資格,鈴木秀明
(画像=THE21オンラインより)
今回解説してくれるのは…
協同組織金融機関の中央組織システム部門所属のHさん
職歴のほとんどをシステム部門で過ごし、電子メール導入から、ネットバンキング開発・勘定系更改の企画・業界内決済システムに携わる。現在は社内BPR システムやネット関連サービス導入を多く手がける。

「ITパスポート」とは、情報処理推進機構(IPA)が行う「情報処理技術者試験」の1つで、ITを利活用する者の共通的知識を評価する試験・資格です。本稿では、システム系・IT系資格の中からこのITパスポートをお勧めするわけですが、それには理由があります。

まず、金融機関がシステム産業というだけでなく、DXの流れがますます加速し、そのうち「目の前にある業務すべてがシステム化される」と想像される点を挙げます。特にAIの汎用化の流れは急激に広まっていて、営業や融資といった「伝統的に人手・個々人のスキルに頼っていた業務」も、かなりの部分をAIが担ってしまうようになるでしょう。

筆者が勤める金融機関においてもシステムの活用は加速度的に広まっていて、社内では仮想基盤の活用により業務用サーバを比較的容易に構えることができ、社外ではクラウドのデータセンターを利用、また外部の利用サービスはシステム部門を通さずともユーザ部門で契約して導入する―という例があります。こういった流れの中では、どんな部署にいても、いち金融機関行職員として「最低限のシステムの知識を持っていない」のは危険とさえいえます。

都銀では手当を出すほどデジタル関連資格取得を促進