クレジットカードや電子マネー、スマホ決済などのキャッシュレス化が推進される中にあって、現金主義を貫いている人もいます。キャッシュレスは、金銭面や手間の面でメリットが大きい決済手段ですがなぜ使わない人がいるのでしょうか。

今回は、キャッシュレスを使わない人の特徴からリテラシーを高めることの重要性について解説します。

キャッシュレスを利用しない人の金融リテラシーは低い?

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(画像=PIXTA)

楽天インサイト株式会社は、2020年6月に全国の20~60代の男女1,000人を対象に「キャッシュレスに関する調査」を実施しました。調査の内容は、最も利用することが多い決済手段とその理由です。最も利用することが多い決済手段に、「現金」を選択した人に理由を尋ねたところ以下の結果となりました。

・現金を使い慣れているから:66.7%、
・現金だとお金の管理がしやすいから:46.4%、
・現金以外の決済手段だとお金を使いすぎてしまうから:35.1%
出典 :楽天インサイト株式会社「キャッシュレス決済に関する調査」

キャッシュレス決済は、現金のように釣り銭の受け渡しがなく「ネットで明細を簡単に確認できる」、「ポイント還元の恩恵を受けられる」などのメリットがあります。このようにメリットが多い決済方法にもかかわらず、単に「現金が使い慣れているから」「お金の管理がしやすいから」という理由だけでキャッシュレスを利用しない人がいるのです。

続いて2019年に金融広報中央委員会が行った「金融リテラシー調 査」を確認すると興味深いことがわかります。金融リテラシー調査の対象者は、全国18~79歳の2万5,000人です。キャッシュレス決済を使う予定がない人物とすでに使っている人物に対して金融知識の正誤問題を出したところ以下の結果となりました。

・「現金で十分満足しており他の決済手段(キャッシュレス決済)を使う考えは全くない」を選択した人の正答率は42.6%(誤答率は15.8%)、「わからない」を選択した人の割合は41.6%
・キャッシュレス決済を活用している人の正答率は61.3%(誤答率は18.0%)、「わからない」を選択した割合は20.8%

このように現金しか使わない人よりもキャッシュレス決済を活用している人のほうが金融リテラシーとしては高い傾向にあることがわかっています。

リテラシーが低い人ほどポイントやキャッシュバックの恩恵を受けられない

金融リテラシーが低くキャッシュレスを利用しない人は、ポイント還元やキャッシュバックなどの恩恵を受けることができません。例えば還元率1%のクレジットカードで生活費15万円を決済した場合、1ヵ月あたり1,500ポイント、1年で1万8,000ポイントが貯まります。30年という長期間に換算するとなんと貯まるポイント数は54万ポイントです。

1ポイント1円で現金に交換できれば資産に54万円の差が生まれるでしょう。またポイントをそのまま投資信託に利用できるキャッシュレス決済手段を選べば54万円もの元金を一切の負担なく運用できます。さらに所持しているだけで空港ラウンジやコンシェルジュサービス 、医療従事者への健康相談を利用できるクレジットカードもあります。

このようにキャッシュレスは、生活を豊かにする決済手段の一つです。また金融リテラシーは、人生100年時代といわれる現代において必須といえる知識でしょう。公的年金だけでは安心した老後生活を送ることができないと言われる現代においては、できるだけ早く金融リテラシーを身につけて資産形成を意識する必要があるでしょう。

健康と金融二つのリテラシー向上を

金融リテラシーを高めることで家計管理や将来設計、資産形成などの能力が高まります。ただしそれだけでは資産を守ることはできません。どれだけ順調に資産形成していても健康状態に問題があれば医療費の負担が大きくなり資産形成のペースが落ちてしまいます。

また、「仕事でパフォーマンスを発揮できない」、「勤務日数や勤務時間を減らさざるを得ない」というように健康状態がすぐれないとさまざまな弊害が出てきます。その結果、資産形成のスピードが遅くなるだけではなく医療費による余計な負担が増加します。金融リテラシーと健康リテラシーは一緒に向上させることが必要なのです。

健康リテラシー向上の第一歩として始めたいのが生活習慣の改善です。不規則な生活や過度なストレスは、生活習慣病やがんなどのリスクを高めます。また重大な病気の早期発見・早期治療は、結果的に医療費の削減につながります。定期健診で病気を早期発見できれば短い治療期間と少ない医療費で完治・寛解できる可能性が高まるでしょう。まずは、規則正しい生活や定期健診を習慣づけましょう。

金融と健康、どちらのリテラシーも十分でなければ、自身の生活に負の影響を与える可能性がたかくなってしまいます。自分の金融および健康リテラシーに疑問を感じたときは、「健康面の場合は医師」「金融面の場合はファイナンシャルプランナー」などへ相談することが大切です。自分よりも知識がある専門家から詳しい情報を得ることでそれぞれのリテラシーを高めることができるでしょう。