上品
(画像=PIXTA)

豊かな自然が広がる島根県の山奥、奥出雲に拠点を構える有限会社トムは、ビオラやカーネーション、バラなどの花を乾燥させ食用として提供する、ドライエディブルフラワー(乾燥食用花)を製造販売する会社だ。

このドライエディブルフラワーを取り扱っている会社は世界でも珍しく、同社は国内外問わず製菓材料の問屋をメインに八百屋にも卸しているほか、ケーキ屋などの製菓店とも直接取引をしている。7年前に起業し、高齢者の雇用創出にも取り組む八澤豊幸取締役社長に、同社の強みやコロナ禍の影響、金融機関への思いを伺った(以下、敬称略)。

八澤豊幸
八澤豊幸(やさわ・とよゆき)
有限会社エヌ・イー・ワークスで勤めた後、トムを買い取る形で2014年に起業。前職で培ったノウハウを活かし、準備期間わずか2カ月で同年5月に経営をスタートさせる

――最初に御社の事業について教えてください。

八澤 当社は世界でも珍しいドライエディブルフラワーという食べられる押し花を作っている会社です。私が起業した約7年前はそもそもエディブルフラワーというものが知られていない状態で、私が起業することに対して知人からは「そんなもの売れないでしょ」という反応も少なくありませんでした。

しかしいまでは製菓材料の問屋をメインに八百屋やケーキ屋などの製菓店と取引させていただいております。また2021年4月には「hana×musubi(ハナムスビ)」というブランドの下でECサイトを立ち上げ、オンライン販売にも力を入れています。

――なぜドライエディブルフラワーを手がける会社を創ったのですか。

八澤 2014年5月まで私はエヌ・イー・ワークスという会社で働くサラリーマンでした。その会社が07年5月、当時押し花を使ったせんべいを販売していたトムを買収。以来トムはエヌ・イー・ワークス傘下でドライエディブルフラワーを使ったお菓子を販売していました。

ところがある日社長からエヌ・イー・ワークスをたたむとの報告を受けたのです。社長は買収したトムの事業を「私ならやってくれる」と思っていてくれたのではないでしょうか。結果、私がトムを引き継ぐ形で起業することになりました。

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