FP相談ケーススタディ【第3回】
(画像=makaron*/PIXTA)

Q 長年住んでいる社宅が売却されることに。今からマイホームは購入できる?

長年住んでいた社宅が売却されることになり、半年以内に出なければなりません。住宅を買うには遅い年齢(48歳)であることに加え、長女が私立中学に通っており、これからの教育費と住宅費を考えると購入後の生活が不安です。親から住宅購入資金500万円の贈与はあるものの、今からマイホームを買えるのか知りたいです。

A まずは現状のキャッシュフロー表(CF表)を作成し、家計の強みと弱みを把握しましょう。そのうえでご希望の物件を購入するために不足する金額や、それに対する改善策の効果をご説明します。そこで住宅費用以外の支出についてご夫婦で共有いただき、住宅にかけられる金額を算出しましょう。それにより、不足分を補うための支出削減が必要な場合でも、優先順位をはっきりさせることで納得感のある選択をしていただけると思います。

まずは、Aさんのプロフィール(図表1)と年間家計収支(図表2)からAさん一家の家計のどんな点に着目すればよいか考えたい。

FP相談ケーススタディ【第3回】
(画像=ファイナンシャル・アドバイザー)

最初に気になったのが、社宅住まいのため家計にはゆとりがあるはずだが、その割に貯蓄が60万円と少ないこと。定期預金や運用はしておらず、保険への加入(104万円/年)のみ。この点、安全志向が強いのか、保険で運用する理由があるのか確認が必要だ。

次に支出の中で目に留まったのが、夫婦で年間84万円のお小遣い。退職まで住宅費の心配がなく、共働きで当面の資金繰りも問題なかったことから、あまりお金の管理をしてこなかったのかもしれない。

こうした状況下で、Aさん一家は半年以内に社宅を退去しなければならなくなった。Aさんは、子どもたちが転校する必要がないよう、現住所の近隣に新築戸建てを希望しているが、同学区内で予算内の希望物件がタイミングよく見つかるかどうかは分からない。結果的にはマンション・中古・賃貸となる可能性もある。

こうした場合には、それぞれのシナリオについてお客様に決めてもらうことは何か (決定権は夫婦どちらにあるのかも含め)を整理して、相談を進めていく必要がある。

複数のCF表を比較し改善効果を実感してもらう