がんは死亡原因トップ の恐ろしい病気です。また、治療期間や治療費を予測しにくく、経済的なダメージも大きい病として知られています。この記事では、経済的な側面からがんのリスクを解説し、予防のための対策も紹介します。

がんによる労働損失は年間1兆円以上

がん,経済的損失
(画像=PIXTA)

がん(悪性腫瘍/悪性新生物)は、遺伝子変異によって細胞が無制限に増殖し続ける状態を指します。がん細胞は、血液やリンパ液を通して身体中に転移し、正常な組織に侵入し、どんどん進行していきます。そして、がん細胞によって組織が正常な働きができなくなり、身体が衰弱していきます。

がんは死に至るリスクの高い病気であると同時に、誰もがなる可能性のある身近な病気でもあります。現在、日本人の2人に1人は一生のうちに何らかのがんになるといわれています。がんはドラマや映画などでもよく取り上げられるため、治療が苦しいというイメージを持つ人も多いでしょう。同時に、がんは経済的にも深刻な影響を及ぼす病気でもあるのです。

経済産業省の「予防・健康づくりの意義と課題(2019年)」 によると、がんによる労働損失は、年間で1.1兆円を超えると推定されています。この結果から、社会的に深刻な影響があるというだけでなく、家計にも大きな負担をもたらしていると予測できます。

がんになった場合、治療費はかさむ

がんになると、さまざまなお金がかかります。まず、代表的な治療費は下記の通りです。

・診察費用
・検査費用
・手術費用
・入院費用
・薬代

また、治療費以外にも、下記のようなお金がかかると考えられます。

・通院のための交通費、ガソリン代
・付き添う家族の交通費、ガソリン代
・入院時の生活用品代、食事代
・個室を選択した場合の差額ベッド代

がんは入院や手術を経ても、すぐには完治しない病気です。さまざまな検査をし、いくつかの治療法を試しながら、少しずつ治療していくことになります。そして、手術後・退院後も、通院しながら経過を見ていかなければなりません。転移が見つかれば、再度治療が必要になります。がんとの闘いは長期間に及ぶことも多く、その場合、経済的な負担もどんどん増していきます。

さらに、がんの治療によって仕事が制限されれば、昇給やボーナスに影響が出る可能性もあります。治療のため仕事を休まざるを得なくなり、収入が減ってしまうというケースも少なくありません。共働きであれば、付き添いや入院手続きなどで、配偶者の仕事も制限され、収入が減る可能性もあります。

収入が減少した状況で、いつ終わるともしれない闘病生活を送りながら、治療費を支払い続けるのは、経済的にも精神的にも大きな負担だと考えられます。

社会のためにも個人のためにも予防が不可欠

がんは社会にも個人の人生にも大きな影響を及ぼします。そのため、がんの予防に役立つ統計データをみていきましょう。

国立がん研究センターは、日本人におけるがんの要因を公表しています。男女別のがんの原因は、下記の通りです。

<男性>
喫煙29.7%
感染22.8%
飲酒9%

<女性>
感染17.5%
喫煙5%
飲酒2.5%

男女とも、がんの原因として多いのは、喫煙・感染・飲酒でした。

感染とは、B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスによる肝臓がんやヒトパピローマウイルスによる子宮頸がんなどです。肝炎ウイルスの検査を受けたり、子宮頸がんの健診を受けたりして、予防・早期発見に努める必要があるでしょう。

がんを予防する5つの健康習慣

最後に、がんを予防する方法を解説していきます。

国立がん研究センターは、がんになるリスクを下げる方法として、5つの健康習慣を推奨しています。5つの健康習慣を実践すれば、がんリスクはほぼ半減するともいわれています。

1.禁煙

たばこは肺がん・食道がん・すい臓がん・胃がん・大腸がん・膀胱がん・乳がんなど多くのがんとの関連が示されています。たばこを吸うと、がんになるリスクが約1.5倍高まるという結果を示す研究もあります。また、受動喫煙もがんのリスクを高めるため、注意が必要です。

2.節酒

飲酒は食道がん・大腸がんと強い関連があることがわかっています。特に男性を対象とした研究で、過度な飲酒ががんのリスクを40~60%程度高めるといわれています。また、女性の方が少しの飲酒でもがんになるリスクが高まる可能性があるとする報告もあります。

3.食生活

「塩分のとりすぎ」「野菜・果物を食べない」「熱すぎる食べ物・飲み物」ががんの原因になると明らかにされています。塩分は控えめにし、野菜を意識的に摂りましょう。果物は1日1個を目安にしてください。また、少し冷ましてから食べることも大切です。

4.身体活動

身体活動量が多いと、がんのリスクが下がるという報告があります。毎日ウォーキングをしたり、休日にスポーツをするなど、できるだけ運動をしましょう。

厚生労働省は、18~64歳の人の運動量について「歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分行うこと」と「息がはずみ、汗をかく程度の運動を毎週60分程度行うこと」を推奨しています。

5.適正体重の維持

太りすぎ・やせすぎはどちらもがんによる死亡リスクを高めます。男性はBMI21~27、女性は21~25が目安とされています。

がんのリスクを低減するために

がんを完全に予防することはできませんが、生活習慣の見直しによって、がんのリスクを低減することは可能です。生活習慣を見直すことは、がん以外に、生活習慣病や心疾患を予防することにもつながります。

仕事の充実も、人生の幸福も、健康あってこそです。取り組みやすいことから、健康習慣を少しでも取り入れてみましょう。

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