今の時代、クレジットカードがなければネットショッピングやキャッシュレス決済に支障をきたすこともあるだろう。そこで初めてクレジットカードを作ろうとお考えの方も多いと思うが、これだけたくさんのクレジットカードがあるとどれを選べばよいのか迷ってしまうのではないだろうか。

そこで当記事では、初めてクレジットカードを作ろうと検討されている方に向けてクレジットカードの基本的な知識や選ぶ際に注目するべきポイント、そして最後にはおすすめのカード5選をお届けする。

初めてクレジットカードを持つ方が知っておくべき知識を効率よく得ていただけると思うので、この記事の情報をしっかりマスターしたうえでカードを選び、有効活用していただきたい。

クレジットカードを初めて持つ方向けの基礎知識

クレジットカード,知識
(画像=PIXTA)

初めてクレジットカードを持とうとお考えの方の中には「そもそもクレジットカードとは何か」という素朴な疑問をお持ちの方もおられるだろう。そこで、クレジットカード初心者が知っておくべき基礎知識をまとめた。

クレジットカードの仕組み

クレジットカードの「クレジット」は、信用を意味している。クレジットカードは信用をもとにしたカードで、利用者は買い物などの代金支払いをカード払いにすることで後払いにすることができるが、それはカード利用者の信用があるからだ。

利用者はカード会社から付与された限度枠の範囲でカードを利用することができるので、信用状態が良好な人や属性の高い人ほどこの限度枠は大きくなる。

そして後日、あらかじめ設定している支払日に前月分の利用分をまとめて支払う仕組みだ。クレジットカードは欧米が発祥の仕組みだが、それは小切手を使った信用販売がルーツになっているといわれている。

クレジットカードの種類

一口にクレジットカードといっても、そこにはいくつかの種類がある。多くの方がご存じなのは、クレジットカードのグレードに関する分類ではないだろうか。一般カードのワンランク上にゴールドカード、そのさらに上にプラチナカードが存在する。カード会社によってはそのさらに上に最上位カードとしてブラックカードを設けていることもある。

こうしたカードのグレードが上がるにつれて入会するためのハードルは高くなり、同時に年会費も高くなる。その一方でグレードに比例してポイント還元率や付帯サービスが手厚くなる。

初めてクレジットカードを持つ人はまず一般カードに申し込み、使ってみて物足りなさを感じるのであればグレードが上のカードを検討するといったステップアップをするのがよいだろう。

クレジットカードは誰でも持てる?

クレジットカードは広く普及しているため誰でも持つことができると思われがちだが、実はそうではない。信用販売のためのカードなので、原則として持つことができるのは信用がある人だけだ。

過去に債務整理をしたことがある、延滞を繰り返していたというように信用状態に傷がつくようなことがある人は、クレジットカードを持ちたくても審査に落ちる可能性が高い。

これは裏を返すと、クレジットカードを持っている人は一定の社会的・経済的な信用のある人と解釈されるため、海外ではクレジットカードを持っていないと受けられないサービスも存在する。

クレジットカードの作り方

クレジットカードを作るには、カード発行会社に申し込みをすることからスタートする。カード発行会社とは「〇〇カード」などの名称でカードを発行、運営している会社のことで、「ニコスカード」や「三菱UFJカード」「三井住友カード」などはいずれもカード発行会社だ。

今ではほとんどのカード発行会社がインターネットからの入会申請を受け付けている。それぞれのカード発行会社のホームページにある申込フォームに必要事項を記入し、それを送信するのが一般的だ。カード発行会社は受け取った申請の内容を審査し、それに合格するとカードが発行されるというのが基本的な流れとなっている。

その他にもショッピングセンターや大手スーパーなどにブースを出展して、そこで入会募集を行っている場合や、店舗に申込書が置かれていてそれに記入して郵送して申し込みができる場合などもある。

クレジットカードの使い方

今やクレジットカードは実に多くの場所で使用可能だ。店舗やショッピングセンター、飲食店などはもちろん、オンラインショップやコンビニエンスストアでも利用できる。これらの他にも光熱費や携帯料金といった各種料金もカード払いが可能になっている。

実店舗でクレジットカードを使う場合には、カード払いをしたい旨を店員に伝えてカードを渡すとサインや暗証番号を求められるので、それに応じて決済完了となる。オンライン上でクレジットカード払いをする場合はカード払いを選択し、カード番号と有効期限、氏名、そして暗証番号やパスワード、セキュリティコードなどを入力して決済完了となる。

キャッシュレス決済の場合は、カード払いを選択してカードを挿入し(またはICチップ型のカードの場合はタッチ)、暗証番号などを入力して決済完了となる。

初めてクレジットカード選ぶときのポイント

初めてクレジットカードを作ろうと思った時、カード選びにおいて何をチェックすればよいのかわからないという方が大半だろう。クレジットカード払いができるという意味ではすべてのカードで同じことが可能なので、どこで比較すればよいのかわからないかもしれない。

そこで当記事では、初めてクレジットカードを選ぶ方に向けて比較したいポイントを5つの項目に整理して解説する。

還元率

還元率とは、ポイント還元率のことだ。クレジットカードでは利用額に対して一定の比率でポイントがたまる仕組みが採用されており、例えば200円に対して1ポイントがたまるカードであれば、ポイント還元率は0.5%となる。一般的なクレジットカードでは0.5%のポイント還元率を採用していることが多いが、中には差別化を図るためにもポイント還元率を1%、もしくはそれ以上に設定しているカードもある。

たとえば「JCBカードW」というカードはポイント還元率の高さをセールスポイントにしているため、通常の買い物でもポイント還元率が通常のJCBカードの2倍以上、ネットショッピングだと最大20倍にもなる特典がある。ポイント還元率重視で選ぶのであれば、このように還元率の高さにこだわっているカードを選ぶのがよいだろう。

年会費

年会費はクレジットカードの維持コストなので、無料であるのが望ましい。年会費無料となっているカードであっても「2年目から有料」となっている場合もあるので、無料にこだわるのであれば「永年無料」と表記されているカードを選ぶのが確実だ。

ただし、年会費については無料であれば何でもよいということはない。年会費が有料のカードにはそれだけの価値があり、次項より解説するサービスや付帯保険の内容が充実していることもあるからだ。年会費は無料であることを理想とする一方で、コストパフォーマンスを重視しよう。

受けられるサービス・特典

多くのクレジットカードには、カード保有者向けに独自のサービスがある。国内および海外の空港ラウンジを無料でできるサービスや、24時間対応のコンシェルジュサービス、加盟している飲食店の代金が優待になるなど、その内容はさまざま。ポイント還元の他に設けられているこうしたサービスが充実しているか、そしてもう1つ重要なのが設けられているサービスが自分のライフスタイルに合ったものかどうかを検討しよう。

付帯保険

カード保有者向けに多くのクレジットカードで用意されているのが、付帯保険だ。多くのカードで、保険料を別途負担することなく、旅行保険や買い物をした商品の盗難保険などが付帯している。この付帯保険についての補償内容や補償額についても、自分のライフスタイルに合ったカードを選ぶのが理想だ。

近年は航空券やツアー代金を支払った場合に保険が付帯する「利用付帯」での保険が多くなっているが、持っているだけで保険に入っていることになる「自動付帯」を選ぶとさらに便利だ。旅行によく行く人は、付帯保険の補償額と合わせて、利用付帯か自動付帯か、家族も補償対象になるかなどもチェックしよう。

新規入会キャンペーンはお得か

初めてクレジットカードを作る方は当然、そのカード発行会社への申し込みも初めてのはずだ。カード会社各社は顧客獲得のために新規入会キャンペーンを行っており、キャッシュバックや商品券、特別景品などその内容についても各社競い合っているため、魅力的なものが多く見られる。

同じような条件のカード同士で比較検討するのであれば、新規入会キャンペーンが充実しているほうを選ぶのが得策だ。

初めてクレジットカードを作るときの注意点

初めてクレジットカードを作る際の注意点として押さえておきたいのは、セキュリティだ。カードを不正利用されてしまい、身に覚えのない請求が来ることを考えるとゾッとする方も多いだろう。もっとも、こうした不正利用については保険が適用され、支払う必要はないことが大半なので安心してほしい。

だからといってセキュリティを無視してよいわけではなく、暗証番号を推測されにくい番号にすることや、カードの裏面にちゃんと自筆の署名をしておくなどの対策は講じておきたい。

初めてクレジットカードを作る方におすすめの5選

初めてクレジットカードを作る方、という想定でおすすめのカードを5つ厳選して紹介しよう。いずれも初心者向きで、カードを維持しやすいなどのメリットに優れている。

楽天カード

「楽天カードマン」のCMでおなじみ、ネットショッピング大手の楽天が発行しているクレジットカード。年会費が永年無料でポイントがたまりやすいカードとして知られている。特にネットショッピングをよく利用する方にはメリットが大きいだろう。

ライフカード

年会費無料のカードとして知名度が高く、さらに初年度はポイント還元率が1.5倍になること、誕生月の利用に対してはポイント還元率が3倍になる、さらには利用額に応じてポイント還元率が高くなっていくといったユニークなカードだ。

エポスカード

流通大手の「マルイ」が発行しているクレジットカード。優待サービスが充実しており、1万店舗もの飲食店やホテルなどでエポスカード保有者限定の優待が受けられる。また、ポイントアップサイト「たまるマーケット」の利用でポイント還元率が最大30倍になるため、利用方法を工夫するとポイント蓄積をスピードアップできる。

JCB CARD W

本文中でも紹介した、ポイント還元率の高さが売りのクレジットカードだ。年会費が永年無料でありながら高いポイント還元率を提供しているカードは少ないため、稀有な存在である。申し込み可能なのは39歳の人までだが、39歳までにカードを作っておけば40歳以降も同様のサービスを受けることができる。

セゾンカードインターナショナル

ポイントに有効期限がなく、「永久不滅ポイント」であることが特徴のクレジットカード。年会費は無料なので、必要に応じて使用してポイントをためておくという使い方も可能だ。もっておいて損はない一枚といえるだろう。

ポイントをおさえて良いクレジットカードライフを

初めてクレジットカード選びに必要な知識を解説してきたが、お読みいただく中でポイントシステムがとても重要であることにお気づきではないだろうか。クレジットカードでためることができるポイントは実質的な「お金」なので、その還元率やポイントのためやすさは直接的なオトク感につながる。

各カードのポイントシステムをしっかりとマスターしていただき、買い物上手から一歩進んだ「カード名人」を目指そう。