相手の心をほぐす「さしすせそ」のコミュニケーション術
(画像=PIXTA)

Q15. 2026年の手形廃止が報道されているけどどんな背景があるの?

A Q1でも述べたとおり、手形を利用した商慣習は江戸期からみられ、1930年代からは現在の手形・小切手制度に連なる法整備が行われてきました。

昭和恐慌・敗戦を経た戦後復興期に入ると、旺盛な資金需要を背景に、事業者側に著しい資金不足がみられました。特に高度成長期以降は、多くの事業者が資金不足を補うべく、原材料や外注先事業者への支払いなどに約束手形を利用したことで、事業者間の信用創造に大きく貢献しました。

1970年代以降は金利が自由化され、預金・融資の期間に応じた需給バランスが市場実勢に直接反映されるようになりました。バブル経済崩壊後の1990年代には事業者側の資金不足が解消され、預貸率が順次低下。直接金融などを活用可能とする規制緩和を背景に、事業者側の資金調達手段が多様化したことで借手の立場が強まり、融資の金利も低下していきました。

負担の軽減などが目的

こうした背景の下で、2020年の約束手形の交換高は約134兆と、ピーク時の1990年の3%を切るまでに激減しました。さらに、2月19日には、経済産業省が2026年を目途に約束手形の利用廃止を産業界や金融界に求めていく方針を明らかにしました。 

主な理由には、資金が支払われるまでの期間短縮や利息・割引料負担の軽減、収入印紙・郵送費負担の軽減などを挙げています。

ポイント

2020年の約束手形の交換高は、ピーク時の3%を下る水準にある

Q16. 手形・小切手の営業店での取扱いは今後どうなっていく?