銀行の預金金利もほとんどつかない昨今、資産運用に興味を持つ人が増えています。ただ、興味はあっても具体的に何をどうやって始めればいいのかわからないという方、初心者でこれからどうやって取り組んでいけばいいのかと悩んでいる方も少なくありません。そんな疑問を解決できるよう、資産運用の基礎について解説します。

目次

  1. そもそも資産運用とは
    1. 資産運用の意味・概要
    2. 資産運用のメリット
    3. 資産運用をするときの注意点
  2. 投資にはどんな種類がある?
    1. 資産運用の種類1:定期預金
    2. 資産運用の種類2:外貨預金
    3. 資産運用の種類3:株式
    4. 資産運用の種類4:債券
    5. 資産運用の種類5:投資信託
    6. 資産運用の種類6:保険
    7. 資産運用の種類7:不動産
    8. 資産運用の種類8:金
    9. 資産運用の種類9:FX
    10. 資産運用の種類10:暗号資産
  3. 初心者にはどんな投資が向いている?
    1. 初心者には少額からコツコツ取り組めるものがおすすめ
    2. 初心者でも取り組みやすい資産運用の具体例
  4. 資産運用を始めるには、まず何をすればいい?
    1. 資産運用の手順1:家計を整理して投資に回せる金額(余裕資金)の目途をつける
    2. 資産運用の手順2:どんな投資に取り組みたいか考える
    3. 資産運用の手順3:それを取り扱っている金融機関を選ぶ
    4. 資産運用の手順4:手続きする
  5. 資産運用を成功させるコツ
    1. 資産運用を成功させるコツ1:長期的な視点で取り組む
    2. 資産運用を成功させるコツ2:リスクを抑えて大失敗を避ける
    3. 資産運用を成功させるコツ3:NISAやiDeCoも知っておこう
  6. まとめ:自分に合った投資先を見つけて、資産運用に挑戦しよう

そもそも資産運用とは

初心者でも取り組みやすい資産運用とは?始め方やコツも紹介
(画像=Paylessimages/stock.adobe.com)

最初に、資産運用の意味やメリット、注意点について整理しておきましょう。

資産運用の意味・概要

資産運用とは、自分の資産をどこにどんなふうに置いておくか、自分の希望に合わせて配置や配分を考えて実行することです。自分が持っている資産をうまく運用できれば、効率よくお金を増やすことができます。

資産運用に取り組むというと、数百万、数千万単位のお金を金融商品の購入に充てて、運次第でお金が増えるギャンブルのようなイメージを持っている人もいるかもしれません。

しかし実際は、数百円程度の少額からでもできますし、たとえば銀行の普通預金に預けているお金を定期預金に移動させるだけでも資産運用を実行しているといえます。つまり、多くの人は少なからず資産を運用しているのです。

資産運用のメリット

資産運用のメリットは、手元にある財産をそのまま放置しておくよりも効率よく増やすことができる点にあります。以下のグラフは、運用したときのお金の増え方を表したものです。

▽毎月5万円ずつ積み立てたときのお金の増え方

初心者でも取り組みやすい資産運用とは?始め方やコツも紹介

※手数料や税金は考慮しないものとする

元手資金が同じでも、運用しているか、していないか、どれだけ高い利回りで運用できたかによって、最終的に得られる金額が大きく変わってきます。

運用で増えた利益をさらに運用に回してより増やす、という繰り返しでどんどんお金が増えていく状態(複利の効果を得られる状態)になるため、運用する期間が長ければ長いほど、資産額や増え方の差が顕著になっていきます。

資産運用をするときの注意点

資産運用をするときに必ず知っておきたいのが、「リスク」についてです。運用がうまくいけば、先述のとおり効率よくお金を増やすことも可能です。ただ、高いリターン(利益)を求めようとするほどリスク(不確実性)も高くなります。

「大きく増える可能性もあれば、大きく減る可能性もある」状態を「リスクが高い(ハイリスク)」と表現します。リスクを抑えようとすれば、見込めるリターンは少なくなります。ローリスク×ローリターン、ハイリスク×ハイリターンが投資の基本です。

ちなみに、「ローリスク×ハイリターン」のようなうまい話はありませんし、そういう話を聞いたとしても詐欺まがいのものかもしれません。また、「ハイリスク×ローリターン」は取り組む価値がありませんので、それぞれ手を出さないようにしましょう。どれくらいのリスクとリターンで運用したいか考え、それに合った運用商品を選ぶことが大切です。具体的な運用商品については後述します。

投資にはどんな種類がある?

お金を増やすために運用していく場合、どんな方法があるのでしょうか。ここからは、資産運用の中心的な方法である投資の種類について具体的に見ていきましょう。

資産運用の種類1:定期預金

始めやすさ&続けやすさ:★★★
リスク&リターン:★☆☆

定期預金は、あらかじめ決められた期間お金を預けておくことで、普通預金よりも高い金利でお金が増える銀行のサービスです。身近で気軽に始められ、元本割れ(投資前よりお金が減る状態)がないため、「投資」「資産運用」といった認識がなくても自然と利用している方も多いのではないでしょうか。ただ、リスクが低い分、望めるリターンもわずかです。

資産運用の種類2:外貨預金

始めやすさ、続けやすさ:★★☆
リスク&リターン:★★☆

同じく銀行で取り組めるのが外貨預金です。日本円ではなく、米ドルやユーロ、新興国の通貨などで預金をします。預金金利は通貨ごとに違いますが、基本的に日本円より高く設定されています。お金を引き出すときに、預けた時より円安になっていれば「為替差益」が発生しプラスになります。ただし、円高になっていれば「為替差損」が発生しますので要注意です。

資産運用の種類3:株式

始めやすさ、続けやすさ:★★☆
リスク&リターン:★★☆

株式(株)とは、企業が資金調達のために発行するものです。株を購入すると、その企業に出資したことになり、株主総会での議決に参加できるなど、オーナーとしての権利を得られます。安く買った株を株価が上がったときに売却すれば利益を得られるほか、株を保有し続けることで配当金や株主優待がもらえます。

資産運用の種類4:債券

始めやすさ、続けやすさ:★★☆
リスク&リターン:★☆☆

債券も、株と同じように資金調達のために発行されるものです。企業だけでなく国、地方自治体なども発行しています。債券を購入することは、その発行団体にお金を貸しているのと同じことです。債券を保有している間は一定の利息が支払われ、満期を迎えると元本が全額戻ってきます。国が発行する「個人向け国債」は銀行でも購入でき、元本割れもないため定期預金感覚で取り組む人もいます。

資産運用の種類5:投資信託

始めやすさ、続けやすさ:★★☆
リスク&リターン:★★☆

投資信託とは、数多くの投資家から集めた資金を1ヵ所にまとめ、それを運用のプロが株式や債券などさまざまな投資先に分散して運用してくれるサービスです。月100円程度の資金でも始めることができ、自分で投資先を選ばなくてもプロが見繕って配分してくれるため、初心者にも人気です。

資産運用の種類6:保険

始めやすさ、続けやすさ:★★★
リスク&リターン:★☆☆

保険は本来「万が一の備え」として利用するものですが、終身保険、学資保険、個人年金保険などいわゆる「貯蓄型」と呼ばれるタイプの保険は、資産運用の一環としても利用されます。支払った保険料に対してお金がいくら戻ってくるのかは「返戻率」を見ればわかります。外貨建て保険や変額保険などリスクを取って積極的に運用する保険もあります。

資産運用の種類7:不動産

始めやすさ、続けやすさ:★☆☆
リスク&リターン:★★☆

マンション、戸建て、ビルなど不動産を購入し、それを貸し出すことで賃貸収入を得られるのが不動産投資です。不動産価格が上昇したときに売却することで「値上がり益」を得られる場合もあります。少なくとも数百万円、数千万円から億単位の資金が必要になることもあり、気軽に始められる投資といえません。銀行でローンを組んで取り組む人もいます。

資産運用の種類8:金

始めやすさ、続けやすさ:★★☆
リスク&リターン:★☆☆

金・銀・プラチナなど貴金属は、不動産とともに「実物資産」と呼ばれます。実物資産は、その価格は日々刻々と変わっていきますが、株式などのように価格がゼロになってしまうことはないため、有事の際に特に人気が上がる傾向があります。

資産運用の種類9:FX

始めやすさ、続けやすさ:★★☆
リスク&リターン:★★★

FXは「外国為替証拠金取引」の略称です。異なる通貨に両替するときの為替レートの値動きを利用して利益を出します。最大の特徴は「レバレッジ」です。たとえば資金10万円で200万円分の取引をするなど、元手の何倍ものお金を動かせます。ハイリスク・ハイリターンな投資といえるでしょう。

資産運用の種類10:暗号資産

始めやすさ、続けやすさ:★★☆
リスク&リターン:★★★

ビットコイン、イーサリアム、ネムなどいわゆる「仮想通貨」にも投資できます。これらは通貨のようにインターネット上で取引に利用できますが、国が発行する通貨や企業が発行する電子マネーと違って発行主体や管理者が存在しません。価格が常に変動し、その差を利用して利益を出します。値動きが激しいこともあり、ハイリスクに分類されます。

初心者にはどんな投資が向いている?

数ある投資先のなかからどれを選べばいいのか、迷ってしまうかもしれません。特に初心者に向いている投資と押さえておきたいポイントについて解説します。

初心者には少額からコツコツ取り組めるものがおすすめ

少ない金額からコツコツと取り組んでいける投資なら、初心者でも始めやすいでしょう。1つの商品に一度に大金を投入するより、小さな金額でいくつもの商品に複数回に分けて投資した方がリスクを抑えることにもつながります。

はじめのうちは特に、リスクを取って大きく増やそうとするよりも、大きな失敗を避けながら回数をこなして慣れていくのがおすすめです。大きなチャレンジをするのは最初ではなく、勝手がわかってきた、元手資金が増えてきた、もっと幅広い投資に挑戦してみたくなったという段階からにしましょう。

初心者でも取り組みやすい資産運用の具体例

次のような投資は、初心者でも特に取り組みやすいでしょう。

  • 少額からプロに任せて分散投資を実践……投資信託
  • 株式投資に挑戦したいけどまだ不安がある方に……ミニ株(単元未満株)
  • リスクを避けて着実に取り組みたい方に……個人向け国債

資産運用を始めるには、まず何をすればいい?

資産運用を始めるためには、次の4つの手順を踏みます。

手順1:家計を整理して投資に回せる金額(余裕資金)の目途をつける
手順2:どんな投資に取り組みたいか考える
手順3:それを取り扱っている金融機関を選ぶ
手順4:手続きする

資産運用の手順1:家計を整理して投資に回せる金額(余裕資金)の目途をつける

投資は、基本的に元手資金が多い方が効率よくお金を増やせますが、なくなっても生活に困らないくらいのお金(余裕資金)で取り組むのが基本です。元本保証がなくお金が減ってしまう可能性があるものに投資するときは特に意識しておきたいところです。

自分の貯金額を把握して、日々の生活費に充てる分、直近5年程度で使う予定がある分、病気や冠婚葬祭など臨時の出費に備える分を差し引いた分を余裕資金と考え、いくら用意できるか計算してみましょう。

資産運用の手順2:どんな投資に取り組みたいか考える

元手資金をいくら用意できるか、いつまでにいくら増やしたいか、どれくらいのリスクなら許容できるかなどによって選ぶべき投資が変わってきます。自分の考え方に合った投資を選びましょう。

資産運用の手順3:それを取り扱っている金融機関を選ぶ

定期預金や国債などは銀行、株式や投資信託などは証券会社、保険は保険会社など、投資先によって扱っている金融機関が違います。また、同じ「銀行」というカテゴリーでも、銀行ごとに金利や手数料やサービス内容などが違います。手順2で考えた、自分が目指す投資を実現しやすい金融機関を見つけましょう。

資産運用の手順4:手続きする

投資先や金融機関が決まったら、実際に投資するための手続きをします。口座開設、運用商品の購入、契約などの手続きがありますが、今はその多くが金融機関のホームページなどを通じてインターネットで済ませられるようになっています。

資産運用を成功させるコツ

最後に、資産運用を成功させるコツを紹介します。

資産運用を成功させるコツ1:長期的な視点で取り組む

資産運用に取り組んだからといって、一朝一夕でお金が増えるわけではありません。お金が急激に増える可能性がある投資は、お金を急激に失う可能性もある投資ですので、初心者にはおすすめできません。

すぐに結果を求めるのではなく、年単位、ときには数十年単位など長い目で見て取り組みましょう。先述のとおり、運用できる期間が長いほどお金が増えやすくなります。

長期的な視点を持っていると、日々の値動きに一喜一憂しにくくなるのもメリットです。一喜一憂が過ぎると、それが気になって仕事に集中しにくくなったり、投資中に「○○ショック」のような暴落のタイミングがあったとき、焦って高値で買ったり安値で売ったりして損失を出しやすくなります。

資産運用を成功させるコツ2:リスクを抑えて大失敗を避ける

再起不能なくらい大きな失敗をしてしまうと、それ以上の投資ができなくなりマイナスが確定してしまいます。最初のうちは特に「大きく勝つ」より「負けない」ようにすることで、投資を長く続けることができ、一時的に多少マイナスになっても挽回するチャンスが生まれます。

リスクを抑えるには、「分散投資」が有効です。たとえば、1社の株だけでなく複数社の株を購入する、製造業の株だけでなく小売業や金融業など他業種の株も買う、株だけでなく債券にも投資する、など投資対象を集中させないことです。

投資対象だけではなく、投資のタイミングも1回ではなく複数回に分散させるのがおすすめです。毎回決まった間隔で決まった金額ずつ投資していく「積立投資」は、一度設定しておくだけでこの分散が自動的に実践でき、元手資金が少ない方や初心者でも取り組みやすいためおすすめです。

資産運用を成功させるコツ3:NISAやiDeCoも知っておこう

これから資産運用を始めてみたいという方は、ぜひNISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)といった税制優遇制度についても知っておきましょう。これらの制度を利用すれば、投資で得た利益にかかる税金を通常の「20.315%」から「非課税」にすることができます。

NISA、つみたてNISA、iDeCo、それぞれ特徴があります。自分が取り組む投資に利用できそうか事前にチェックしておくとよいでしょう。

▽NISA、つみたてNISA、iDeCoの違い

  NISA つみたてNISA iDeCo
税制優遇 投資の運用益が非課税 投資の運用益が非課税 ・投資の運用益が非課税
・掛金の全額が所得控除
・受け取り時も控除あり
非課税金額 年間120万円 年間40万円 月額1万2,000円~
6万8,000円
(職業などによる)
非課税期間 最長5年間 最長20年間 60歳まで
投資できる銘柄 株式投資信託、国内外の上場株式・ETF・REIT(不動産投資信託)、ETN(上場投資証券)、新株予約権付社債(ワラント債) 金融庁が「長期・積立・分散投資」に適していると認めた投資信託・ETF 定期預金や保険などの元本保証商品、投資信託(1金融機関あたり数本~40本程度)
お金の引き出し いつでも可能 いつでも可能 原則60歳まで不可

まとめ:自分に合った投資先を見つけて、資産運用に挑戦しよう

資産運用にはハイリスク×ハイリターンなもの、ローリスク×ローリターンなもの、多額の元手資金が必要なもの、税制優遇制度が適用できるものなど、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を見極め、自分に合った方法を選びましょう。

文・馬場愛梨

(提供:ANA Financial Journal

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