
京葉銀行の取組みにみる税公金収納の実際とキャッシュレス対応の展望
一般的な預金・為替・融資といった代表的な業務のかたわら、お客様にもなじみの深い金融機関の機能の1つとして「税金・公金の収納代行」があります。行職員である皆さんからしても、税公金収納代行は長年にわたり「金融機関の手を介して当然の仕事」との認識があるかと思いますが、近年、さまざまな要因からこの収納業務の取扱いに変化がみられています。
例えば2020年末には、三菱東京UFJ銀行が、住民税・固定資産税・国民健康保険料といった地方公共団体への税公金納付について一定の収納を終了させ、窓口払込みについては他金融機関への取次手数料を導入する―と表明しました。その対象は18都府県の194自治体にもわたるというインパクトで、この報道が記憶に新しい方もいることでしょう。
同行の収納取りやめという動きの背景には、主に税公金収納代行業務の煩雑さ・採算性の低さが挙げられています。ご存じのとおり、収益性低下が長期的な問題として取り沙汰される中、金融機関にはコスト削減の取組みを進めざるを得ない側面があります。
併せて、金融機関は規模を問わず、世の中の急速なキャッシュレス化への投資も余儀なくされています。前述のメガバンクの例にもれず、地域金融機関にとってはなお、避けて通れない課題が山積しているのです。
そうした現況下、税公金収納とはそもそも金融機関にとってどのような業務なのか、代行がどんな立ち位置で行われているのか、目下・また今後どう変わっていくと考えられるのか―。本稿では、10月に千葉県四街道市役所での税公金キャッシュレス収納を開始したばかりの京葉銀行へお話を伺い、その実際と展望についてレポートします。

(画像=『バンクビジネス』より引用)