病気です。アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症は生活習慣病との関連が強いといわれています。つまり、糖尿病などの生活習慣病を予防することが、間接的に認知症の予防につながるのです。それには定期的に健康診断を受け、生活習慣病の兆候がないか点検することが近道といえます。

また、「運動不足は万病のもと」 という言葉があるくらい、運動不足が健康に与える影響も大きなものがあります。ウォーキングやラジオ体操など負担にならない程度の運動を習慣的に行うことで生活習慣病の予防につながります。

また、無理のない範囲で趣味を持つのも認知症の予防に有効です。たとえば、体調に問題がなければシニア向けのスポーツクラブに通うのもよいでしょう。運動になるだけでなく人との交流も確保できます。自宅で行う趣味なら達成感を得られるものにすると、生活に張り合いが持てます。「週に1枚絵手紙を書く」「月に3冊本を読了する」などの目標を持つと生き甲斐にもなり、認知症予防になると言われています。

認知症は痛みのある病気ではないため、気が付きにくいという特徴があります。自分は大丈夫と思わずに、認知症予防の習慣を生活に取り入れることが必要です。日ごろから、生活習慣に気を配ることで、家族や自分自身が将来支払う可能性がある大きな経済的負担を回避できる確率が高まるでしょう。

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