近年、クレジットカードでは様々なサービスの支払いができるようになり、利用者の利用法も多岐に渡っている。
株式会社ZUUが2021年4月にクレジットカード保有者500名を対象に行った調査においてクレジットカードの所持理由を調査したところ、様々な支払いにクレジットカードが利用されていることがわかった。(実査機関:クロス・マーケティング)

このような流れを受け、「クレジットカードで自動車税を払いたい」と考える人もいるだろう。2016年の税制改正で可能になり、ポイントも獲得できるようになった。しかし納税証明書が発行されないことや手数料などの注意点があることも理解しておかなければならない。
この記事では、クレジットカードで自動車税を支払いたい人のために、注意点などを解説する。
自動車税はクレジットカードで納税できるのか?

2016年の税制改正により、自動車税をクレジットカードで決済できるようになった。地方税については、一部の自治体でクレジットカード決済ができたが、2016年の改正で支払える範囲が広がった。
クレジットカードで支払うことができれば、一定期間支払いを後回しにできるためキャッシュフローに余裕が生まれる。カードを使った時点で現金がなくても、引き落とし日までに口座に決済金額を用意すればよいからだ。カード払いという選択肢ができたことで、自動車税の納税も便利になったと言えるだろう。
決済後は取り消しできない
自動車税のカード払いで注意すべき点として、決済後に取消できないことがある。インターネットでカード払いを設定し、手続きを済ませると「納付済み」になる。
生活状況によっては、税金の一部が納付猶予になる人もいるが、納付済みのお金が猶予対象でも、決済済みの部分を取り消すことができない点には注意が必要だ。
自動車税をクレジットカードで支払うメリット
クレジットカードによる自動車税の納税には、さまざまなメリットがある。ポイントやマイルの獲得、キャッシュフローの長期化などが可能だ。ここでは主なメリットを3つ解説する。

メリット①:クレジットカードのポイントやマイルが貯まる
メリット②:支払期日を繰り延べできる
メリット③:納付期限内なら自宅でいつでも納税できる
クレジットカードのポイントやマイルが貯まる
納税金額に応じてカードのポイントやマイルを貯めることができる。現金払いでは、こうした特典はつかない。
支払いで獲得したポイントやキャッシュバックされた分は、ほかの買い物に充てることができる。支払いに高還元率のカードを使えば、実質的に自動車税の支払額を減らしているという捉え方もできるだろう。
支払期日を繰り延べできる
クレジットカードを利用することで、支払期日の繰り延べも可能だ。納税期日までにお金を用意できなくても、カードの支払期日まで時間の余裕が生まれるからだ。
自動車税は毎年4月1日時点で車を持っている人に都道府県から通知書が届き、5月末までに払うことになる。しかし5月末に近い期日にカード決済すれば、支払いまでに猶予期間を作ることができる。
支払準備に余裕を持てるのもクレジットカードで納税することのメリットと言えるだろう。
納付期限内なら自宅でいつでも納税できる
インターネットで手続きをすることで、自宅から自動車税を納税できるのもクレジットカードのメリットだ。
従来は、平日の決まった時間に銀行などに行かなければならないため、スケジュールの確保に苦労した人もいるだろう。しかし、クレジットカードを利用することで、パソコンやスマートフォンでいつでも手続きができる。
クレジットカードで自動車税を納税する際の手数料は?
自動車税をクレジットカードで納めるときには、2種類の手数料がかかる。自治体に払う分と、決済方法に応じたカード側からのコストだ。
自治体に支払うシステム手数料
自動車税でカード決済を行う場合、手数料は支払う側の負担となる。システム利用料相場は300円程度で、兵庫県では1度の納税で税込330円となっている。
納付のやり直しが起きると、手数料も2倍かかるので、支払い準備は慎重に進めたほうがよい。自治体によって金額も異なるので、納付が近くなったら事前に確かめておこう。
クレジットの決済方法による手数料
カード決済を選ぶと、「決済手数料」がかかる。税額が大きければ手数料も増える仕組みだ。分割やリボ払いを選べば、カード会社から方法に応じた手数料を請求されることにも注意が必要だ。
クレジットカード使用時の納税証明書は?
自動車税をカードで払うと、納税証明書をその場で入手することができない。書類自体が送付されないので、必要な人は申請しなければならない。カード決済における納税証明書の扱いについて、以下で解説する。
送付されないので必要なら申請を
自動車税のカード決済では納税証明書を送ってもらえない。証明書が必要な場合は申請が必要だ。
例えば、軽自動車は納税データが管理されていないので証明書が必要だ。車を売るときも、店によっては証明書を要するし、引っ越し先で新しく車検を受けるときも納税確認として提示義務が生じる。
納税証明書の申請は、普通車なら管轄の運輸支局、軽自動車なら自治体の役所で可能だ。車検証と印鑑を準備して、早めに手続きを済ませておこう。
車検で納税証明書が不要に
車検時に、納税証明書を出さなくてよい場合がある。陸運局と税事務所がインターネットで納税の事実を確かめられるからだ。ただし証明書不要のケースは普通車に限られる。
条件は車検が継続検査であることや納税から2~4週間経過していることだ。自動車税を滞納していると証明書不要で車検を受けられないケースもある。条件つきだが書類を省略できるのは便利だろう。
納税後3週間以内に車検ならコンビニか金融機関窓口で
車検まで3週間以内に迫ったときは、カードによる自動車税の決済はできない。納税のデータ反映に時間がかかるからだ。この場合、コンビニか金融機関の窓口で自動車税を払うことになる。
納税方法も都道府県によって異なる。ここでは東京都や千葉県など代表的な地域でのケースを解説する。自分の住んでいる地域のルールを把握しておこう。
東京都の自動車税クレジットカード納税について
東京都では、インターネットを通して自動車税を納めることができる。パソコンやスマートフォンに加えて、「モバイルレジ」を使った手続きも可能だ。
ただし納付書発行当日になると、クレジットカードは使えない。税事務所や金融機関、コンビニで税金を払うときは、現金払いすることになる。
千葉県の自動車税クレジットカード納税について
千葉県では、「千葉県税クレジットカードお支払サイト」にアクセスすれば手続きできる。必要事項を入力することで、指定代理納付者(三菱UFJニコス株式会社、ちばぎんJCBカード株式会社)が税金を立て替えてくれる。
ただしこのサイトでは、通知書1枚ごとに新たな手続きをしなければならない。年1回とはいえ、通知書の期限内でしかサイトにアクセスできないことには注意が必要だ。
大阪府の自動車税クレジットカード納税について
大阪府ではパソコンやスマートフォンを使って、自動車税をカードで決済できる。「大阪府自動車税お支払サイト」にアクセスして必要な手続きを済ませればよい。
ただし納付番号と確認番号に応じた納付所でしかカード決済はできない。納付期間を過ぎたら、金融機関やコンビニでの現金払いしかできなくなる。システム手数料として1回の納付ごとに税込330円がかかることにも注意が必要だ
兵庫県の自動車税クレジットカード納税について
兵庫県ではパソコンやスマートフォンに加えて、タブレット端末でも自動車税をカードで払える。税込330円のシステム手数料はかかるが、他の都道府県より利便性は高い。
兵庫県では、税事務所やコンビニ、金融機関窓口などでは最初からカードを使えない。通知書にある期限を過ぎると、インターネットでもカード利用ができなくなる。
カード払いをして3週間後に管轄の税事務所に申し込めば、証明書を入手できる。
自動車税をクレジットカードで支払うデメリット
デメリット①:納税証明書が発行されない
デメリット②:手数料がかかる
自動車税のカード決済にはデメリットもある。納税証明書を受け取れないことや手数料の問題だ。これら2つのデメリットについて解説する。
納税証明書が発行されない
カード払いでは自動車税の納税証明書が発行されない。代わりとなる証明書が必要な場合は、カードの利用明細や納税画面を印刷したものなどを保管しておくとよいだろう。
手数料がかかる
自動車税のカード払いには決済手数料がかかる。乗用車の排気量が大きいほど税金も大きくなるが、金額に合わせて手数料も大きくなることに注意だ。
例えば、東京都で1.5Lクラスのコンパクトカーには、自家用で3万4500円の自動車税がかかる。これに対する決済手数料は税込321円だ。こうしたコストを加味して、支出を計算する必要があることに注意しよう。
クレジットカードを利用して手軽に自動車税を納めよう
2016年の税制改正により自動車税もクレジットカードで決済できるようになった。税金のカード決済のパターンは幅広いが、自動車関連も対象になったことで、キャッシュレスの浸透を実感できるだろう。
ただしカード決済では納税証明書が発行されなかったり、期限を過ぎるとできなかったりするデメリットもある。通知書の期限や自治体ごとのルールなど、使えるかどうかを確認しておくべきだろう。
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調査概要
実査機関 | 株式会社クロス・マーケティング |
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調査目的 | クレジットカード保有者への満足度に関する調査 |
調査対象 | クレジットカードの利用または保持している方 |
調査方法 | インターネットリサーチ |
調査対象者数 | 500名 |
調査実施期間 | 2021年4月 |
調査対象地域 | 日本国内 |
母集団 | クレジットカードの利用または保持している、20歳~69歳の男女500名 |