銀行
(画像=PIXTA)

求められる実務対応

マネロン等対応では、マネロン等リスクを適時・適切に特定・評価把握し、リスクに応じて対応すること(=リスクベース・アプローチの徹底)が必要です。本稿の解説を踏まえると、行職員には次のような取組みが求められます。

・顧客属性を十分に理解しておく

前述のとおり、「疑わしい取引」の判断基準は3つあります。うち「他の顧客等との間で通常行う取引と比較して異常である場合」に気付くには、顧客属性を十分に把握し、取引内容をあらかじめ想定しておく必要があります。

そのためには、取引時確認の際に、本人特定事項(氏名・住居・生年月日)のほか、顧客管理事項である「取引を行う目的」「職業」のほか、必要に応じて、「収入」「財産」をヒアリングする等、属性の把握に努めてください。

そのうえで、「想定外の取引」の場合は顧客に説明を求めることとなりますが、その際には、自公庫が保有している取引時確認等の資料に基づき「想定外の取引が行われている理由」を納得いくまで突き詰めることが必要です。

職業や事業内容を変更した後で届け出ていないケースもあります。会社員が個人事業主に変わった・法人の事業内容が変わったなど、顧客の属性が大きく変化した場合には、想定外の取引の発生もあり得ます。必要に応じて資料等を徴求するなどして取引時確認を厳格に実施し、顧客の説明に納得できる場合には「疑わしい取引」には該当しないことになります。

預金規定では、住所その他の届出事項に変更があった場合は、直ちに書面で届け出ることを求めています。顧客へしっかりと説明・依頼しておくことが必要です。

・疑わしい取引の特徴を十分に理解しておく

営業店の窓口等で、口座の利用形態(通帳の動きや日々の取引実績等)から「疑わしい取引」に気付くことがよくあります。

「疑わしい取引」の特徴については、金融庁が公表している「疑わしい取引の参考事例」や国家公安委員会が公表している『犯罪収益移転危険度調査書』から、預金口座が犯罪に利用された事例等を把握することのほか、本部から還元された事例や最近の留意事項等、身近で発生したリスクについても認識しておくことが重要です。

『バンクビジネス』より引用
(画像=『バンクビジネス』より引用)

疑わしい取引事例をどう検知すべきかも訓練しておく