転職を通じてキャリアアップや年収アップを目指す人は少なくない。ただ住宅の購入を検討している人は、転職のタイミングに要注意だ。というのも、転職したばかりだと住宅ローンの審査にマイナスの影響を及ぼすことが多く、審査落ちとなるケースも多いからだ。

今回は、住宅ローンで審査落ちとならないために知っておきたいポイントを解説する。

目次

  1. 住宅ローンの審査の流れと審査項目
  2. 「勤続3年以上」を最低基準にしている金融機関も
  3. 虚偽の申告は厳禁、大きく信用を落とす結果に
  4. 住宅ローン希望者は転職のタイミングを慎重に見極めよう

住宅ローンの審査の流れと審査項目

住宅ローン,審査落ち
(画像=kinako/stock.adobe.com)

住宅ローンは大きく「事前審査」と「本審査」に分かれる。標準的な流れとしては、金融機関などに住宅ローンの事前申し込みをした後事前審査が行われ、事前審査を通過すれば正式申し込み、本審査、住宅ローン契約、借り入れと手続きが進んでいく。

では、こうした審査で金融機関側の担当者はどのような項目をチェックしているのだろうか。国土交通省住宅局が2020年3月に発表した「令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査・結果報告書」によれば、主に以下のような審査項目がある。

・借入時年齢
・完済時年齢
・健康状態
・担保評価
・年収
・勤続年数
・雇用形態
・業種
・雇用先の規模
・所有資産
・連帯保証
・返済負担率
・カードローン等の他の債務の状況や返済履歴
・家族構成

冒頭、転職したばかりだと住宅ローンの審査でマイナス要因となることに触れたが、その理由は、審査項目の中に「勤続年数」があるからだ。通常、勤続年数が長いほど評価はプラスとなり、逆に短ければ評価はマイナスとなる。

中には、住宅ローンの審査で勤続年数を考慮しない金融機関もあるが、この調査では調査対象機関の実に95.6%が勤続年数を考慮するとしている。つまり、住宅ローンの審査においては勤続年数に関する審査は避けて通れないものと思っておいた方がいい。

「勤続3年以上」を最低基準にしている金融機関も

前述の通り、勤続年数に関する審査はほとんどのケースで行われる。審査項目は勤続年数以外にも多岐にわたるため、「たとえ勤続年数が短くても、他の評価が高ければ大丈夫なのでは」と考える人もいるだろう。

しかし、金融機関によっては勤続年数の最低基準を設けており、その基準を超えなければ他の審査項目で評価が高かったとしても、審査落ちとなるケースが多い。

先ほど紹介した国土交通省住宅局による調査では、勤続年数の基準についても調査対象機関に対して質問しており、「3年以上」が234件(構成比20.5%)、「2年以上」が54件(構成比4.7%)、「1年以上」が701件(構成比61.5%)という結果となっている。

つまり金融機関などによっては、今所属している企業で1~3年以上の勤務実績がなければ、そもそも住宅ローンの対象外となるケースもあるわけだ。

虚偽の申告は厳禁、大きく信用を落とす結果に

住宅ローンの審査で勤続年数がネックになるからと、転職したことを隠してローン申し込みをする人もいるが、これは厳禁だ。申し込みを受けた金融機関側は、申込者本人が申告した勤務先で本当に働いているのか、電話などで在籍確認を行うからだ。

結果として虚偽の申告であることが発覚した場合、その人の信用は大きく落ちることになり、審査そのものが中止となるケースが多い。また、期間をあけて住宅ローンを再度申し込んだときも、審査がより厳しくなることは避けられない。

当たり前のことではあるが、住宅ローンを申し込む際はその時点の本当の現状を書くようにしよう。

住宅ローン希望者は転職のタイミングを慎重に見極めよう

ここまで、安易な転職で住宅ローンの審査を通過できなくなるケースを紹介してきた。

仮に子育てなどで一戸建ての住宅を購入したくても、転職時期と住宅ローンの申し込み時期によっては審査落ちとなる。ライフステージに合わせた住まいの計画をストップさせないためにも、キャリアアップや年収アップのための転職だとしても、慎重にタイミングを見極めたいところだ。