マネロン
(画像=PIXTA)

Q 企業の粉飾を見抜くには、まず決算書の何から見ればいいですか。利益の水増しを見抜くために損益計算書に注意すればいいのでしょうか。

A 粉飾は決算書の利益を実際より大きく見せることが多い。だから粉飾を見抜くためには、利益が計上される損益計算書に注意すべきと考える人もいるだろうが、それでは不十分だ。

損益計算書は1年間の損益状況を表し、貸借対照表は決算期末日時点の財産の状態を表すという仕組みを踏まえ、この2つが粉飾でどう連動するのか理解して見るとよい。

仮に、200万円の損失を100万円の利益に粉飾するとしよう。この場合、300万円分だけ売上高を増やす会計処理をすれば、損益計算書上で100万円の黒字決算が達成できる。一方の貸借対照表では売掛金で処理するパターンが多く、資産は300万円分だけ過大計上となる。

翌期も同額で粉飾するとしよう。損益計算書では同じように300万円分だけ利益は増加するが、貸借対照表では前期を含めて600万円分の売掛金が過大計上となる。貸借対照表の残高は、翌期の期首残高となるため、粉飾額が累積するわけだ。

この粉飾を10年続けると、損益計算書では毎期の利益が300万円増えるだけだが、10年後の貸借対照表では資産が3000万円も過大計上となってしまう。300万円の嘘を見つけるより3000万円の嘘を見つけるほうがずっと簡単だ。

以上から粉飾を見抜くには、まず貸借対照表の怪しい資産、異常値を探すことをお勧めする。

注意すべき売掛金は明細と回転期間で確認