農業
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JA共済グループとの棲み分け・差別化がポイント

1.農業法人と農地所有適格法人

最終回となる今回は、農業法人を取り上げ、保険コンサルティングを行うにあたって押さえておくべき知識を見ていきたい。

農林水産省が2019(平成31)年2月に発表した「農業構造動態調査結果」によれば、全国の農業経営体数は118万8800経営体(前年比▲2・6%)。

農業経営体とは経営耕地面積が30a以上の規模の農業や、露地野菜(15a以上)、果樹栽培(10a以上)、豚飼養頭数(15頭以上)などの農作物の栽培面積基準以上の規模の農業を行うものとされており、農業を主体あるいは準主体として収益事業を営んでいる個人、法人を指す。

家族経営でない組織経営体は3万6000経営体(前年比+1・4%)、うち法人組織経営体は2万3400(前年比+3・1%)と、農業経営全体が縮小する中で、法人化による規模の大きな経営は拡大していることがわかる(図表1)。

ファイナンシャル・アドバイザー
(画像=ファイナンシャル・アドバイザー)

農業法人というと、「農業生産法人」という名称を聞きなれている人が多いかもしれないが、2016(平成28)年の改正により、「農業生産法人」は「農地所有適格法人」に改称され、要件も緩和されている。

「農地所有適格法人」とは、農業経営を行うため、農地法の許可を得て、農地買収や賃貸が認められた法人で、農地や採草放牧地を利用して農業経営を行うことのできる法人のことだ。

認定要件として、

・農事組合法人、一般法人(株式会社は株式の譲渡制限があること)
・主たる事業が農業およびその農業に関連する事業であること(農業による売上が2分の1以上)
・農業者や農業関係者の議決権が2分の1以上であること
・役員の過半が、農業に常時従事する構成員であること。役員または主要な使用人(農場長など)のうち、1人以上が農作業に原則として60日以上従事すること

以上を満たし、各市町村に設置されている農業委員会に許可を得る必要がある。

なお、野菜工場、きのこ工場、ハウスでの花卉栽培などの施設型農業、養鶏など、農地を利用しない経営の場合は、農地所有適格法人の要件を満たしている必要はない。また、これらは農業法人自体を設立しなくても農業に参入することは可能である。

ホクト、雪国まいたけなどのきのこ生産、大手スーパーの水耕栽培による野菜生産などが代表例である。

農地を利用せずに農業を行っている「その他農業法人」と「農地所有適格法人」をあわせて、一般に「農業法人」と呼んでいる。

2.会社法人と農事組合法人