クレジットカードには、いくつかのグレードに分類されている。一般カードの1つ上にゴールドカード、そしてさらに上にプラチナカードがある。誰でも今すぐ持てるものではなく、選ばれた人だけが持てるカードであることからプレミアカード、ステータスカードの一種でもある。

これからプラチナカードを持ちたいとお考えの方にとって、数あるカードの中でどれを選ぶかは重要だ。なぜなら、一口にプラチナカードといっても年会費や性能、サービス内容などはそれぞれ異なるからだ。

そこで当記事では、プラチナカードとはどんなカードで、これから持つ人はどんなカードを選ぶべきなのかについて解説する。最後にはおすすめのプラチナカードを5つピックアップして紹介するので、カード選びの参考にしていただきたい。

プラチナカードの基本情報

プラチナカード,比較
(画像=PIXTA)

最初に、そもそもプラチナカードとはどんなクレジットカードなのかについて、整理しておこう。プラチナカードを手にしたことがない方は、基本からおさらいをしておきたい。

プラチナカードとは?

プラチナカードとは、一般カードよりもグレードの高いカードのことである。一般カードの1つ上のグレードとしてゴールドカードがあり、そのさらに1つ上にあるのがプラチナカードだ。貴金属の世界でも金よりプラチナのほうが希少性が高いため、それと同じ感覚でプラチナカードのほうが上位カードとなる。

年会費はゴールドカードよりもプラチナカードのほうが高いことが一般的で、それに比例して付帯サービス、ポイント還元率などが充実しているのが大きな特徴だ。

券面の特徴としては、白金とも呼ばれるプラチナを連想させるような銀色が基調になっていることが多く、ほとんどが金色の券面になっているゴールドカードと明確に差別化されている。

ちなみに、カード会社によってはそれよりもさらに上の「ブラックカード」を設けている場合がある。アメリカン・エキスプレスの「センチュリオンカード」がその一例だ。この場合はブラックカード、プラチナカード、ゴールドカード、一般カードという序列になるが、ブラックカードが設定されていないカード会社の場合はプラチナカードが最上位カードとなる。

どんな人が持てる?

一般カードと比べてゴールドカードはワンランク上の所得層をターゲットにしているため、プラチナカードはそのさらにワンランク上の人たちを対象にしていると考えるとイメージしやすいだろう。

申し込み自体は社会人であれば誰でも可能なカードが多いが、申し込みができるからといって審査に通るとは限らない。ゴールドカードよりも年会費が高く、ほとんどのプラチナカードは数万円以上になるため、その年会費を難なく支払うことができる人というのが一つの基準になる。

また、カード会社やカードブランドによっては「インビテーション」といってカード会社からの招待がなければ作ることができないプラチナカードもある。インビテーションを受けるには一般カードもしくはゴールドカードを持っている人がカードを積極的に利用し、年間の利用額が基準以上である必要があるといわれている。ただし、この基準については明らかにされていないため、あくまでも「定説」の範囲を出ない。

プラチナカードを持つメリット

年会費が高いこと、誰もが簡単に持つことはできないという2つのハードルさえ超えることができれば、プラチナカードには実に多くのメリットがある。ここでは主な5つのメリットについて解説しよう。

VIP向け特典

プラチナカード会員は、カード会社にとってはVIPだ。多額の会費を支払い、年間を通じて多額の利用をしてくれるのだから、優良顧客そのものだ。それゆえにカード会社からのサービスも手厚く、さまざまなVIP向け特典がある。

ポイント還元率が全体的に一般カードより高い傾向があることや、コンシュルジュサービスの内容が充実していることなど、カード会社によってサービスの内容はさまざまだが、一般カードよりも充実していることでは共通している。

世界中の空港ラウンジが利用できる

空港を利用していると、VIPだけが利用できる空港ラウンジを目にしたことがある方は多いだろう。飛行機の搭乗を待つ時間を優雅に過ごすことができる空港ラウンジは限られた人だけを対象にしたものだが、ほとんどのプラチナカードにはこの空港ラウンジを利用できる特典が付帯している。

ゴールドカードの中にも空港ラウンジを利用できるものはあるが、国内空港のみであったり、無料で利用できるのはカード保有者本人だけ(同伴者は有料)といったようにサービスに制約が設けられている場合が多い。プラチナカードにはそういった制約がほとんどなく、本人だけでなく同伴者も無料となるものが多い。

手厚い保険が付帯されている

多くのクレジットカードには旅行保険や盗難保険などが付帯しているが、プラチナカードも同様だ。ただし、同様といっても補償の内容が一般カードよりも手厚くなっていることが多く、たとえば有名カードブランドであるJCBの場合、一般カードの「死亡・後遺障害」に対する保険金額は最高3000万円だが、プラチナカードだと1億円だ。他のさまざまな補償についてもプラチナカードは保険金額が大きいので、かなり手厚い補償が付帯している。さらにカードを持っているだけで適用になる「自動付帯」の場合もあるのでチェックしてみよう。

ホテル・レストラン・その他多数の施設で優待を受けられる

プラチナカードの多くには、ホテルやレストラン、フィットネスクラブなど数多くの施設で優待が受けられる会員システムが用意されている。予約を取りにくい飲食店への予約サービスや観劇、テーマパークの入場チケット、ゴルフ場の予約手配など、そのバリエーションはとても多彩だ。

また、多くのカード会社ではゴールドカードとプラチナカードで優待の内容を差別化しているため、プラチナカード保有者のほうが多くの優待やサービスを受けられる。

24時間対応のコンシェルジュサービスが受けられる

まるで自分の秘書のようにさまざまな手配や通訳などをこなしてくれるコンシェルジュサービスは、ほとんどのプラチナカードに付帯している。しかも24時間対応、さらに海外では日本語対応のデスクが用意されていることが多く、こういった部分でもVIP扱いをされていることがよくわかる。

プラチナカードを選ぶ際の比較ポイント

それでは、いざプラチナカードを申し込む際には、どのカードに申し込むべきなのか、そのポイントについて解説する。以下の4点をご自身のニーズに照らしてみて、最適なものを選ぶのがよいだろう。

年会費に見合ったサービスか

プラチナカードにはほぼ間違いなく、年会費が発生する。「年会費無用」「利用状況に応じて年会費が無料」といったことはないところが、さすがプレミアカードであるともいえる。

安いものでも数万円、カードブランドによっては年会費が10万円を超えるようなものもあるため、年会費に見合ったサービス内容であるかどうかはシビアでありたい。

自分に合ったサービスか

ここまでの解説で、プラチナカードはカード保有者向けのサービスがとても充実していることをおわかりいただけたと思う。しかしその内容はカード会社によってさまざまなので、そのサービスが自分に合ったものであることが重要だ。

たとえばディズニーランドやUSJといったテーマパークの優待が充実しているカードがあったとしても、そういったレジャーに興味がなければ意味がない。

充実した付帯サービスがあることは当然として、それが自分に合ったもの、自分が利用する機会が多そうなものであるかどうかを精査しよう。

利用限度額はどうか

プラチナカードの保有者は富裕層、もしくはそれに近い人であることを想定しているため、当然ながら利用限度額は総じて大きい。おおむね年会費に比例するように設定されているので、たとえば年会費が2万円未満のプラチナカードであれば最高300万円、そして年会費が3万円を超えるようなカードであればそれ以上に設定されている、といった具合だ。

ご自身のカード利用規模を考慮して、どれくらいの利用限度額があれば十分かを見極めてカード選びをするのが、年会費のコストパフォーマンスを高めることにつながる。

ステータス性はあるか

充実した付帯サービスや利用限度額などで、カードのステータス性をしっかり感じられることも、プラチナカードの魅力であることは間違いない。

そしてもう一つ注目したいのが、「見た目」だ。ゴールドカードよりもランクの高いカードであることをさりげなく主張しているデザインや素材など、人前でカードを出してみたくなるものを選ぶと、思わぬ優越感を味わえるかもしれない。

おすすめプラチナカード徹底比較

それでは最後に、数あるブランドの中からおすすめのプラチナカードを5つ紹介しよう。いずれもプラチナカードとしてのスペックをしっかりと持ちつつ、いざとなった時の安心感も大きいカードばかりだ。

JCBプラチナカード

カードの券面にあしらわれている「JCB」のロゴが一般カードの色彩ではなくプラチナカラーで統一され、券面にも高級感が漂う。世界中の空港ラウンジを無料で利用できる「プライオリティ・パス」に加えて、京都の駅ビル内ラウンジも利用できるところに、ちょっとしたこだわりを感じる。

プラチナカードらしいサービスをほぼ網羅していながら年会費が2万7500円なのでコストパフォーマンスに優れているといえるカードである。

三井住友カードプラチナプリファード

ポイント還元率が1%なので、カードを利用した支払いが実質的にすべて1%引きになる。さらにこのポイントを利用できる「Vポイント」は利用価値が高く、ためたポイントを有効利用しやすい。年会費が3万3000円で利用限度額が500万円なので、プラチナカードの基本的なスペックをしっかり網羅したバランスのよいカードだ。

アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード

年会費が14万3000円という、他のプラチナカードと比べても突出した年会費が大きな特徴。カードが金属製なので、ステータス性も抜群だ。

予約の取りづらい飲食店への予約代行、さらに対象となっているレストランに2人以上で来店し、コース料理を注文すると1人分が無料になるというユニークなサービスもある。ハイブランドの店舗などで買い物をすると100円で10ポイントがたまるため、10%という驚異的なポイント還元率になる。

エポスプラチナカード

プライオリティ・パスが付帯しているため、世界中の空港ラウンジを無料で利用可能。国内の空港ラウンジについても、同伴者1名までが無料なるのはエポスカードの中でもプラチナカードだけだ。旅行保険についても補償内容がかなり差別化されており、エポスゴールドカードと比較しても最高補償額は10倍だ。

グルメクーポンやコンシュルジュサービスについても、このプラチナカードにだけ付帯しているサービスなので、利用価値はとても高い。

ユニークなのは、インビテーションを受けて入会した場合と自分で申し込んだ場合では年会費が異なることだ。インビテーションがあると年会費は2万円、そうでない場合は年会費が3万円になる。

Orico card THE PLATINUM

年会費が2万370円でありながら、プライオリティ・パスの付帯によって世界1300か所以上の空港ラウンジを無料で利用可能であること、最高1億円の死亡補償、家族補償を含む利用付帯の旅行保険、24時間365日対応のコンシュルジュサービスなど、プラチナカードとしてのスペックをしっかりと備えた一枚だ。

さまざまな条件によってとても高いポイント還元率が適用されるため、ポイントをためてオトクに利用したい人にもおすすめだ。

プラチナカードで一つ上のライフスタイルを

プラチナカードは単なる「ハッタリ」ではなく、本当にワンランク上の生活を実現できる重要アイテムだ。コンシュルジュサービスが充実していてさまざまな手配などを代行してくれるのは、忙しい人にとってとてもありがたいものであるし、どうしても欲しいもの、どうしても見たいものなどがある時にもプラチナカードは強い味方となる。

「ひとつ上」のライフスタイルを実現したいとお考えの方は、コストパフォーマンスを重視して自分だけの一枚を見つけてほしい。