健康診断は、自分の健康状態を知ることのできる貴重な機会です。日本では職場や市区町村などの自治体の多くで、無料もしくは一部の費用で健診を受けることができます。一方で、忙しいビジネスパーソンの中には、「わざわざ時間をかけて足を運ぶのは面倒」と考える人のほか、受けっぱなしの人も少なくありません。

未来の健康に備える健診は、コストパフォーマンスの高い自己投資と言えます。健診がなぜ自己投資といえるのか、その重要性を紐解いていきましょう。

目次

  1. 健診と検診の違い
    1. 健診とは
    2. 検診とは
  2. 健診・検診の種類
    1. 一般健診・特定検診
    2. がん検診
  3. 健康診断で早期発見できる傷病とは
    1. 高血圧症
    2. 糖尿病
    3. 脂質異常症
  4. 健診の結果から、どのように行動するかが大切
  5. 自己投資として健診を受けよう!

健診と検診の違い

健康診断
(画像=あんみつ姫/stock.adobe.com)

私たちが医療機関などで受ける“けんしん”には、 健康状態を診断する「健診」と、一定の病気などを検査する「検診」があります。

同じようなものと考える人がいるかもしれませんが、それぞれ目的が異なります。詳しく見ていきましょう。

健診とは

「健診」は健康診断・健康診査の略で、“健康であるかどうか”を確かめるものです。 身体計測をはじめ、血圧・心電図の測定、血液検査や尿検査、胸部レントゲン定などさまざまな検査を行います。

全身を検査することで健康状態を調べ、健康を脅かすような病気が隠れていないかを判断するほか、病気の兆候がないかを知るために行います。

検診とは

健康の“けん”ではなく、検査の“けん”を用いる「検診」は、特定の病気になっていないかどうかを知るために検査するものです。

がん検診や歯科検診など、目的に応じてその病気の疑いがあるかどうか、早期発見するための検査を言います。その結果を受けて、早期治療に結びつけることが目的です。

健診・検診の種類

では、私たちが受診できる健診・検診にはどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、職場や住んでいる地域の自治体で受診できる健診・検診を中心に見ていきましょう。

一般健診・特定検診

日本の企業では事業者が従業員の健康診断を行うことが義務づけられており、従業員も受診することが義務になっています。この一般健康診断は雇用時に行うものと、1年以内に1回実施する定期健診の2つがあります。

一般健康診断 雇用時の健康診断
定期健康診断
特定健康診査・特定健康指導

また、企業に勤めている・いないに関わらず、医療保険(組合健保、共済組合、国民健康保険など)に加入している40~74歳までの人を対象とする特定健康診査が実施されています。

これは、近年増えている「メタボリックシンドローム(以下、メタボ)」に着目した健診で、この結果から、生活習慣病のリスクが高く生活習慣の改善で予防効果が期待できる人には、専門スタッフにより特定健康指導が行われます。

厚生労働省が実施している『国民生活基礎調査』(2019年大規模調査)の結果によると、20歳以上の人(入院している人を除く)のうち、過去1年間に健診や人間ドックを受診した人の割合は、男性で74.0%、女性で65.6%でした。

【健診の自費診療】
企業に勤めていない人や、一般健診の項目以上を調べたい場合には、自費診療(自由診療)の健康診断を受けるのも選択肢の1つです。

医療保険制度が適用とならず全額自己負担となりますが、検査項目が多いことから各自に合わせて健康状態の詳細を検査することが可能です。労働安全衛生規則によって定められている一般検診の項目は11項目ですが、自費健診では医療機関によって50〜100項目を検査することができます。

がん検診

がん検診は、市区町村などから委託された医療機関などで受けられます。これは「対策型検診」といって公的な予防対策として行われるもので、有効性が証明された検査方法が実施されます。

検診名 対象者 実施頻度
肺がん検診 40歳以上 年1回
胃がん検診 50歳以上 2年に1回
大腸がん検診 40歳以上 年1回
子宮頸がん検診 20歳以上の女性 2年に1回
乳がん検診 40歳以上の女性 2年に1回

前出の『国民生活基礎調査』では、40歳から69歳の人(入院している人を除く)のうち、過去1年間に胃がん、肺がん、大腸がんの健診を受診した人の割合は男女ともに肺がん検診が高く、男性で53.4%、女性で45.6%でした。

また女性においては、過去2年間に子宮がん(子宮頸がん)検診、乳がん検診を受診した人の割合が増加傾向にあります。2019年の調査では子宮がん(子宮頸がん)検診を47.4%、乳がん検診を43.7%の人が受診しています。

【がん検診の自費診療】
対策型検診に対して、全額自己負担する「任意型検診」があります。これは、個人の死亡リスクを下げることが目的とされており、医療機関によって検診内容や料金を選ぶことが可能です。

健康診断で早期発見できる傷病とは

このように健診・検診は目的が異なるものの、さまざまな検査を受けることで病気の早期発見・早期治療につながるものです。ただし、前出の『国民生活基礎調査』の結果が示すとおり、それぞれの受診率は決して高いとは言えないのが現状です。

加えて、同調査によると、国内でなんらかの傷病により通院している人は人口1,000人当たり404.0とされており、傷病別に見ると健康診断で早期発見・早期治療できるものが上位にあります。

男性
1位 高血圧症 2位 糖尿病 3位 歯の病気

女性
1位 高血圧症 2位 脂質異常症 3位 眼の病気

このうち生活習慣病を中心に、どのような病気か、どういった検査が有効かを紹介します。また病気にかかってしまった場合、その進行によりどれくらいの医療・治療費がかかるのかその目安も見ていきましょう。

健診によって、病気になるのを防いだり、早期治療ができれば、どれくらい経済的・時間的な損失を防げるか=コストパフォーマンスが高いといえるのか、参考になるでしょう。

高血圧症

「高血圧症」は、脳梗塞やくも膜下出血などの脳血管疾患、心臓病、腎臓病につながる重大な健康リスクです。

高血圧の基準は、日本のほか世界的にも血圧140/90mmHg以上とされています。この基準を下回っている部分が「正常域」として3つに分類されており、血圧が高くなるほど脳血管・心疾患のリスクが高まると言われています。

分類 収縮期 拡張期
正常域血圧 至適血圧 <120 かつ/または <80
正常血圧 120-129 かつ/または 80-84
正常高値血圧 130-139 かつ/または 85-89
高血圧 かつ/または 2年に1回 90<

(単位:mmHg)

厚生労働省の『患者調査』(2017年)によると、脳血管疾患の平均入院日数は、ほかの疾患と比べると突出して長く平均78.2日となっています。35〜64歳を対象にした場合も、平均45.6日となっており1ヵ月以上の入院が必要と考えられます。

入院が長引けば、医療費も高額となることも考えられます。生命保険文化センターが行う「生活保障に関する調査」(2019年)によると、入院経験がある人のうち入院時の自己負担費用(*)は、31〜60日で平均34.6万円、61日以上で平均60.9万円でした。

*治療費・食事代・差額ベッド代に加え、交通費や衣類、日用品などを含む。高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額

糖尿病

「糖尿病」がある人は世界的に増えていると言われ、日本でも重要疾患の1つとして国が定めています。厚生労働省が実施している『国民健康・栄養調査』(2020年)の結果によると、「糖尿病が強く疑われる人」「糖尿病の可能性を否定できない人」の割合は両方を合わせて27.3%にのぼります。

糖尿病の恐ろしさは、その合併症にあります。網膜症による失明リスクのほか、神経障害による足壊疽が進行することで最悪の場合は足の切断が必要になるほか、腎症が進行することで人工透析が必要となる可能性もあります。

糖尿病は血液検査の結果から、次の基準によって判断することが可能です。

糖尿病型の判断基準
空腹血糖値 126mg/dL以上
ブドウ糖負荷後2時間値 200mg/dL以上
随時血糖値 200mg/dL以上
かつ/または
ヘモグロビンA1c 6.5%以上

全国健康保険協会(兵庫支部)の資料によると、合併症を発症していない糖尿病の場合の1人当たり年間医療費は約5万円とされています。さらに病状が進んで、合併症の1つである腎症を発症すると早期の段階で年間医療費は約25万円、腎不全となり人工透析が必要になると年間医療費は実に約575万円に上ると言われています。

脂質異常症

「脂質異常症」とは、血液中にふくまれるコレステロールや中性脂肪などの値が、基準値から外れることで、以前は「高脂血症」と呼ばれていました。

血液中の脂質が次の基準となった場合に、それぞれの脂質異常症と判断できます。

脂質異常症の判断基準
高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール 140mg/dL以上
低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール 40mg/dL未満
高トリグリセライド血症 中性脂肪(トリグリセライド) 150mg/dL以上

とくに、悪玉と言われるLDLコレステロールの値が高いと動脈硬化が進行し、脳梗塞や心筋梗塞などのリスクが高まります。

肥満(内臓脂肪型肥満)の人が、脂質異常症や高血圧、高血糖のリスクのうち、いくつかをあわせもった状態を「メタボ」と言いますが、メタボに該当した人の医療費は、非該当だった人に比べて年間8万〜12万円高いというデータもありました。肥満やメタボなど、病気の一歩手前のような状態でも医療費が多くかかることがわかります。

健診の結果から、どのように行動するかが大切

現代は自覚症状が出てから医療機関を受診するのではなく、定期的な健診によって病気の予防や早期発見・早期治療が可能な時代です。一般健診はもちろん、自費診療による精密な健診でさらに多くの検査項目を調べることは、病気の発見や進行を防ぐことに大いに役立ちます。

健康診断によってさまざまな病気を早期発見・早期治療することができれば、医療費をはじめとした、将来かかる可能性のある負担を大きく抑えることができるでしょう。これは、コストフォーマンスの高い自己投資と言って過言ではありません。

ただし健診は、ただ調べるだけでは意味がありません。病気があってもなくても、健診の結果を受けてどのように行動するかが肝心です。

さまざまな健康リスクが考えられる30代・40代ともなれば、「面倒だけれど年に1回受ける」という意識ではなく、自分の健康状態にしっかりと向き合う心構えが必要でしょう。

自費健診では、検査後に食事や生活習慣をサポート、アドバイスしてくれるものも多く登場しています。とくに忙しいビジネスパーソンこそ、将来にわたって健康に活躍するために、こういったサービスを利用して、しっかりと自分の健康管理に向き合っていきましょう。

自己投資として健診を受けよう!

現状を把握して対策をとることは、ビジネスで考えた場合にも最善の方法といえます。働き盛りの30~40代のビジネスパーソンであれば、健康診断の価値について深く理解できるのではないでしょうか。

私たちにとって健康な体は最大の財産と言えます。何をするにしても健康であることは欠かせません。その大切な財産を維持し育てていくために、年に1度ほどの健診を受けることは、誰にとっても必要な自己投資と言えるでしょう。

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