
(画像=PIXTA)
企業支援で活躍する全国の人材に登場してもらい、そのノウハウや実践知、支援事例を紹介する。
今回は、但馬(たじま)信用金庫の取引先支援事例を、事業支援部の川上晃弘部長にご寄稿いただいた。
事業支援と地域創生の両方を担う部署
但馬信用金庫事業支援部(以下、当部)は6名体制で運営をしており、事業支援課と地域創生課という2つの部署から構成される。
事業支援課は創業支援、販路開拓支援、経営改善支援、事業承継・M&A支援など、企業のすべてのライフステージを支援する部署である。一方の地域創生課は、面的な地域創生や地方公共団体等との連携を行っている。
2部署の特徴としては、セクショナリズムがなく部内の職員が事業支援と地域創生の両方を担っているところにある。それゆえに専門部署とはいえ支援の分野も幅広く、ゼネラリストの素質も求められるのである。筆者自身も13年間、事業支援と地域創生を両輪に自らに与えられた使命を全うすべく、ミッションに向かって日々奮闘している。
当金庫は、兵庫県北部但馬地方を中心に営業しており、地域の基盤産業の1つに観光業がある。観光業は新型コロナウイルス感染症の拡大以前から「泊食分離(はくしょくぶん)」「団体旅行から個人旅行へのスタイルの変化」「インバウンドへの対応」など様々な課題があったが、緊急事態宣言等の発出により旅行客の激減という大きな影響を受けた。
以下ではコロナ禍の前と後それぞれのタイミングで、事業支援と地方創生の2つの役割を有機的に結び付けることで成功した、観光業(旅館)の支援事例を紹介する。

但馬信用金庫本店(画像=近代セールス)