営業店に必要な高齢のお客様対応ノウハウ
(画像=PIXTA)

高齢者の考え方や資産背景で働き方や年金の受取り方も変化

堀江奈保子主席研究員
堀江奈保子(ほりえ・なおこ)主席研究員
みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部
年金、医療・介護保険をはじめとする社会保障、雇用・人事労務などを研究。社会保険労務士

高齢者にとって、公的年金は生活基盤を支える重要な収益源だ。ただ60歳を超えても働くのが当たり前となった今、高齢者の関心は「何歳まで働き年金をいつから受け取るか」や、在職老齢年金制度などに移りつつある。金融機関の担当者が働く高齢者から相談を受けることも多いだろう。

本稿では、公的年金制度を研究テーマとする、みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部の堀江奈保子主席研究員にインタビュー。働く高齢者の実情や年金の受取り方、金融機関の担当者に求められるアドバイスなどを伺った(以下、敬称略)。

──昔と違い現在は60歳で引退することは少なく働く人が増えているようにみえます。実際、働く高齢者は増えているのでしょうか。

堀江 もちろん増えています。総務省の統計を見ましても(図表)男性はもちろんのこと女性も就業率が上昇していることが分かります。最近は70歳代前半の就業率も上がっており、長く働く高齢者が増えています。

近代セールス
(画像=近代セールス)

──なぜ働く高齢者は増えているのですか。

堀江 法改正が1つのきっかけになったのではないでしょうか。かつては60歳から特別支給の老齢厚生年金が支給されていましたが、男性は2001年度(平成13年度)以降、女性は2006年度(平成18年度)以降、段階的に支給開始年齢が引き上げられています。また、2006年に高年齢者雇用安定法が改正され、定年年齢引上げ、継続雇用制度の導入等により65歳までの雇用確保が企業に義務付けられましたが、その年から明らかにカーブが上昇しています。

現在、企業は希望者全員を65歳まで雇用する義務があるほか、努力義務ではあるものの70歳までの就業確保措置を講じることが求められており、高齢者の就業率はさらに上昇すると見込まれます。

そのほか「人生100年時代」といわれるように男女ともに寿命が延びており「老後資金が不足するのではないか」という不安を持つ人が増えたこと、高齢者といっても元気で健康な人が増えたこと──なども高齢者の就業促進につながっています。

在職老齢年金に対する考え方は二極化