老後資金を準備するために設けられたiDeCo制度。2020年9月の加入者は3万7,000人で、加入者の合計は172万人を突破しました(2020年9月30日時点)。2022年の制度改正によって加入対象の範囲が広がる見込みで、ますます注目したい制度にリニューアルされます。今回は制度改正の具体的な変更点や、そのメリットについてお伝えいたします。

iDeCo制度のおさらい

老後資金,夫婦
(画像=tamayura39/stock.adobe.com)

iDeCo(イデコ)は「個人型確定拠出年金」の愛称で、公的年金に加えて一定額の掛金を積み立てて運用し(確定拠出)、60歳以降に受け取る年金制度のことです。加入できるのは、原則20歳から60歳までのすべての公的年金被保険者で、運営管理機関(銀行や証券会社)にて加入手続きを行います。

月々最低5,000円から決められた拠出限度額(職業等により異なる)までを積立てることができ、金額は自分で自由に設定できます。掛金は基本的には毎月払いですが、所定の手続きをすれば1年払いや半年払いなど、まとめて払うこともできるようになりました。

iDeCo,一括払い,月払い
(画像=著者作成)

積立てた資産は、60歳以降に一時金か年金(分割)、もしくは一時金と年金の併用で受取ります。受取る金額は自分で選択した運用商品の運用成果によって変わるので、自分の運用方針(安定性を重視、積極的に運用など)を決めた上で商品を選ぶことが大切です。

掛金の金額や運用商品は途中で変更できるので、結婚・転職などのライフプランの変化にも柔軟に対応できます。

iDeCoの最大のメリットは、3つの税制優遇があることでしょう。掛金の全額が所得控除になるため所得税や住民税が安くなり、運用期間中の運用益は非課税になり、受取時も公的年金等控除や退職所得控除が適用されるため、税負担軽減効果が高いといえます。

iDeCoはどう変わる?法改正の具体的な変更点

シニアの就労が拡大していることなどを受けてiDeCoの制度にも変化があり、2022年からiDeCo制度の拡充が予定されています。主な変更点は以下の3つです。

1、受取開始時期が75歳まで延長(2022年4月より)

現在は受給開始年齢が60~70歳となっており、遅くとも70歳までには受取を開始しなければなりません。これが改正によって75歳まで延長されたため、受給開始時期の選択の幅が増えました。

2、加入可能年齢が65歳未満までに拡大(2022年5月より)

これまでiDeCoの加入可能年齢は60歳未満でしたが、64歳まで加入できるようになります。ただし60歳以上の人は、国民年金の任意加入被保険者か厚生年金の被保険者に限られます。また、公的年金を65歳前に繰り上げ請求(65歳より前に年金を受給する)した場合は、受給資格を満たしていてもiDeCoに加入することはできません。

3、企業型の確定拠出年金と併用する場合の条件が緩和される(2022年10月より)

現在は、会社で企業型の確定拠出年金制度が導入されている場合は、規約によりiDeCoへの加入が認められないことがあります。改正後は、規約などの条件に関係なくiDeCoへ加入でき、掛金額は事業主掛金とiDeCo掛金の合計額が上限を超えなければ大丈夫です。ただし、企業型確定拠出年金で「マッチング拠出」(加入者が任意で掛金額を上乗せできる制度)をしている場合は、iDeCoには加入できません。

それ以外にも、今までiDeCoに加入できなかった海外居住者でも国民年金に任意加入すればiDeCoに加入できるようになったり、企業型確定拠出年金を導入していない中小企業の事業主がiDeCoに加入している従業員に対して掛金を拠出できる「マッチング拠出」の事業所の要件が緩和されたりするなど、今後も加入者が増えて広く普及していく制度となりそうです。

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(画像=著者作成)

5年間の期間延長の効果・メリットは?

掛金の拠出期間が「60歳まで」から「65歳まで」になったことで、メリットも5年分多く享受できるようになります。例えば毎月2万円を積立てている場合、老後資金の元本を120万円(=2万円×12ヵ月×5年)増やすことができ、3%の利率で運用できた場合は5年間で元利合計が129万円になります。

もちろん、積立て期間中の税制メリットもあります。所得税率5%、住民税率10%の合計15%が還付されるケースでは年間3万6,000円(毎月2万円×12ヵ月×15%)、5年で18万円分の税金がお得になります。

iDeCoの制度改正の最新情報を

iDeCoは制度改正によって、年齢制限などの条件が緩和・対象者が拡大されます。社会の変化に合わせて改正を重ねるiDeCoは、今後も注目していきたい制度です。iDeCoは老後資金をより長く効率よく準備できる制度になっているので、積極的に活用していきましょう。(提供:確定拠出年金スタートクラブ


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