定番のこの相続対策はここを押さえてアドバイスする【2】
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相続対策には定番といわれる手法も少なくないが、お客様にそうした手法を紹介する際には、必ずお伝えしなくてはならない事項がある。本稿では、主な相続対策の手法について、お客様にお伝えすべきポイントや活用にあたっての注意点を解説する。

④生命保険金を活用した代償分割 保険金受取人を誰にするかを間違えないように注意

大河ドラマなど時代劇で良くあるシーンに、「家督を譲る」シーンがある。「家督を譲る」とは戸主(父親)が長男に自分の立場と財産を譲るということである。昔は家の財産は長男がすべて相続することが一般的であった。

このような流れというのは比較的最近まで引き継がれていて、地方などではまだ残っている。

例えば、子どもが3人いる場合、父親と同居している長男が相続財産の大半を相続し、他の2人の子どもは「ハンコ代100万円」をもらって、相続を終わらせてしまうようなこともある。

遺言がない場合、各相続人は法定相続分まで相続財産を受け取る権利がある。今の例で言うと、本来、他の2人の子どもは遺言がなければ法定相続分まで財産を得る権利を主張できる。つまり、子ども同士の間では、相続財産は均等に受け取る権利がある。

しかし、そうした「ハンコ代」で済ます事例が今もあるのは、「相続人全員が合意」したからである。

もし、子どもの誰かひとりが「自分は法定相続分じゃなければ印鑑は押さない」と言い出したらどうなるであろうか。この場合は、遺産分割ができなくなる。遺産分割ができなければ、長男が現在住んでいる父親の自宅も、長男は住めなくなるかもしれない。

また、父親の預金も下すこともできない。遺産分割協議が終わるまで、すべての相続財産は共有状態(子ども全員の物)になるから、一人の相続人が相続財産を利用することはできないのだ。

このような状態では、兄弟仲は確実に悪化する。これは、父親にとって本意ではないであろう。

代償金をどうやって準備するか