執筆者:高野具子
※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途HP等でご確認ください。

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(画像=taka/stock.adobe.com)

老後の生活のために今から備えたい!という人にぴったりの個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」。いろいろ調べて魅力的なのはわかったけれど、具体的にどうやって始めたらいいかわからないという人も多いでしょう。この記事では、加入までのステップをわかりやすく説明します。ステップごとに、ポイントも解説しているのであわせてチェックしてみてくださいね。

目次

  1. ステップ1. まずはiDeCoに加入できるかチェック
  2. ステップ2. 掛金の上限はいくらか?老後までにどれくらい準備できる?
    1. いくら積立ができるか?シミュレーションしましょう
  3. ステップ3. 金融機関を選ぼう
    1. ポイント1 毎月の口座管理手数料の違い
    2. ポイント2 サポート体制はどうか?
    3. ポイント3 商品のラインナップはどうか?自分に見合うものはあるか?
  4. ステップ4. 商品を選ぼう
  5. iDeCoに加入する際の手順と準備しておくこと
    1. iDeCo口座開設と加入手続き
    2. iDeCo口座開設前に準備、確認しておくこと
  6. 企業型DCから移換する場合はこちらもチェック!
    1. 企業型DCで積み立ててきた資産を新たに開設するiDeCoに移す
    2. 企業型DCから移換した分はiDeCo口座で運用
    3. 手続きは6ヵ月以内に!3つのデメリット
  7. iDeCoで効率的に資産運用をはじめよう!

ステップ1. まずはiDeCoに加入できるかチェック

iDeCo,商品
(画像=kapinon/stock.adobe.com)

iDeCoは「個人型」の確定拠出年金(DC)の愛称です。以前は、“自営業などの第1号被保険者”と“企業内に年金制度のない会社員”に加入が限定されていましたが、2017年1月より公務員や専業主婦のなども含め、ほぼすべての現役世代が加入できます。

加入義務のある「公的年金」に対し、iDeCoは任意加入で「私的年金」あるいは「じぶん年金」とも呼ばれています。

先ほど、“ほぼすべての現役世代が加入できる”と述べましたが、次の場合はiDeCoに加入できません

  • 国民年金を免除もしくは猶予されている、あるいは払っていない
     ※障害基礎年金を受給中はiDeCoに加入できます
  • 住民票が日本国内にない
  • 農業者年金の加入者
  • 企業型確定拠出年金に加入しており、会社の規約でiDeCoに加入できない
  • 国民年金基金を上限額まで掛けている
     ※自営業者が加入する国民年金基金の掛金の上限額は、iDeCoと合計し月6万8,000円までです

自分がiDeCoに加入できるかどうかは、iDeCo公式サイトの診断で簡単に確認できますのでぜひ利用してみてください。

ステップ2. 掛金の上限はいくらか?老後までにどれくらい準備できる?

iDeCo,商品
(画像=UpU編集部)

iDeCoは加入者ごとに、掛金の上限があります。掛金の上限は主に6パターンに分けられます。また掛金の最低金額は一律5,000円で、1,000円単位で自由に決められます。

いくら積立ができるか?シミュレーションしましょう

自営業の人、会社員、主婦の3パターンでシミュレーションし、積立額のイメージを見ていきましょう。
※シミュレーションは、筆者が大手都市銀行(複数)のシミュレーションツールを利用した場合の一例です(概算額のため、実際の金額とは異なる場合があります)。

【フリーランスAさんの場合】
自営業で月額6万8,000円の上限で、30年間積立し、運用利回りが3%だった場合
⇒元本2,448万円に対し、運用益は 1,487万〜1,514.6万円*、運用成果は約3,900万円

【企業型DCに加入していない会社員Bさんの場合】
会社員で月額2万3,000円の上限で、30年間積立し、運用利回りが3%だった場合
⇒元本828万円に対し、運用益は503万〜512.3万円*、運用成果は約1,340万円

【専業主婦(扶養内)Cさんの場合】
主婦で月額5,000円の最小限で、30年間積立し、運用利回りが3%だった場合
⇒元本180万円に対し、運用益は110万〜111.4万円*、運用成果は約290万円

*シミュレーションツール(金融機関)によって運用益の算出結果が異なるため

月額いくらの掛金で、運用利回りが何%か想定し、何年積み立てるかを決めることで、運用益を計算できますので、いくつかのシミュレーションで試算してみてはいかがでしょうか。

ステップ3. 金融機関を選ぼう

iDeCo,商品
(画像=MemedÖZASLAN/stock.adobe.com)

ここまでiDeCoの加入資格、そして掛金はいくらまで設定できるのか確認してきました。いよいよiDeCo加入手続きのステップに進みます。金融機関(運営管理機関)の選択です。全国に160以上と非常に多くありますので、ここでは選ぶときのポイントを説明します。

ポイント1 毎月の口座管理手数料の違い

iDeCoは普通預金と異なり、口座管理手数料が毎月掛かります。金融機関により大きな差がありますので、手数料チェックは欠かせません。

ポイント2 サポート体制はどうか?

窓口で加入手続きをしたい場合、店舗で口座開設の受付をしているか確認しましょう。インターネットバンキングやネット金融機関の場合は、Webサイトやアプリが自分にとって使いやすい・見やすいものかどうか、電話での問い合わせの際は受付時間や対応はどうか確認しておくとよいでしょう。

ポイント3 商品のラインナップはどうか?自分に見合うものはあるか?

iDeCoは自分が選んだ金融機関の商品のラインアップから投資先を選びます。金融機関によって取り扱う商品数が異なり、元本を確保する商品が多いところや、株式を中心とした投資信託を多く取り扱うところなどさまざまです。商品選びについては次の章で説明します。

ステップ4. 商品を選ぼう

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(画像=peshkov/stock.adobe.com)

iDeCoで選べる金融商品は定期預金・保険・投資信託の3つです。どの商品を選択し、運用するかで将来受け取る金額が大きく変わる可能性があります。そのため商品選びは大変重要です。

また、iDeCoは原則60歳まで引き出しができません。これは長期で運用できる、と言い換えることができます。さらに運用益が非課税ですので、運用することで複利の効果が期待でき、より効率よく増やしていくことができます。

したがって、定期預金や保険のように利率が低い商品よりも、リターンが期待できる投資信託で長期運用していくといいでしょう

iDeCoに加入する際の手順と準備しておくこと

iDeCo,商品
(画像=hanack/stock.adobe.com)

ここからは、iDeCoに加入する手順や確認事項を解説します。次の人は、共通でこれらの準備をしておきましょう。

  • 初めてiDeCoに加入する場合
  • 企業型DCに加入していた人で、転職先に企業型DCがなくiDeCoに加入する場合(企業型DCからの移換と言います)

iDeCo口座開設と加入手続き

初めて加入する人も、企業型DCから移換する場合も同じく、最初にiDeCoの口座を作ります。

これは自分で金融機関に資料請求することが必要です。インターネットやコールセンターでも手続きが可能です。もし金融機関を決めきれていない場合は、複数にわたって資料請求してもいいでしょう。なお、口座開設手続き後、約2ヵ月で掛金の引き落としが始まります。

iDeCo口座開設前に準備、確認しておくこと

【基礎年金番号】
年金手帳に記載されています。毎年届くねんきん定期便には記載されていません。番号が不明な場合、勤務先、あるいは日本年金機構に問い合わせましょう。

【掛金の引き落とし方法を選択】
①給与天引き、②自分の指定した銀行口座から引き落としかを選択します。①の給与天引きは会社(移換の場合は転職後)によっては対応できないところもありますので、事前に確認しておきましょう。

【指定証明書の準備】
会社員の場合、「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」を会社(移換の場合は転職後)に提出し、記入と押印を依頼しましょう。この書類は、「現事業所で企業型DCがないこと」「自分がiDeCo加入できる」という証明書になります。総務や人事の担当者に申し出れば大丈夫です。

【運用商品と掛金の配分割合を決めておく】
掛金の配分割合とは、たとえば月2万3,000円を掛ける場合、A商品に60%(1万3,800円)残りをB商品に40%(9,200円)というように、どの商品にいくら掛けていくのかその割合を決めることです。

これが決まっていないと金融機関が定めた商品で、自動的に運用が開始してしまいます。本意ではない商品で指定されてしまう可能性がありますので、予め決めておくことが大切です。

企業型DCから移換する場合はこちらもチェック!

iDeCo,商品
(画像=naka/stock.adobe.com)

さらに、企業型DCから移換する人は次の手順が加えて必要です。

企業型DCで積み立ててきた資産を新たに開設するiDeCoに移す

「個人別管理資産移換依頼書」をiDeCoの金融機関に提出します(金融機関によってはネット上で提出可能です)。その際に、移換元(前の会社)で記録関連運営管理機関(自分の積立額が記録されるところ)の記入が必要となります。

また勤続年数が短い場合、規約により会社(転職前)に掛金を返還しなければならない場合がありますので、合わせて転職前の会社の総務や人事の担当者に確認しましょう。

企業型DCから移換した分はiDeCo口座で運用

企業型DCで積み立てた資産は、一旦現金としてiDeCoの口座に預けられますが、ここから運用を続けます。「移換時配分指定書」で商品と配分割合を決めます。たとえば200万円の資産があったら、A商品に30%(60万円)、B商品に70%(140万円)というように全部で100%になるよう指定します。

手続きは6ヵ月以内に!3つのデメリット

転職し企業型DCの加入資格を喪失したら、iDeCoへの移換を6ヵ月以内に行う必要があります。もし手続きしなかった場合、国民年金基金連合会に「自動移換」されますが、これには3つのデメリットがあります。

①手数料が掛かる
管理手数料が5,500円ほど掛かります。

特定運営管理機関への移換手数料 3,300円(以下すべて税込)
自動移換に関する事務手数料 1,048円
特定運営管理機関手数料(月次) 52円
特定運営管理機関からの移換手数料 1,100円

②運用できない
現金で預けられ、運用ができません。

③iDeCoの加入期間に算入されない
受取時の退職所得控除の期間が減るため、控除される金額も減る可能性があります。

もし移換手続きをしなかった場合でも、先にiDeCoの口座開設を6ヵ月以内に行った場合には、iDeCo口座に移してくれます。上記のような手数料は掛かりませんが、運用商品と配分を決めなければ、自動で商品が決まってしまいますので、しっかりと移換手続きしましょう。

iDeCoで効率的に資産運用をはじめよう!

iDeCoは2017年から始まった制度ですが、徐々に加入者も増え、取り扱う金融機関も増えてきました。今ではオンライン手続きで完結できるところもあり、加入しやすくなってきています。優遇された制度をフル活用し、豊かな老後が送れるようにしておきたいですね。

高野具子.jpg

高野 具子(たかの・ともこ)

My Money Coach代表
ファイナンシャル・プランナー
ウェディングから保険、そしてファイナンシャル・プランナー(FP)へと人生の節目と保険、お金のプランニングに従事。保険ショップ時代は1,000件の顧客をコンサルティング。独立開業後、とくにiDeCoの導入・保険の見直しを得意とする。「出会ったすべての働く女性の心と懐を豊かに!ともに歩むマネーコーチ」として日々活動中。

(提供:UpU

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