リーダー・先輩が取り組むべき職場環境の改善策⑤
(画像=PIXTA)

能力を存分に発揮する部下の育成方法

成長を促進する人間関係のよい職場

第4原則について、これまで「部下に信頼される」「部下のやる気を起こす」方法を考えてきた。今回は「部下を育成する」ことに焦点を当てて解説していきたい。

「企業組織はリーダーを養成する生涯学習の場」といわれることがある。確かに自分が支店経営において発揮していた力量の大部分は、入行してから今日まで積み重ねてきた様々な職務経験で形成されており、その経験が成長の糧となって現在発揮している実務・実践力の源泉となっていることが分かる。

とりわけ、上司や同僚に恵まれ伸び伸びと力を発揮できる「人間関係のよい職場」環境の中で、存分に仕事に打ち込み積み重ねた経験が、特に血肉になっていると感じる。

他方で、たとえそれが希望どおりの職務であったとしても、職場内に議論や会話が少なくひたすら規則や指示に従って黙々と仕事をしていた頃の経験は、案外成長の糧かてになっていないものだ。

エドワード・L・デシほか『人を伸ばす力』(1999年新曜社)によれば、人は「統制によって動機づけられるよりも、興味を持って没頭するなど自律的・内発的に自分で自分を動機づけるほうが、創造性、責任感、健康な行動、変化の持続性といった点で優れている」と指摘する。指示や命令によってより、能動的に伸び伸び取り組むほうが能力が発揮できるということだ。

部下育成において最も重要なことは「どのような職務経験を積み重ねてもらうか」を考える前に、部下との関係を「ともに働く仲間との信頼関係」と捉え、コミュニケーション豊かな安心して仕事ができる「人間関係のよい職場環境」を整えることである。こうした職場環境での職務経験こそが成長の糧になり、力の源泉になっていくからだ。

持ち味を伸ばすキャリアパスを形成