新型コロナウイルスの影響を受けて、睡眠の質の低下や睡眠不調を抱えている人が増えています。睡眠トラブルは、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の引き金になることがわかっており、慢性的な症状にはとくに注意が必要です。では、どのような症状に気をつければいいのでしょうか。この記事では、とくに睡眠障害について紐解いていきます。

目次

  1. 睡眠トラブルには大きく2つある
    1. 睡眠習慣
    2. 睡眠障害
  2. 睡眠障害の主な症状をチェック!
    1. 症状1.不眠症
    2. 症状2.過眠症
    3. 症状3.睡眠時無呼吸症候群
  3. 睡眠障害は生活習慣病のリスクを高める原因に
  4. 睡眠障害に心当たりがあれば検査を

睡眠トラブルには大きく2つある

睡眠トラブル,生活習慣病
(画像=ryanking999/stock.adobe.com)

睡眠トラブルは「睡眠習慣」と「睡眠障害」の問題に分けることができます。

睡眠習慣

睡眠トラブルの原因と言えば、「寝不足」や「寝る前スマホ(*)」などの睡眠習慣をイメージする人が多いでしょう。

*就寝前のデジタル機器の操作や動画の視聴が、ブルーライトをはじめとする光刺激の影響により睡眠の質を下げると言われています

規則正しい睡眠習慣を築くことができない原因は、現代人のライフスタイルにもあるとも言えます。昼夜を問わないシフトワークや、夜型の生活などによって体内時計と生活時間にずれが生じること、長時間労働によって十分に睡眠時間を確保できないことなどが、不規則な睡眠習慣につながっています。

睡眠障害

「睡眠障害」は、睡眠そのものにトラブルが生じている状態のことです。

たとえば、睡眠中に呼吸が止まったり不規則になったりする睡眠時無呼吸症候群や、「寝ようと思ってもなかなか眠れない」という状態が長く続く不眠症などが問題視されています。

睡眠障害を引き起こす背景には、いくつかの原因があります。

プライベートの悩みや仕事上の不安を抱えたりすることで睡眠障害となる「心理的原因」や、関節リウマチや湿疹による痛みやかゆみ、花粉症の不快感などの身体の症状がある場合は、それが不眠の引き金になる「身体的原因」が疑われます。

睡眠障害の主な症状をチェック!

規則正しい生活を心がけることによって改善が期待できる睡眠習慣に比べ、睡眠障害はそれ自体が生活習慣病と考えることができ、とくに注意が必要です。睡眠障害の症状にはどのようなものがあるのでしょうか。

症状1.不眠症

夜の寝つきが悪く眠りが浅い、夜中や早朝に目が覚めて眠った気がしないなどの症状が続いて、日中に眠気や疲れといったさまざまな不調が起こるのが「不眠症」です。

日本では約5人に1人が不眠症の症状に悩んでいるといわれ、加齢とともに急激に増加しやすい傾向があります。とくに女性に多く見られやすく、入眠困難(なかなか寝つけない)や中途覚醒(何度も目が覚める)などいくつかの症状が同時に現れることもあります。

症状2.過眠症

夜はしっかりと眠れているにも関わらず日中に強い眠気に襲われ、起きていることが困難になるのが「過眠症」です。

主なタイプは、耐え難い眠気に襲われる「ナルコレプシー」、10時間以上の長い夜間睡眠をとっているにもかかわらず1時間以上の居眠りを繰り返す「特発性過眠症」、強い眠気を生じさせる期間が3日~3週間持続するものの、その症状が自然になくなる「反復性過眠症」の3つに分けられます。いずれも10代~20代で見られやすい症状です。

症状3.睡眠時無呼吸症候群

口腔、喉の空気の通り道が狭いことにより、睡眠中に何度も呼吸が止まるのが「睡眠時無呼吸症候群」です。1時間のうちに5回以上の無呼吸、または呼吸量が正常時の2分の1以下になる低呼吸がある場合に疑われます。

主な症状は、大きないびきや日中の眠気、目覚めたときの倦怠感などです。睡眠中に見られる症状については本人が自覚していないことも多いため、家族や身近な人の注意が重要となるでしょう。

睡眠障害は生活習慣病のリスクを高める原因に

慢性的な寝不足などの睡眠習慣によって糖尿病や血管疾患などの生活習慣病につながることはよく知られていますが、睡眠障害も生活習慣病につながることがわかっています。

生活習慣病は、バランスの悪い食事や運動不足、ストレスなどの生活習慣が原因で発症する疾患の総称です。がん、脂質異常症、糖尿病、高血圧症、脳・心疾患などが含まれます。

睡眠障害によって肥満や高血圧、脂質異常症などの症状が現れると、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患へとつながり命の危険性も高まり、その関連性は近年多くの研究によって明らかにされています。

症状ごとに見ていくと、慢性的な不眠症の人は血糖を上昇させる『糖質コルチコイド』が過剰に分泌されたり、「メンタル不調」で活動性が低下したり、「糖尿病」に罹患するリスクも高まります。

また、睡眠時無呼吸症候群の人は夜間に頻繁に呼吸が止まることにより血管が収縮し、体内で酸化ストレスや炎症が起こるなどの状態が続きやすくなります。こうした状態が5年~10年にわたって継続されると、「高血圧」や「心不全」、「脳・心血管障害」などにもかかりやすくなるため注意が必要です。

睡眠障害に心当たりがあれば検査を

長期にわたり睡眠トラブルを放置すると私たちの健康を大きく害することになります。睡眠中の激しいいびきや一時的な呼吸停止、手足にむずむずとした不快感など思い当たる症状が見られた場合には、早期の改善が重要です。また、日中の眠気や居眠りなどの症状も初期段階で発見できれば、悪化の予防につながるでしょう。

「たかが睡眠」と軽く考えず、疑われる症状がある場合には専門的な検査を受け、早めに治療することが大切です。