Market Talk
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就任以来掲げた物価目標2%。その意味を改めて問う。

日本銀行は4月、2023年度の物価見通しをプラス1%としたことを公表した。黒田東はる彦ひこ総裁の任期は23年の4月までで、任期中に目標である物価上昇率2%の達成はできない見込みとなった。

日銀は、消費者物価上昇率2%を達成するまで、現在の政策の枠組みを変えないと宣言している。

ただ過去10年間で物価が2%に上昇したことはない(図表)。また消費税率が2%上昇したことで大騒ぎになるのに、毎年、物価が2%上昇することを目指すというのは少し奇異にも感じられる。

近代セールス
(画像=近代セールス)

一方で日銀は、米国とEUが2%の物価上昇を目指すので、日本も同じ2%を目指さなくては円高になってしまうと説明する。

これは前提として、長期的にみた為替レートは、海外と国内の物価上昇率の差によって決まると考えるからだ。例えば、米国の輸出品の値段が日本よりも1%値上がりすると、米国の輸出品が売れにくくなって、ドル安圧力が生じる。ドル円レートは、1%だけドル安、そして円高に調整されるという理屈だ。

日銀は、潜在的な円高圧力を恐れて、長短金利を米国よりも引き下げ、さらに2%を達成するまで超低金利を長く続けるという予想を浸透させようとしている。

4月の決定会合では申し開きに終始