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(画像=PIXTA)

【預金編その4】通称名義での口座開設を依頼された…

Q お客様から通称名義での口座開設依頼を受けました。通称名義での開設は可能なのでしょうか。対応時の注意点などはありますか。

A 通称とは、本名ではないものの、特定の人に対する呼び名として世間一般に通用する名称のことです。同様のものにペンネームや芸名、雅号などがありますが、これらの名称は世間一般では本名以上に本人を表示することに適していることもあります。

手形における署名を通称や雅号により行うことについて、判例や学説では有効と認めており、これは一般の取引においても同様と考えられています。また、自筆証書遺言の氏名について、本名以外の通称名を記載したものを有効として認めた判例もあります。

これらのことから、書類に行う署名は、行為者の同一性を確認する手段であり、行為者本人を特定するに足りる名称であれば、通称や雅号等でも差し支えないという考え方をすることもできます。

しかし、判例や学説では有効であっても、金融機関の実務上、通称等を使用した口座は本名を使用した口座と比べて安全な口座とはいえません。すなわち、通称等の名称はそれを証明する書類はなく、「本人が常に使用しているから、知人や取引先に本人として知られている」という事実上のものだけなのです。そのため、なりすまし等の不正行為が入り込む余地が多いといえます。

取り扱えない金融機関も