老後資金への不安がある人は、非常に多いかもしれません。金融庁の諮問機関が発表した「老後2,000万円不足問題」に言われるまでもなく、「今のままでは老後破産するかもしれない」と不安を抱いている人もいるのではないでしょうか。所得の高低差を問わず老後資金に対する不安は大なり小なりあるものです。

そこで自助努力として取り組みたいのが資産運用による「じぶん年金づくり」です。配当などのインカム収入が期待できる金融資産を保有し、そのインカム収入を老後資金の足しにすれば生涯にわたる副収入を確保することが期待できます。これを実現する方法として注目を集めているのが米国株です。

米国株は、成長性の高さから運用先として検討する人がいますが、今回は米国株の中でも高配当銘柄を対象にじぶん年金づくりに役立てる方法を解説します。高所得層だけでなく、それ以外の人についても長期的に積み立てていくことで高い効果が得られるため、ぜひご検討ください。

「じぶん年金」のスペック

年4回の高配当をいかして高所得者の「じぶん年金」はこうして作る
(画像=guy2men/stock.adobe.com)

最初にじぶん年金について必要なスペックを定義しておきます。最も重要なのは「元本を取り崩すことなく半永久的に配当収入が入り続ける」「その金額が毎月〇万円など公的年金に上乗せできる金額」といったことです。老後を迎えた時点で運用元本が大きくなるほど「毎月〇万円」の金額は大きくなります。

また運用利回りが高ければさらに多くの金額を期待できるわけですが、この利回りをあまり欲張るとハイリスクな運用になってしまうでしょう。そのため運用利回りはあまり欲張らず3~5%程度あれば合格とします。これを実践する有名な方法の一つが「ダウの犬」です。米国ニューヨーク市場に上場されているダウ工業株30種の中から配当が高い銘柄を5~10程度選定します。

配当金を得ながら毎年その構成銘柄を配当の高さ順に入れ替える投資術のため、「配当狙い」という意味では今回提案するじぶん年金に近いものです。

なぜ、米国株なのか

株の配当収入でじぶん年金を構築するのであれば、日本株にも高配当銘柄があるのではないかと感じている人もいるでしょう。なぜ米国株なのでしょうか。日本にももちろん高配当銘柄はありますが、それは米国の比ではありません。米国には、連続増配銘柄といって数十年という長期間にわたって配当を増やし続けている銘柄がたくさんあります。

例えば上位には「アメリカン・ステイツ・ウォーター」「ドーバー」「ノースウエスト・ナチュラル・ガス」など60年以上増配を続けている銘柄もあるのです(2019年10月時点)。一方、日本の最長増配銘柄「花王<4452>」は2020年12月期決算で31年連続増配となっています。単純比較でも米国には倍以上の増配銘柄がたくさんあることが分かるのではないでしょうか。

米国企業には「利益が出たら株主に還元するべき」という配当性向が強い傾向があるため、株主もそれを期待している風土があります。そのため利益の割に配当が少ない場合は、株主から異議が唱えられることもあり、こうした考え方も多くの高配当銘柄、連続増配銘柄を生み出す背景となっているといえるでしょう。

さらに米国株全体が長期的に成長を続けており、多くの投資家が今後も成長が続くと見ています。そのため米国株を保有することで高い配当収入だけでなく、株そのものの値上がり益も期待できるでしょう。また米国株は、1株単位で売買が可能です。日本株は100株単位となっているため、その場合は「株価×100」が最低売買単位となります。

米国株は、1株単位のため10や50、150といったように100株単位以外の株数を気軽に取引することができ投資する人の資産規模にあわせやすい点もメリットです。

積立投資する銘柄の選び方と買い方

じぶん年金づくりで米国株を買うには、一度に買うのではなく積立投資によって少しずつ買っていくのがセオリーです。これはドルコスト平均法と呼ばれる手法で、購入価格が平均化されると株価変動のリスクを抑えやすくなります。配当利回りが3~5%程度の銘柄で一定期間以上の連続増配をしている銘柄が望ましいでしょう。

先述した連続増配の上位銘柄は、いずれも日本ではあまりなじみがありません。しかし日本からの投資であれば、分かりやすさの観点から名前を知っていたり商品やサービスを認識していたりする銘柄のほうが安心でしょう。一般的に米国株は年4回の配当支払いがあるため、一つの銘柄を保有していると年に4回配当が入る仕組みを作ることができます。

例えば「1月、4月、7月、10月」といった具合です。この配当には各社ばらつきがあるので、これに加えて「2月、5月、8月、11月」と、「3月、6月、9月、12月」が配当月になっている銘柄を組み合わせることで毎月いずれかのグループから配当が入る仕組みを作ることができます。具体的にそれぞれの配当月グループには、以下のような銘柄があります。

1月、4月、7月、10月が配当月

  • ジェイピー・モルガン・チェース
  • シスコシステムズ

2月、5月、8月、11月が配当月

  • キャタピラー
  • プロクター・アンド・ギャンブル
  • アップル
  • アメリカン・エキスプレス

3月、6月、9月、12月が配当月

  • アイビーエム
  • ファイザー
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン
  • インテル
  • ボーイング
  • マイクロソフト
  • エクソン・モービル
  • マクドナルド

ここで紹介した銘柄のすべてが3%以上の配当利回りになっているわけではありません。しかし配当利回りは株価によって変動するため、連続増配銘柄であれば投資の価値はあるのではないでしょうか。長期的な積立投資となるため、購入し続けている銘柄の配当額が著しく低下したとき以外は銘柄をあまり頻繁に変えることなく買い続けるのがポイントです。

株価が急落してしまうと不安になりますが、一定額ずつ買い進めていくのであれば株価が下落したほうが購入株数としては多くなるため、それだけ将来のじぶん年金額が増えます。

米国株投資で注意するべき3点

非常に魅力的な米国株投資によるじぶん年金づくりですが、もちろん注意点もあります。米国株投資で注意しなければならないのは、以下の3点です。

注意点1:為替リスク

米国株を日本から購入するには、日本円を米ドルに両替して購入することになります。また配当は米ドルで支払われるため、将来その配当金を生活費として使うには円転(外貨から日本円への両替)が必要です。投資時よりも為替レートが円高ドル安になると元本と配当が目減りしてしまう点は認識しておきましょう。

しかし将来のために積み立てをしているお金となるので、当面使う予定がないのであればそのまま円転せず配当金も米ドルのまま追加投資していくのが有効です。ドルコスト平均法は、為替変動も織り込んでいるため、長期的に両替と株の買い増しを進めていくことにより為替リスクも平均化されていきます。

注意点2:二重課税

米国株投資で受け取る配当金は、米国国内で課税対象になります。米国では10%の税金が発生しそれを差し引いたものを日本で受け取る際に20.315%(復興所得税を含む)の税金が発生するのです。つまり米国と日本での二重課税となります。日本株投資で得た配当金であれば日本での20.315%しか課税されないため、米国の課税分だけ不利な一面があるのです。

ただし米国株の配当の高さゆえに、この不利な部分があっても米国株のほうが最終的には多くの配当を手にすることができると見る投資家は多い傾向です。

注意点3:購入できるのは日本時間の深夜

日本と米国には、時差があります。ニューヨーク証券取引所があるニューヨークと日本には、14時間の時差があるため、ほぼ昼夜逆転です。米国株を購入できるのは、ニューヨーク証券取引所が開場している時間帯のため、日本人投資家にとっては深夜となります。そのためリアルタイム操作では、株を購入しにくいハンディがあるでしょう。しかし、これは指値注文を入れておくことで克服できます。

もちろん配当金の受け取りについては開場時間と関係がないため、証券会社の口座に自動入金されます。

ここまで解説してきた方法でもいいですし、ほかの方法でも構いません。今後、「じぶん年金」づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。(提供:THE Roots

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