執筆者:佐々木達憲
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(画像=taa22/stock.adobe.com)

NISAという制度に興味を持たれる方も多くなっていますが、NISAには現在、当初に開始された「一般NISA」だけでなく「つみたてNISA」という制度もあり、しかも開始後は各年それらのうちどちらか1つしか利用することができません。一体それぞれ、どの様な点が異なるのでしょうか。
※便宜上NISAとつみたてNISAを区別するためNISAを一般NISAと表記します。

目次

  1. 一般NISAとつみたてNISAの違い
    1. 買付可能額
    2. 投資対象
    3. 非課税投資期間
    4. 拠出ルール
    5. ロールオーバー
  2. 一般NISAとつみたてNISAのメリット・デメリット
    1. 一般NISAのメリット
    2. 一般NISAのデメリット
    3. つみたてNISAのメリット
    4. つみたてNISAのデメリット
  3. 一般NISAとつみたてNISAどっちがいい?
    1. 一般NISAに向いている人
    2. つみたてNISAに向いている人
  4. 特徴を把握し自分に合った選択を

一般NISAとつみたてNISAの違い

NISA,つみたてNISA
(画像=metamorworks/stock.adobe.com)

一般NISAは2014年から開始された、税制優遇制度です。その後2018年につみたてNISAが制度化されました。どちらも、対象期間内における運用益が非課税(現在の税率では約20%)での運用が可能です。積立可能額や累積積立可能額、投資対象の幅など、制度としてのそれぞれの特徴を把握しましょう。

買付可能額

「一般NISA」の年間買付可能額は、120万円です。1年間につき、120万円の範囲内であれば、購入した対象商品の値上がり益や配当金等について、対象期間内において非課税での運用ができます。

これに対して、「つみたてNISA」の方は1年間につき累積40万円に至るまで、購入ができる制度です。

投資対象

「一般NISA」では投資信託やETFに加えて、上場株式を購入することもできます。ただし、買付可能額が年間120万円ですので、その金額を上回る株価の銘柄を買うことはできません。

「つみたてNISA」は、長期の積立・分散投資に適するという理念にもとづき金融庁所定の条件を満たすものとして届け出られた一定の投資信託・ETFのみが対象とされています(2020年12月23日時点において、193本の商品が対象)。

非課税投資期間

「一般NISA」は、買付をしてから5年間が非課税投資期間(非課税投資枠は5年間で最大600万円)となっています。「つみたてNISA」は買付可能額がNISAに比べて少ない反面、非課税投資期間は20年間(非課税投資枠は20年間で最大800万円)という長い年数が認められるもので、より長期間の投資を促す制度設計とされています。

拠出ルール

上記で述べてきたさまざまな違いはありますが、拠出ルールについては、一般NISAもつみたてNISAも基本的には共通しています。

すなわち、特定口座や一般口座とは異なる「NISA口座」の開設が必要となること、1人につき1口座のみしか持つことができず、買付可能額が余った場合に翌年へ繰り越しはできない、といった基本ルールは変わりません。

また、他の口座の利益との間で損益通算をしたり、年をまたいで損失を繰越控除することは、NISAもつみたてNISAも認められてはいないので共に注意が必要です。

ロールオーバー

一般NISAの場合、5年間の非課税投資期間が満了するまでの間に売却せず保有していた商品については、特定口座や一般口座等の課税口座へ移行するか、あるいはその対象商品を翌年の非課税枠の範囲内で引き続き運用し続けることが選択できます。後者の手続きは、「ロールオーバー」と呼ばれているものです。

つみたてNISAの場合は、ロールオーバーができません。売却するか、課税口座へ移行するかということになります。

NISA,つみたてNISA
※2024年から新制度が施行され、一般NISAは新NISAとなり2028年まで、つみたてNISAは2042年まで投資期間が延長されます。(画像=UpU編集部)

一般NISAとつみたてNISAのメリット・デメリット

NISA,つみたてNISA
(画像=moonship/stock.adobe.com)

一般NISAのメリット

一般NISAは、非課税投資期間が短いですが、つみたてNISAに比べて買付可能額が大きいというメリットがあります。購入した商品が何倍にも増えることになったとしたら、その値上がり益全てが非課税になるわけですから、結果として得られる利益がとても大きくなる可能性があります。

ロールオーバーができるのも、NISAにしかない特徴の一つです。年間買付可能額120万円という枠を目いっぱい使って非課税口座での運用をし続けられるのは、NISAの大きなメリットと言えるでしょう。

また、NISAはつみたてNISAよりも、商品選択の幅が広いのが特徴です。つみたてNISAとは異なり、投資信託やETFだけでなく、個別銘柄での運用も可能となっています。

一般NISAのデメリット

デメリットとしては、非課税投資期間が5年間(ロールオーバーして10年)という短期間であることが何よりも留意されるべきこととなります。長期投資ではないので、よりシビアな運用が求められるとも言うことができます。

そして、商品の幅が広いというのは、ある意味デメリットと捉えることもできるでしょう。つみたてNISAのように金融庁が定める条件を満たしている、という制限がありませんので、色々な商品が混在しています。どの様な商品をどの様なタイミングで購入し、そして利益確定をするか、見極めるテクニックが求められることになるのです。

つみたてNISAのメリット

つみたてNISAについては長期・分散投資を目的とした金融庁の制度設計が如実に反映されており、非課税投資期間が20年と長くなっています。20年間コツコツと積立投資を続けていけば、市場が形成する波も平準化され、平均的に安定した利益を得られる可能性がとても高くなるはずです。

しかも、対象商品は長期・分散投資に適うべく金融庁の定める条件を満たしたものに限定されていますので、20年間の長期投資で積立を続けることさえできれば、自然と資産を形成できるでしょう。

つみたてNISAのデメリット

投資信託やETFの積立のみが対象となっており、株式の売買は含まれていませんので、個別銘柄で取引したい場合にはつみたてNISAは向いていません

一般NISAとつみたてNISAどっちがいい?

NISA,つみたてNISA
(画像=tamayura39/stock.adobe.com)

一般NISAに向いている人

一般NISAは、5年という期間で利益をあげられる自信のある方に向いているでしょう。そうした意味では、一般NISAの方が上級者向きであると言ってもよいかもしれません。個別銘柄で勝負をしたい、という人も、一般NISAに向いていることとなります。

あるいは、高配当株を保有し配当金を非課税で受け取り続けたい、という目的の方にも、一般NISAは向いているはずです。年間120万円の上限内であれば、購入した銘柄から受け取る配当金も全て非課税となりますので、配当金というインカムゲインも大きなものとなります。

つみたてNISAに向いている人

長い時間をかけてじっくりコツコツと資産を形成していきたい、という考えの方は、つみたてNISAに向いている人です。

投資の経験や知識がまだ浅く、運用していくことに自信が持てない人は、まずつみたてNISAで投資の経験を積んでいくことからスタートしていくのでも良いと思います。

つみたてNISAは積立投資ですので、一度積立の設定をしておけば、基本的に放っておいても運用は続いていきます。商品の選定や売買に時間や気を取られることなく運用をしていきたい人には、つみたてNISAが向いているでしょう。

また、そもそも月々に投資に回せるお金が限られているという人であれば、無理をせずにつみたてNISAの非課税枠内で少額から積み立てていく方が、精神的な安心感も得られやすいかと思います。

特徴を把握し自分に合った選択を

以上で述べてきたように、一般NISAもつみたてNISAもそれぞれメリット・デメリットがありますが、同じ年に重複利用することはできない仕組みですので、それぞれの特徴を把握しながら自分に合った選択をしていくことが必要となります。

なお、一般NISAは2023年までの時限制度であり(2024年から2028年までは「新NISA」というものが利用できる)、つみたてNISAのほうは2042年まで購入できる予定となっています。

非課税枠を最大限に使いきるという意味では、制度が終了するまで一般NISA(あるいは新NISA)を使いつつ、制度終了後はつみたてNISAを使う、という手法も考えられそうです。

佐々木達憲様_プロフィール画像.jpg

佐々木 達憲(ささき・たつのり)

弁護士、AFP、相続診断士 早稲田大学法学部卒。立命館大学法科大学院卒。交通事故、相続・事業承継、米国株投資のアドバイス・セミナーを主要対応分野とし、弁護士だけでなくFPとしても活動。法的問題だけでなく、資産運用等やお金に関する実践的知識についても顧客へアドバイスを提供。主要対応地域として、京都を中心とした近畿地方に加え、沖縄のスタートアップ企業支援も数多く手掛けている。

(提供:UpU

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